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モニター縦置きのやり方と向き不向き

公開日

結論から書きます。縦置きが効くのは、行数が増えるからではありません。横スクロールが消えるからです。

コードもドキュメントもSlackも、縦に長く、横は狭い。この形のものを横長の画面に映すと、左右が余ったまま縦にスクロールし続けることになります。縦置きは、画面の形を中身の形に合わせる作業です。単に情報量が増える話ではありません。

縦置きが効くのは「行が増える」からではない

縦置きの説明でよく見るのが「表示できる行数が増える」というものです。これは間違いではありませんが、理由としては弱い。行数だけの話なら、横置きのまま解像度の高いモニターを買っても同じことが起きます。

本質はそこではありません。扱う情報の形と、画面の形が合っていないという問題です。

ソースコードを考えてみてください。1行の長さはせいぜい80〜120文字で、それ以上長い行はレビューで指摘される部類です。つまりコードは構造的に横幅を使い切らない。それを横長の画面に映すと、右半分が空白のまま縦にスクロールし続けることになります。

同じことが、PDFのドキュメント、Slackやチャットのスレッド、SNSのタイムライン、ログの出力、Gitの差分表示でも起きています。どれも1行が短く、縦にどこまでも伸びる形をしています。

もうひとつ、横に長い画面でテキストを読むと、行の左端から右端まで視線を大きく動かすことになります。縦置きで1行が短くなれば、視線は主に上下に動くだけです。目の疲れが気になる人はモニターで目が疲れる原因を整理した記事も併せて見てください。

縦置きが効かない場面と、結局2枚要る理由

縦置きの話は、デメリットのほうが判断に効きます。ここを先に読んでください。

横に長いものは縦置きでは扱えない

スプレッドシート、動画編集のタイムライン、横長のスライド資料、ガントチャート。これらは横に長いことに意味がある情報です。縦置きにすると、今度は横スクロールが発生します。冒頭に書いた問題が、そっくりそのまま逆向きに起きるわけです。

そして、この手の作業を完全にゼロにできる人はほとんどいません。だから現実的な結論はこうなります。縦置きにするなら、横置きの1枚が別に要る。

構成としては、メインを横置きにして体の正面、サブを縦置きにして横へ添える形が扱いやすいです。2枚の並べ方そのものはデュアルモニターの配置の決め方で4パターンに整理しているので、そちらを先に読むと配置で迷いません。

「縦置き1枚だけで暮らす」という選択肢が成立するのは、業務がコードとドキュメントとチャットに閉じている場合に限られます。

縦にすると横幅が減る

見落とされがちですが、縦置きは横幅を犠牲にして縦を得るトレードです。

  • 23.8型(16:9)を縦にすると、横幅は約29.6cm
  • 24.1型(16:10)を縦にすると、横幅は約32cm
  • 27型(16:9)を縦にすると、横幅は約33.6cm

横幅が30cm前後というのは、A4の紙より少し狭い程度です。ここに収まらない幅のものは、縦置きにした瞬間に横スクロール行きになります。24型あたりを検討しているなら24インチモニターの選び方にサイズ感の話をまとめてあります。

ケーブルの取り回しが変わる

縦置きにすると、モニター背面の端子の向きが90度変わります。 これは実際にやってみるまで想像しにくい変化です。

もともと下向きに出ていたHDMIやDisplayPortのケーブルが、横向きに出ることになる。硬いケーブルだと、モニターの横に大きくループを描いて張り出します。太いDisplayPortケーブルや、L字ではない電源ケーブルだと、机の上の見た目が一気に崩れます。

さらに厄介なのが、ピボットの回転方向がメーカーによって片方向しかない場合です。たとえば iiyama ProLite XUB2492QSU-B1A は時計回り90°のみ、EIZO FlexScan EV2495 は右回り・左回りの両方に対応しています。片方向しかない機種で、ケーブルを出したい側と回転方向が逆だと、取り回しが窮屈になります。

対策は3つあります。L字コネクタのケーブルに替える、USB Type-C 1本接続にまとめる、モニターアームのケーブルマネジメントに通す。とくにUSB Type-C対応のモニターなら、映像も給電もUSBハブも1本で済むので、縦横を切り替えても配線が乱れません。机の裏の整理そのものはデスクの配線整理にまとめました。

画面の上端が高くなる

縦置きにすると画面の高さがそのまま長くなります。27型なら縦方向が約60cmになる計算です。

画面の上端は目線と同じかやや下、というのが疲れにくい配置の基準です。縦にすると、この基準を満たすために画面全体を下げる必要が出てきます。ここで効いてくるのがスタンドやアームの昇降量です。

縦置きにする手順

やることは2つだけです。物理的に回転させることと、OS側で回転を認識させること。

手順①: 標準スタンドのピボットを確認する

いちばん安く済むのは、買うモニターの標準スタンドがピボット(画面回転)に対応しているパターンです。追加投資がゼロで、届いた日から縦置きを試せます。

仕様表で見るのは3つです。

  1. ピボットの有無 — 「縦回転」「ピボット」「画面回転90°」などの表記
  2. 回転方向 — 時計回りのみか、両方向か。ケーブルを出したい側で決まる
  3. 昇降量 — 縦にして高くなった画面を下げられるか。150mm前後あれば調整幅がある

この3つが揃っているなら、アームは要りません。逆に、ピボットがあっても昇降がない機種は避けてください。 縦にした画面を下げられず、上端を見上げる配置に固定されます。

手順②: 非対応ならモニターアームを使う

手持ちのモニターがピボット非対応なら、VESAマウント対応のモニターアームで解決します。アームなら回転は360°自由なので、スタンドの回転方向の制約からも解放されます。

アーム側で確認するのは次のとおりです。

  • VESA規格の一致 — 75×75mmか100×100mm。モニター背面の穴の間隔
  • 耐荷重の範囲 — 上限だけでなく下限も見る。軽すぎるとアームが浮き上がる
  • 天板の厚みと奥行き — クランプ式は天板の奥に空きが要る
  • 昇降量 — 縦にして高くなった画面を下げるための余裕

耐荷重の下限は見落としがちです。エルゴトロン LX は3.2〜11.3kg、サンワダイレクト 100-LA018 は2〜10kg。23〜24型の軽いモニターだと、下限が実際の制約になります。 取り付け作業そのものの手順はモニターアームの比較記事に書きました。

手順③: OS側で画面を回転させる

物理的に回したら、OS側の設定を合わせます。追加のソフトは要りません。

  • Windows — 設定 → システム → ディスプレイ → 「画面の向き」を「縦」または「縦(反対向き)」に変更
  • macOS — システム設定 → ディスプレイ → 対象のディスプレイを選び「回転」から90°または270°を選択

「縦」と「縦(反対向き)」のどちらを選ぶかは、物理的にどちら向きに回したかで決まります。 上下が逆さまになったら、もう一方を選び直してください。

もう1点。2枚使いの場合は、ディスプレイ設定の並び順と上下位置も合わせておきます。縦置きのモニターは横置きより背が高いので、設定画面上でも高さのオフセットを実際の見た目に近づけておくと、マウスが画面をまたぐときに引っかかりません。

縦置きで初めて問題になるIPSの視野角

横置きでは気にしなくてよかったのに、縦置きで急に効いてくるのがパネルの視野角です。

液晶パネルの視野角は、上下と左右で特性が違います。 90度回すということは、もともと上下方向だった特性が左右方向に来るということです。カタログの数値が同じでも、見え方が変わる場所が変わります。

加えて、縦置きは画面が縦に長くなります。画面の上端と下端を見るときの角度差が、横置きのときより大きくなる。視野角の弱い方向が縦に伸びると、上と下で色や明るさが違って見えます。

だから縦置き前提でモニターを選ぶときは、視野角の数値が上下左右で揃っているかを見てください。

  • EIZO FlexScan EV2495、Dell S2725QC — 178° / 178°
  • iiyama ProLite XUB2492QSU-B1A — 上下左右89°(片側表記なので、合計では178°相当)

このクラスのIPSなら、90度回してもほぼ対称なので影響が小さく収まります。

VAパネルはコントラストで有利な一方、視野角の対称性ではIPSに譲ります。 縦置きにすると色ムラが目立ちやすいという指摘もありますが、公表仕様に数値がある話ではないので、断定はしません。

有機ELは視野角では有利ですが、縦置きはSlackやエディタを固定表示する使い方になりがちで、焼き付きの観点では相性が良くありません。

縦置きに向くモニターとアーム

評価は「縦置き適性/可動域/設置しやすさ/拡張性/コスパ」の5項目・5点満点で統一しています。総合評価は各軸の単純平均ではなく、人に勧めるときの優先度を反映した編集判断の点数です。

最小コストで試す: iiyama ProLite XUB2492QSU-B1A

標準スタンドがピボットに対応しているので、アームを買い足さずに縦置きを始められます。 23.8型のWQHDという組み合わせは、縦にしたときの文字サイズと情報量のバランスが取りやすい解像度です。

iiyama

ProLite XUB2492QSU-B1A

総合評価4.3/5

評価

縦置き適性
4.3/5
可動域
4/5
設置しやすさ
4.5/5
拡張性
3.5/5
コスパ
4.6/5

こんな人に縦置きを最小コストで試したい人。23.8型WQHDなら縦にしても文字が小さくなりすぎず、コード・PDF・Slackを1画面に収められる

昇降が上下150mmあるのが実用的で、縦にして高くなった画面の上端を目線より下に落とせます。ピボットだけあって昇降のない機種とは、ここで差が出ます。

ここが良い

  • 標準スタンドが時計回り90°のピボットに対応し、モニターアームを買い足さずに縦置きを試せる
  • 23.8型WQHDは縦にしたときの文字サイズと情報量のバランスが良く、等倍表示でもコードが読める
  • 上下150mmの昇降があるため、縦にして高くなった画面の上端を目線より下に落とせる
  • IPS方式で上下左右89°の視野角があり、縦置きで左右方向になる色変化を抑えやすい

ここは惜しい

  • ピボットが時計回り90°のみで、ケーブルを左に出したい配置だと取り回しが窮屈になる
  • 23.8型は縦にすると横幅が約29.6cmしかなく、スプレッドシートや動画には向かない
  • USB Type-C端子はハブ用でPCからの映像入力には使えず、ケーブル1本接続はできない
  • スピーカーは2W×2で、会議用途では別途スピーカーかヘッドセットが要る

弱点は回転方向です。時計回り90°の片方向のみなので、ケーブルを左に出したい配置とは相性が悪い。また23.8型を縦にすると横幅が約29.6cmなので、スプレッドシートを開く用途は最初から想定外です。

縦置き1枚で完結させる: Dell S2725QC

27型4Kを縦にすると、横方向に2160px相当が確保されます。この解像度なら、縮小せずに横スクロールを消せます。

Dell

S2725QC

総合評価4.4/5

評価

縦置き適性
4.5/5
可動域
4/5
設置しやすさ
4.2/5
拡張性
4.5/5
コスパ
4/5

こんな人に縦置き1枚で横スクロールを完全に消したい人。27型4Kを縦にすると解像度の高さが効いて、長いドキュメントを縮小せずに追える

USB Type-C 1本で映像・最大65W給電・USBハブがまとまるのも、縦置きでは価値があります。前述のとおり縦置きはケーブルの向きが変わる配置なので、通す本数が減ること自体が効きます。 高さ調整・チルト・スイベル・ピボットが全部そろっているので、標準スタンドのまま縦と横を往復できます。

ここが良い

  • USB Type-C 1本で映像・最大65W給電・USBハブをまとめられるので、縦置きで増えるケーブルの本数を減らせる
  • 27型4Kを縦にすると縦2160px相当の情報量になり、コードもPDFも横スクロールが起きない
  • 高さ調整・チルト・スイベル・ピボットが全部そろっており、標準スタンドのまま縦横を往復できる
  • 178°/178°のIPSで、縦置きで左右方向に変わる色ムラが出にくい

ここは惜しい

  • 27型を縦にすると画面上端が高くなりすぎることがあり、デスクの奥行きと椅子の高さ次第では首が疲れる
  • 4Kを縦置きで等倍表示すると文字が小さく、結局スケーリングをかけて実効解像度が下がる場合がある
  • 内蔵スピーカーは5W×2で音質は補助的な範囲にとどまる
  • 本体が大きいぶん、縦にしたときの重心が高くなりデスクの揺れを拾いやすい

注意点は大きさです。27型を縦にすると上端が高くなりすぎることがあり、デスクの奥行きと椅子の高さ次第では首が疲れます。また4Kを等倍表示すると文字が小さく、結局スケーリングをかけて実効解像度が下がる場合があります。ここは机の環境を先に確認してください。

縦置きの理屈に最も合う: EIZO FlexScan EV2495

16:10のWUXGAという比率が、縦置きの話といちばん噛み合っています。EIZOはこの解像度を**「フルHDより縦に11%広い」**と説明していて、横置きのままでも縦のスクロール量が減る。そして縦にすれば横幅を約32cm確保できます。

EIZO

FlexScan EV2495

総合評価3.9/5

評価

縦置き適性
5/5
可動域
4.5/5
設置しやすさ
4/5
拡張性
4.8/5
コスパ
2.8/5

こんな人に縦置きの理屈をいちばん素直に体現した1枚が欲しい人。16:10のWUXGAは横置きでも縦に11%広く、縦にしたときの横幅も確保できる

回転が右回り・左回りの両方向なのも、この記事の文脈では大きい。ケーブルを出したい側に合わせて回転方向を選べるので、前述の「取り回しが窮屈になる」問題が起きません。昇降182.2mm・スイベル344°と可動域も広く、USB Type-C 1本で最大70W給電とLANまで通ります。

ここが良い

  • 右回り・左回りの両方に90°回るため、ケーブルを出したい側に合わせて回転方向を選べる
  • 16:10のWUXGAはフルHDより縦に11%広く、横置きのままでも縦スクロール量が減る(縦置きにすれば横幅も約32cm確保できる)
  • 昇降182.2mm・スイベル344°と可動域が広く、縦にして高くなった画面を目線の高さまで下げられる
  • USB Type-C 1本で最大70W給電とLAN・USBハブまで通るので、縦置きで動かす配線を1本にまとめやすい

ここは惜しい

  • 1920×1200は縦にすると横1200pxで、4Kや27型WQHDに比べると1行あたりの文字数が少ない
  • 同サイズのフルHD機と比べて価格が数倍になり、縦置きを試すだけの目的には過剰
  • 約7.6kgと重く、縦横を頻繁に切り替える使い方だと回転操作そのものが億劫になる
  • リフレッシュレートは60Hz級で、ゲームや高フレームレート用途は想定外

問題は価格です。同サイズのフルHD機と比べて数倍になるので、「縦置きを試してみたい」という動機だけで選ぶ製品ではありません。1920×1200は縦にすると横1200pxで、1行あたりの文字数では4Kや27型WQHDに譲ります。約7.6kgと重いので、縦横を頻繁に切り替える使い方だと回転操作そのものが億劫になります。

ピボット非対応のモニターを縦にする: エルゴトロン LX デスクマウント

手持ちのモニターがピボットに対応していないなら、これが答えです。 回転360°なので、スタンドの仕様に関係なく縦置きにできます。

エルゴトロン

LX デスクマウント

総合評価4.8/5

評価

縦置き適性
4.8/5
可動域
5/5
設置しやすさ
3.5/5
拡張性
3/5
コスパ
3.5/5

こんな人に手持ちのモニターがピボット非対応、もしくは縦横を頻繁に切り替える人。スタンドの回転仕様に縛られず、モニターの向きも高さも自由になる

昇降33cm・前後64cmという可動域は、縦置きで高くなった画面を目線の下に収めるうえで効きます。メカニカルスプリング式で、縦横を切り替えたあとの高さ調整が片手で済むのも、縦横を往復する使い方には向いています。保証10年なので、モニターを買い替えても土台として残せます。

ここが良い

  • 回転360°なので、ピボット非対応のモニターでも縦置きにできる。スタンドの回転方向の制約から解放される
  • 昇降33cm・前後64cmの可動域があり、縦にして高くなった画面の上端を目線の下に収める調整幅が大きい
  • メカニカルスプリング式で、縦横を切り替えたあとの高さ再調整が片手で済む
  • 保証10年と長く、モニターを買い替えても土台として使い回せる

ここは惜しい

  • 耐荷重3.2〜11.3kgの下限があり、軽量な23〜24型は軽すぎてアームが浮き上がることがある
  • クランプ取り付けにはデスク奥に空きと十分な天板強度が要る。奥行きの浅いデスクや薄い天板では補強プレートが別途必要
  • 縦置きにするとモニターの重心が上に移り、アームのトルク調整をやり直す必要がある
  • 本体だけで3.6kgあり、組み立てとトルク調整に工具と時間がかかる

弱点は導入のハードルです。耐荷重の下限が3.2kgあるので、軽量な23〜24型では軽すぎることがあります。クランプ取り付けには天板の奥の空きと強度が要り、奥行きの浅いデスクや薄い天板では補強プレートが別途必要になります。

アームの予算を抑える: サンワダイレクト 100-LA018

エルゴトロンまでは出せないが、アームで縦置きにしたいという場合の選択肢です。ガス圧式で上下の位置決めが軽く、縦置きで重心が変わったあとの高さ調整がしやすい構造です。

サンワダイレクト

100-LA018

総合評価4/5

評価

縦置き適性
4/5
可動域
4/5
設置しやすさ
3.8/5
拡張性
2.5/5
コスパ
4.5/5

こんな人にモニターアームで縦置きにしたいが、エルゴトロンまでは出せない人。ガス圧式で上下の動きは軽く、価格帯は抑えめ

耐荷重の下限が2kgとエルゴトロンより低いので、軽量な23〜24型と組み合わせやすいのは実質的な利点です。クランプ・グロメットの両対応で天板厚10〜50mm、VESAも75×75/100×100の両方に対応しています。

ここが良い

  • ガス圧式で上下の位置決めが軽く、縦置きにして重心が変わったあとの高さ調整がしやすい
  • 耐荷重の下限が2kgとエルゴトロンより低く、軽量な23〜24型モニターでも組み合わせやすい
  • クランプ・グロメットの両方に対応し、天板厚10〜50mmと守備範囲が広い
  • VESA 75×75/100×100に対応するため、縦置き用途で選びがちな中型モニターをほぼカバーできる

ここは惜しい

  • ガススプリングは経年でテンションが落ちるため、数年単位で見ると保持力の低下が起きうる
  • エルゴトロンのような長期保証はなく、長く使う前提なら差額を払う判断もある
  • シルバー1色で、黒いモニターや黒天板のデスクでは色が浮く
  • USBポートなどの付加機能はなく、縦置きで変わるケーブルの取り回しは自前で解決する必要がある

一方で、ガススプリングは経年でテンションが落ちる構造なので、数年単位で見ると保持力の低下が起きえます。長期保証もありません。長く使う前提なら差額を払う判断もある、という位置づけです。

横並びで比較する

まずモニター3機種です。

縦置き対応モニターの比較表
項目iiyamaProLite XUB2492QSU-B1AイチオシDellS2725QCEIZOFlexScan EV2495
総合評価4.3/54.4/53.9/5
画面サイズ23.8型27型24.1型
解像度2560×1440(WQHD)3840×2160(4K)1920×1200(アスペクト比16:10)
パネルIPS方式(ノングレア)IPS方式(ノングレア)IPS(アンチグレア)
視野角上下左右89°178° / 178°178° / 178°
リフレッシュレート最大100Hz120Hz—
昇降上下150mm—182.2mm
縦回転時計回り90°—右回り90° / 左回り90°
スイベル左右各60°—344°
チルト上23° / 下5°—上35° / 下5°
映像入力HDMI×1、DisplayPort×1USB Type-C×1(DisplayPort Alt Mode)、HDMI×2USB Type-C、DisplayPort、HDMI
USBハブUSB3.2 Gen1×2、USB Type-C×1USB Type-A×2—
スピーカー2W×25W×2—
VESA100×100mm100×100mm100×100mm
質量約5.9kg(スタンド含む)—約7.6kg
保証3年間(登録で5年)3年間 無輝点交換・良品先出し5年間
スタンド調整—高さ調整・チルト・スイベル・ピボット—
USB給電—最大65WUSB Type-C 最大70W
LAN——LANアダプタ機能付きLAN端子
こんな人に縦置きを最小コストで試したい人。23.8型WQHDなら縦にしても文字が小さくなりすぎず、コード・PDF・Slackを1画面に収められる縦置き1枚で横スクロールを完全に消したい人。27型4Kを縦にすると解像度の高さが効いて、長いドキュメントを縮小せずに追える縦置きの理屈をいちばん素直に体現した1枚が欲しい人。16:10のWUXGAは横置きでも縦に11%広く、縦にしたときの横幅も確保できる
購入先

続いてモニターアーム2製品です。

縦置き向けモニターアームの比較表
項目イチオシエルゴトロンLX デスクマウントサンワダイレクト100-LA018
総合評価4.8/54/5
対応モニター34インチまで34インチまで(27型・32型にも対応)
耐荷重3.2〜11.3kg2〜10kg
昇降33cm—
前後可動最大64cm—
パン360°—
回転360°—
チルト上下70° / 左右5°—
VESA75×75mm、100×100mm75×75mm、100×100mm
取り付けクランプ式(グロメット対応)クランプ式・グロメット式
アーム質量3.6kg—
カラーマットブラックシルバー
保証10年—
可動方式—ガス圧式
関節—水平垂直3関節
画面回転—ピボット(縦画面)対応
対応天板厚—10〜50mm
本体質量—約3.4kg
こんな人に手持ちのモニターがピボット非対応、もしくは縦横を頻繁に切り替える人。スタンドの回転仕様に縛られず、モニターの向きも高さも自由になるモニターアームで縦置きにしたいが、エルゴトロンまでは出せない人。ガス圧式で上下の動きは軽く、価格帯は抑えめ
購入先

どのモニターがそもそも自分に合うサイズなのかから決めたい場合は、モニターのおすすめと選び方にサイズ・解像度・用途の切り分けをまとめてあります。

まとめ

  1. 縦置きは「行が増える」施策ではなく「横スクロールが消える」施策 — 中身の形に画面の形を合わせる
  2. 横スクロールバーが出ていない画面なら効く — 出ている画面では逆効果になる
  3. 多くの人は2枚要る — 縦置きは1枚を置き換える施策ではなく、2枚目の形を決める施策
  4. 標準スタンドのピボットで足りるなら、それがいちばん安い — 回転方向と昇降量を仕様表で確認する
  5. 非対応ならアーム。耐荷重は下限も見る — 軽いモニターほど下限が効く
  6. 視野角は上下左右で揃っている機種を選ぶ — 90度回すと弱い方向が縦に伸びる

縦置きは無料で試せる施策ではありませんが、判断は無料でできます。 いま使っているモニターがピボット対応なら、今日その場で回して1週間使ってみてください。横スクロールが減った実感があるなら、その方向で機材を選ぶ価値があります。実感がないなら、それは扱っている情報が縦に長くないということです。

よくある質問

モニターを縦置きにすると作業効率は上がりますか?
扱う情報の形が縦に長い場合に限って上がります。ソースコード、ログ、PDF、Slackやチャットのタイムラインは、どれも1行が短くて縦にどこまでも伸びる形をしています。この形のものを横長の画面に映すと、画面の左右が余ったままスクロールし続けることになります。縦置きはその余りを消す配置です。逆に、スプレッドシートや動画編集のタイムラインのように横に長いものを扱うなら、縦置きにすると横スクロールが増えて効率は下がります。自分の作業がどちらの形かで決めてください。
縦置きにするには何が必要ですか?
必要なのは物理的な回転手段と、OS側の画面回転設定の2つだけです。回転手段は、モニターの標準スタンドがピボット(画面回転)に対応していればそれで足ります。対応していない場合は、VESAマウントに対応したモニターアームを使います。OS側はWindowsなら「ディスプレイ設定」の画面の向き、macOSなら「ディスプレイ」の回転から90度を選ぶだけで、追加のソフトは要りません。回転方向とケーブルの出る向きが合うかは、買う前に確認しておくと安心です。
縦置きは1枚だけで完結しますか?
多くの人は2枚必要になります。縦置きは縦に長いものに形を合わせる配置なので、横に長いものを扱う瞬間に破綻するためです。スプレッドシート、動画、横長のスライド資料は、横のまま見たい。1枚しか置かないなら、そのつど回転させるか、横のまま我慢するかになります。現実的には、メインを横置きにして正面へ、サブを縦置きにして横へ添える構成が扱いやすいです。縦置きは「1枚を置き換える施策」ではなく「2枚目の形を決める施策」だと考えたほうが失敗しません。
縦置きでパネルの種類は気にすべきですか?
横置きよりは気にする価値があります。液晶パネルの視野角は上下と左右で特性が違い、90度回すともともと上下方向だった特性が左右方向に来るためです。加えて画面が縦に長くなるので、上端と下端を見る角度の差も広がります。IPSは178°/178°のように上下左右がほぼ対称な機種が多く、この点で扱いやすいです。VAはコントラストで有利な一方、視野角の対称性ではIPSに譲ります。縦置き前提で選ぶなら、視野角の数値が上下左右で揃っているかを見てください。
27型を縦置きにするのは大きすぎますか?
机の奥行きと椅子の高さ次第です。27型を縦にすると画面の高さが約60cmになるので、上端が目線よりかなり高くなることがあります。これを避けるには、スタンドやアームの昇降量で画面全体を下げるか、デスクの奥行きを確保して画面との距離を取るかのどちらかです。昇降量が150mm前後あれば調整の余地があります。逆に奥行き60cm未満のデスクで27型を縦にすると、上端を見るたびに顎が上がる配置になりやすいです。心配なら23〜24型から試すほうが安全です。

この記事を書いた人

midori

PC周辺機器の仕様と売れ筋データを読み比べて、用途別の選び方に落とし込んでいます。実機を入手した製品は、記事にその旨を明記しています。

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  • 欠点を長所と同じ密度で書く

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