モニターで目が疲れるときの対策
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先に結論です。モニターで目が疲れる原因は、たいてい画面が部屋に対して明るすぎることと、画面が近すぎるか高すぎることの2つに集約されます。どちらも設定と配置の変更だけで直せます。お金は最後です。
ただし順序の前に一つ。痛み・かすみ・頭痛が続いているなら、まず眼科で診てもらってください。 ここに書くのは作業環境の調整であって、治療ではありません。
目の疲れは3種類ある — 先に切り分ける
対策を選ぶには、自分がどれに当てはまるかを先に見分ける必要があります。3つあります。
1. まぶしさ(グレア) — 画面が明るすぎる、あるいは画面に照明や窓が映り込んでいる状態です。夕方から夜にかけて特につらくなるなら、まずこれを疑ってください。部屋が暗くなるぶん、画面との明るさの差が広がるからです。
2. ピント調節の疲れ — 近い距離に何時間もピントを固定し続けると、目の中の筋肉が張ったままになります。画面から目を離したあと、遠くがしばらくぼやけるならこれです。
3. 乾き — 画面を凝視するとまばたきの回数が落ちます。ゴロゴロする、しょぼしょぼするなら乾きです。エアコンの風向きも効いてきます。
この3つは対策が違います。まぶしさには輝度と照明、ピントには距離と休憩、乾きには休憩と空調です。切り分けずに製品を買うと外します。
無料でできること① 画面の明るさを部屋に合わせる
いちばん効くのに、いちばん放置されている項目です。
多くのモニターは初期設定が店頭向けにかなり明るく振ってあります。売り場では周囲の照明が強いので明るくないと見劣りしますが、その設定のまま自宅の部屋で使うと明るすぎます。
白い紙を横に置いて比べる
数値で決めようとすると測定器が要るので、比較で決めます。白いコピー用紙を画面の横に立てて、白背景のウィンドウと紙の白さが同じくらいに見えるところが目安です。たいていは輝度を下げる方向に動きます。
部屋を暗いまま輝度だけ下げない
ここが落とし穴です。輝度を下げると画面は楽になりますが、部屋が暗いままだと今度は手元の書類やキーボードが見えません。
厚生労働省の情報機器作業ガイドラインも、グレア防止の観点から画面と周辺の明暗の差を小さくする方向を求めています。事務所衛生基準規則では一般的な事務作業に300ルクス以上が必要とされており、部屋を上げて画面を下げるのが正しい方向です。
天井照明を明るくすると画面への映り込みが増えるので、机の上だけを照らす光源を足すのが現実的です。この用途に特化しているのがモニターライトで、選び方はモニターライトのおすすめをまとめた記事に整理しました。
無料でできること② 色温度を下げる
色温度は画面の白の色みです。初期設定は6500K前後の青白い白が一般的で、これを5000K前後の暖色寄りに落とすとまぶしさの感じ方が変わります。
夜間だけ自動で下げる機能はWindowsにもmacOSにも標準で入っています。設定して困ることはほとんどないので、まず入れてしまってください。
ただし注意点があります。写真や動画、デザインの色を扱う作業では色温度を動かしてはいけません。見えている色と出力される色がずれます。色を扱う時間帯だけ標準に戻す運用にしてください。
なお、ブルーライトが眼精疲労の主犯だという説明は、近年かなり分が悪くなっています。色温度を下げるのは「まぶしさが減って楽になる」からであって、ブルーライトを遮断したから治るという話ではありません。 期待値はそこに置いてください。
無料でできること③ 距離と高さを直す
ピント調節の疲れに効くのはここです。
距離は40cm以上、27インチなら50cm以上
厚生労働省のガイドラインでは、ディスプレイからおおむね40cm以上の視距離を確保することが望ましいとされています。これは最低ラインで、27インチクラスなら50〜70cm程度離したほうが画面全体を見渡せます。
まずキーボードを手前に引いて、体を後ろに下げてください。机の手前が物で埋まっていると、体を引けずに顔が画面へ寄っていきます。距離が足りない原因が机の使い方にあることは珍しくありません。
高さは「やや見下ろす」
画面の上端が目の高さと同じか、少し下。これが基準です。見上げる配置は目を大きく開いた状態が続くので、乾きが加速します。
ノートPCを直置きしたまま外部モニターと並べている場合、ノート側が極端に低くなって首が下を向きます。2枚使う場合の高さの揃え方はデュアルモニターの配置の決め方にまとめました。
モニターのスタンドが高さ固定だと、この調整ができません。その場合はアームを足すか、高さ調節付きの機種に替えることになります。アーム側の選び方はモニターアームの選び方を参照してください。
椅子と机の高さから先に見直したいなら、デスク環境を一から組み立てる手順のほうが順序が整理されています。
ちらつき(フリッカー)を疑う
ここまでやっても改善しない場合、画面のちらつきが残っている可能性があります。
液晶のバックライトの明るさをLEDの点滅間隔で制御する方式(PWM調光)では、輝度を下げるほど点滅の割合が増えます。輝度を下げたらむしろ疲れが増したなら、これが疑わしいです。
見分け方は単純で、輝度を下げた画面をスマートフォンのカメラ越しに見て、横縞が流れるならPWM調光が働いています。
対策は機種側の機能に依存します。電流量で明るさを調整する方式は「フリッカーレス」「フリッカーフリー」と呼ばれ、対応機種なら設定に関係なくちらつきません。これは設定で後から足せないので、該当したら買い替えの検討対象になります。
休憩の入れ方 — 20-20-20ルール
ピントの疲れと乾きは、休憩の頻度でしか下がりません。
よく知られているのが20-20-20ルールです。20分ごとに、20フィート(約6m)以上先を、20秒見る。米国眼科学会も眼精疲労の対策として挙げている方法で、遠くを見ることでピント調節の筋肉を緩め、同時にまばたきの回数を戻すのが狙いです。
厚生労働省のガイドラインも同じ方向で、一連続作業時間が1時間を超えないようにし、次の作業までに10〜15分の休止を入れ、作業の途中にも1〜2回の小休止を入れることを求めています。
意識してまばたきを増やすのも有効です。乾きが強い日は、エアコンの風が顔に直接当たっていないかも確認してください。
それでも残るときに検討する3つ
無料の調整を2週間続けて変化がないなら、ここから先は機材の問題です。原因ごとに買うものが違います。
部屋が暗いのが原因なら:モニターライト
輝度を下げると手元が見えなくなる、という状態がこれです。天井照明を強くすると画面に映り込むので、画面には光を当てず机上だけを照らす光源が要ります。
BenQScreenBar Halo 2
色温度を落とせるモデルなら、夜間に画面と部屋の色みを揃えられます。
高さと距離が足りないのが原因なら:モニターアーム
スタンドが高さ固定の機種では、視線の高さが合わせられません。アームなら高さに加えて前後にも動かせるので、視距離の確保にも効きます。
Ergotronエルゴトロン LX デスクマウント モニターアーム 45-241-224
天板の厚みと強度に条件があるので、設置前に確認してください。
ちらつきや解像度が原因なら:モニターそのもの
フリッカーレス設計は後から足せません。文字がにじんで見えるのも、フルHDの27インチでは設定で直りません。この2つに当てはまるなら本体側の入れ替えになります。
IODATALCD-CQ270SA-F
高さ調節が本体スタンドで完結する機種を選べば、アームは不要になります。WQHDクラスの選び方は27インチWQHDモニターの比較にまとめました。
まとめ
順序は次のとおりです。
- 痛み・かすみ・頭痛が続くなら眼科へ — ここが最優先です
- 症状から原因を切り分ける — まぶしさ/ピント/乾きで対策が違います
- 輝度を部屋に合わせる — 画面を下げ、部屋を上げる。片方だけやらない
- 色温度を下げる — 色を扱う作業のときだけ標準に戻す
- 距離40cm以上、上端は目の高さかやや下
- 20-20-20と1時間ごとの休止を仕組みにする
- それでも残るなら機材 — 暗さはライト、高さはアーム、ちらつきは本体
やってはいけないのは、輝度を下げずにブルーライトカット製品だけを足すことと、痛みを我慢して作業量を維持することです。前者は原因に触れていませんし、後者は何を直しても効きません。順序を守るほうが、結果的に早く楽になります。



