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KVMスイッチのおすすめと選び方

公開日

この記事の結論

  1. 1

    RS-260UH-4K

    ★ 4.5

    会社PCと私物PCを1台の4Kモニター+1組のキーボード・マウスで回したい人。Webカメラや外付けSSDまで含めて丸ごと切り替えたい人

  2. 2

    RS-260UH2-4K

    ★ 4.3

    すでに2画面で仕事をしていて、その2画面構成ごと会社PCと私物PCで入れ替えたい人

  3. 3

    CS1922

    ★ 4.2

    DisplayPort出力の会社PCを使っていて、画面・USB機器・音声を別々のPCに割り当てたい人

  4. 4

    CS22H

    ★ 4.0

    デスクの配線をこれ以上増やしたくない人。切り替えたいのがキーボードとマウス(+音声)だけで済む人

  5. 5

    SW-KVM2WHUUS

    ★ 3.7

    独自ドライバやレイヤー機能を持つ多機能キーボード・ゲーミングデバイスを、両方のPCでそのまま使いたい人

各製品の詳しい評価を読むには、このまま下へスクロールしてください。

結論から書きます。外付けのKVMスイッチを買う前に、手持ちのモニターに内蔵KVMがないか確認してください。 USB-Cハブ付きモニターの多くはKVMを内蔵していて、それで足りるなら追加の機器は要りません。外付けが必要なのは「モニターがKVM非対応」「2台目のPCがUSB-Cで映像を出せない」「切替対象にUSB機器を増やしたい」のどれかに当てはまるときだけです。

まず「買わずに済むか」を切り分ける

KVMスイッチは2台のPCで1組のキーボード・マウス・モニターを共有する機器ですが、同じことができる手段がすでに手元にある可能性があります。 上から順に確認してください。

1. モニターの内蔵KVM

USB-Cハブモニターの上位機種はKVMを内蔵しています。映像入力とUSBアップストリームを紐づけておき、入力を切り替えると入力機器の接続先も一緒に移動する仕組みです。これで足りるなら、机の上にも下にも何も増えません。内蔵機の代表例はDell U2723QEのレビューに、搭載機の横並びはUSB-Cハブモニターの比較にまとめました。

弱点は切替操作の手数です。背面のジョイスティックでメニューを開く方式が多く、1日に何十回も往復すると煩わしい。「午前は会社PC、午後は私物PC」くらいの粒度なら気になりません。

2. キーボード・マウス側の複数台接続

切り替えたいのがキーボードとマウスだけで、画面側はモニターのボタン操作で許容できるなら、入力機器の機能で足ります。Bluetoothの複数台ペアリングを持つ機種は多く、ロジクールの上位機なら同一ネットワーク上の2台をカーソル移動で行き来する機能もあります(MX Master 3Sのレビュー)。ただし映像は切り替わりません。

3. ケーブル1本を差し替える

USB-Cケーブル1本で映像・給電・USBハブがまとまるドック運用なら、そのケーブルを挿し直すだけで「切替」になります。1日1〜2回しか往復しないなら、これが最も安く確実です。選び方はドッキングステーションの比較にまとめました。

切替の速さを決めるのは「エミュレーションの有無」

ここがKVM選びの核心で、スペック表の目立つ場所には書かれていない部分です。設計は2通りあります。

エミュレーション搭載機は、両方のPCに対して「キーボードとマウスが常時つながっている」ように見せかけます。切替は入力の送り先を変えるだけなので、OSから見て機器の抜き差しは起きません。切替後すぐに入力が通り、片方のPCがスリープしていても挙動が安定します。

エミュレーション非搭載機は、USBの接続そのものを物理的に付け替えます。OSから見ると切り替えるたびにキーボードとマウスが抜き差しされているので、デバイスの再認識が終わるまで入力が効きません。今回の5製品ではサンワサプライ SW-KVM2WHUUS が非搭載であることをメーカーが明記しています。

ただし非搭載に価値がないわけではありません。エミュレーションは汎用のキーボード・マウスとして信号を作り直すため、メーカー独自のドライバやレイヤー、マクロが通らないことがあります。信号を加工しない非搭載機なら、その心配がない。HHKB Professional HYBRID Type-Sのレビューで扱ったようなキーマップ系の機能を両方のPCで使いたい人向けの選択肢です。

選ぶときに見る4つ

1. 映像端子 — 2台のPCが何を出せるか

KVMはHDMI専用機とDisplayPort専用機に分かれていて、混在させられません。

端子 よくある組み合わせ 注意点
HDMI 自作デスクトップ、ゲーム機 会社支給ノートはHDMIを持たないことがある
DisplayPort ビジネスノート、会社支給の純正ドック 家庭用モニターはDP入力が1系統しかないことが多い

変換アダプタを挟めばつながりますが、KVMの切替は映像信号を一度切って繋ぎ直す動作です。変換を挟むほど「切り替えたら映らない」の切り分けが難しくなります。2台とも同じ端子で揃えられる側を選んでください。

2. 解像度とリフレッシュレート — 4K60Hzが下限

1920×1200止まりの安価なモデルは今も多く流通していますが、4Kモニターにつなぐと解像度が落ちます。 高リフレッシュのWQHDやフルHDでゲームもする人は、そちらの上限も確認してください。今回の1位・2位はメーカー公表値で2560×1440@120Hz、1920×1080@240Hzまで通ります。

3. USBポートの数と規格 — 何を切り替えたいのか

  • キーボード・マウス用の2ポートだけ — 配線が最小で済む。CS22H、SW-KVM2WHUUS
  • USB3.0ハブを追加で持つ — 外付けSSD・Webカメラ・ヘッドセットまで切替対象にできる。RS-260UH-4K、RS-260UH2-4K、CS1922

切り替えたいものを先に書き出してください。 キーボードとマウスだけならハブ付きは余計な出費ですし、あとからWebカメラを足したくなってポートが無いと買い直しになります。

4. 切替方法 — 本体をどこに置くか

  1. 本体のボタン — 本体を手の届く場所に置く必要がある
  2. 手元スイッチ・有線リモコン — 本体はモニター裏に隠し、手元には小さなスイッチだけ出せる
  3. ホットキー — キーボードから切り替える。手元に何も置かなくていい

デスクを広く使いたいなら手元スイッチかホットキーを持つ機種にしてください。本体ボタンしかない機種は、机の上の定位置を1つ占有します。ホットキーの落とし穴は起動キーが他のソフトのショートカットと衝突することで、今回の1位・2位は右Ctrl・Scroll Lock・Num Lockから選べる逃げ道があります。

KVMスイッチおすすめ5選

各製品の評価は「切替の速さ/4K・高リフレッシュ対応/USB周辺機器の扱い/設置のしやすさ/価格の納得感」の5項目・5点満点で統一しています。総合評価は単純平均ではなく、人に勧めるときの優先度を反映した編集判断の点数です。仕様値はすべてメーカー公表値で、自前の計測ではありません。

第1位ラトックシステムRS-260UH-4K総合評価4.5/5

評価

切替の速さ
4.5/5
4K・高リフレッシュ対応
4.5/5
USB周辺機器の扱い
4.5/5
設置のしやすさ
4/5
価格の納得感
4/5

ここが良い

  • メーカー公表値で4096×2160@60Hzに加え2560×1440@120Hz・1920×1080@240Hzまで通るため、仕事用の4Kモニターでも高リフレッシュのWQHDでも1台で足りる
  • 本体ボタン・手元スイッチ・ホットキーの3通りで切り替えられ、KVM本体はモニター裏に隠して手元には小さなスイッチだけ出すという置き方ができる
  • キーボード・マウス用の2ポートとは別にUSB3.0を2ポート持ち、Webカメラ・ヘッドセット・外付けSSDもまとめて切替対象にできる
  • 国内メーカーで日本語のマニュアルとサポート窓口があり、会社PC側で不具合が出たときに問い合わせ先がはっきりしている
  • メーカーがクラムシェルモードとウルトラワイド(3440×1440@100Hz)での動作確認を公表している

ここは惜しい

  • HDMI専用。DisplayPortしか出ない会社PCやDP接続のモニターだと変換アダプタが前提になり、切替後の再認識トラブルの種が増える
  • USB4ポート合計900mA(メーカー公表値)が上限で、バスパワーの外付けHDDなど電力を食う機器を足すならACアダプター併用が必要
  • 1画面用なので、あとからデュアルモニターにしたくなると上位機への買い替えになる
  • 本体・手元スイッチ・PC2台分のHDMIとUSBで、結局デスク下のケーブル本数は増える

会社PCと私物PCを1台の4Kモニターで回すという、この記事が想定する使い方に対して、必要な条件をひととおり満たしているのがこの機種です。

解像度はメーカー公表値で4096×2160@60Hz。加えて2560×1440@120Hz、1920×1080@240Hzまで通ると公表されているので、仕事用の4Kモニターにも、ゲーム兼用の高リフレッシュWQHDにも1台で対応できます。

USBはキーボード・マウス用の2ポートとは別にUSB3.0を2ポート持ちます。ここが評価の分かれ目で、Webカメラや外付けSSDまで含めて「作業環境ごと」切り替えられます。

切替方法が3通りあるのも実用的です。本体はモニター裏に隠し、手元には小さなスイッチだけを出すという置き方ができるので、机の上に機器が増えません。

欠点は3つ。まずHDMI専用で、DisplayPortしか出ない会社PCだと変換が前提になり、切替後の再認識トラブルの種が増えます。次にUSBの給電が4ポート合計900mA(メーカー公表値)までで、バスパワーの外付けHDDを足すならACアダプター併用になります。そして1画面用です。将来2画面にする予定があるなら、次の機種を先に検討してください。

第2位ラトックシステムRS-260UH2-4K総合評価4.3/5

評価

切替の速さ
4.5/5
4K・高リフレッシュ対応
4.5/5
USB周辺機器の扱い
4.5/5
設置のしやすさ
3/5
価格の納得感
3.5/5

ここが良い

  • 2台のPCそれぞれの2画面を丸ごと入れ替えられるので、会社PCの横+縦の2枚構成をそのまま私物PCでも使える
  • 各画面がメーカー公表値で4096×2160@60Hzまで対応し、片方の画面だけ解像度を落とすという妥協が要らない
  • HDMIケーブル4本・USBケーブル2本・ACアダプターが同梱で、届いたその日に配線が完結する
  • 切替方法が本体ボタン/手元スイッチ/ホットキーの3通りで、単画面のRS-260UH-4Kと操作系が共通
  • キーボード・マウスとは別にUSB3.0を2ポート持つので、周辺機器も画面と一緒に移動する

ここは惜しい

  • HDMIケーブルが最低6本(PC側4本+モニター側2本)机の下を通ることになり、配線量は確実に増える
  • 単画面モデルより本体も価格も一回り大きく、1画面しか使わない人には明確に過剰
  • 会社PC側の映像出力が1系統しかない(ドック非支給など)と2画面分を埋められず、この機種の利点が消える
  • ACアダプター前提の構成になるため、電源タップの空きを1口取られる

1位と同じ設計思想のデュアルディスプレイ版です。すでに2画面で仕事をしている人には、1位よりこちらが上になります。

2台のPCそれぞれの2画面を丸ごと入れ替えられるので、会社PCで組んだ「横1枚+縦1枚」の配置をそのまま私物PCでも使えます。各画面がメーカー公表値で4096×2160@60Hzまで対応するため、片方の画面だけ解像度を落とすという妥協が要りません。

ケーブル類と手元スイッチ、ACアダプターが同梱なので、届いたその日に配線が完結します。操作系は1位と共通です。

2位にしたのは配線量です。PC側4本+モニター側2本で、HDMIケーブルだけで最低6本が机の下を通ります。工夫ではどうにもならない構造上の増加なので、デスクの配線整理を先に済ませてから導入してください。

もう1つ、会社PC側の映像出力が1系統しかないと、この機種の利点が消えます。 ドックが支給されていないノートPCだと2画面分を埋められません。買う前に出力系統を数えてください。ACアダプター前提なので電源タップの空きも1口取られますし、1画面しか使わない人には本体サイズも価格も明確に過剰です。

第3位ATENCS1922総合評価4.2/5

評価

切替の速さ
4.5/5
4K・高リフレッシュ対応
4/5
USB周辺機器の扱い
5/5
設置のしやすさ
2.5/5
価格の納得感
3/5

ここが良い

  • DisplayPort 1.2でメーカー公表値4096×2160@60Hzまで通り、DP出力しか持たないビジネスノートや会社支給ドックとそのまま噛み合う
  • KVM・USB周辺機器・音声を別々のPCに割り当てられる独立切替があり、「画面は会社PC、外付けSSDは私物PC」という使い分けができる
  • USB 3.1 Gen1(5Gbps)ハブを内蔵しているので、切替対象に高速な外付けストレージを含められる
  • DPケーブル・USBケーブル・音声ケーブル・ACアダプターが同梱で、ケーブルを買い足さずに組める
  • メーカー3年保証で、業務用KVMの流れをくむ据置型らしく電源断検知(Power On Detection)などの動作が公表されている

ここは惜しい

  • 210×88×56mm・約0.73kg(メーカー公表値)と今回の5製品で最も大きく重く、机上に置くと明確に場所を取る
  • DisplayPort専用のため、HDMIしか出ないPCやHDMIしか空いていないモニターだと変換前提になり構成が複雑になる
  • 価格帯が5製品で最も高く、独立切替を使わないなら投資が回収しにくい
  • 前面ボタン操作が基本で、モニター裏に隠したまま手元だけで切り替える運用にはホットキーが必須になる

DisplayPortの会社PCを使っているなら、実質的にここが第一候補になります。

DisplayPort 1.2でメーカー公表値4096×2160@60Hzまで通り、DP出力しか持たないビジネスノートや会社支給の純正ドックとそのまま噛み合います。変換を1段も挟まずに組めるのは、切替トラブルの切り分けの点で価値があります。

USB周辺機器の扱いは5製品で最も強い。USB 3.1 Gen1(5Gbps)のハブを内蔵しているので外付けSSDを切替対象にできますし、KVM・USB周辺機器・音声のフォーカスを別々のPCに割り当てられる独立切替を持ちます。「画面とキーボードは会社PC、外付けSSDは私物PC」という使い方ができるのはこの機種だけです。

3位にしたのは設置性です。210×88×56mm・約0.73kg(メーカー公表値)と5製品で最も大きく重く、机の上に置けばはっきり場所を取ります。

DisplayPort専用である点も両刃で、HDMIしか出ないPCやHDMIしか空いていないモニターだと変換前提になり利点が消えます。前面ボタン操作が基本なので、モニター裏に隠して手元だけで切り替えたいならホットキー運用が必須。価格帯も5製品で最も高く、独立切替を使わないなら投資が回収しにくい製品です。

第4位ATENCS22H総合評価4/5

評価

切替の速さ
4/5
4K・高リフレッシュ対応
4/5
USB周辺機器の扱い
2.5/5
設置のしやすさ
4.5/5
価格の納得感
4.5/5

ここが良い

  • ケーブル一体型なのでPC側の配線が2本にまとまり、KVMを足しても机の下のケーブルがほとんど増えない
  • ケーブル一体型としては珍しく、メーカー公表値で4096×2160@60Hzに対応する
  • 有線リモコンが付属し、本体をモニター裏に置いたまま手元だけで切り替えられる
  • microUSB給電1.38W(メーカー公表値)で動くため、ACアダプターと電源タップの空きが要らない
  • 3.5mmのスピーカー/マイク端子を持ち、ヘッドセットも一緒に切り替えられる

ここは惜しい

  • USBがキーボード・マウス相当の2ポート止まりで、外付けSSDやWebカメラまで切り替えたい用途には足りない
  • USB 2.0のため、ハブ側に高速ストレージをつないでも速度が出ない
  • PC側ケーブルが1.2m固定で、PCがデスク下の離れた位置にあると物理的に届かない
  • ケーブル一体型なので、ケーブルが断線したら本体ごと交換になる

配線をこれ以上増やしたくない人への回答がこれです。

ケーブル一体型で、PC側の配線が2本にまとまります。KVMを1台足すと普通はHDMI2本+USB2本+電源が増えますが、この機種なら机の下のケーブルがほとんど増えません。 しかもケーブル一体型としては珍しく、メーカー公表値で4096×2160@60Hzに対応します。

有線リモコン(リモートポートセレクター)が付属するので、本体はモニター裏に置いたまま手元だけで切り替えられます。電源はmicroUSB給電1.38W(メーカー公表値)で、ACアダプターも電源タップの空きも要りません。

4位にしたのはUSBが2ポート止まりだからです。キーボードとマウスで埋まるので外付けSSDやWebカメラは切替対象にできませんし、USB 2.0なので高速ストレージの速度も出ません。

PC側ケーブルが1.2m固定という制約も見落とせません。PCがデスク下の離れた位置にあると物理的に届かず、延長すれば一体型の利点が薄れます。設置前に距離を測ってください。

第5位サンワサプライSW-KVM2WHUUS総合評価3.7/5

評価

切替の速さ
3/5
4K・高リフレッシュ対応
4.5/5
USB周辺機器の扱い
2/5
設置のしやすさ
4/5
価格の納得感
2.5/5

ここが良い

  • キーボード・マウス信号のエミュレーションを持たない設計とメーカーが明記しており、独自ドライバやレイヤー機能を持つキーボードの信号が加工されずPCへ届く構成になる
  • ケーブル一体型で4096×2160@60Hz(メーカー公表値)に対応し、4Kモニターの解像度を落とさずに済む
  • 手元スイッチで切り替えられ、本体はモニター裏に隠せる
  • microUSB給電1.4W(メーカー公表値)で動き、ACアダプターが要らない
  • 国内メーカー品で日本語の取扱説明書とサポート窓口があり、法人利用の実績も多い

ここは惜しい

  • エミュレーション非搭載のため、切り替えるたびにキーボードとマウスがPCから抜き差しされたのと同じ扱いになり、認識が戻るまでの待ちが発生しやすい(構造上の帰結。待ち時間の実測値は未検証)
  • USBはキーボード用とマウス用の各1ポートだけでハブ機能がなく、Webカメラや外付けSSDは切替対象にできない
  • 4K対応のケーブル一体型としては価格が高く、同じ4K60Hzならハブ付きの据置型が視野に入る
  • エミュレーションが無い分、片方のPCがスリープしているときの挙動はPC・キーボードの組み合わせに依存する

順位は5位ですが、この製品だけ性格が違います。 総合力ではなく、条件が合う人が指名買いする機種です。

キーボード・マウス信号のエミュレーション機能を持たない設計であることを、メーカーが仕様として明記しています。エミュレーションは汎用デバイスとして信号を作り直すので、独自ドライバやレイヤー、マクロを持つキーボードの機能が通らないことがあります。非搭載機なら信号が加工されずPCへ届く構成になるため、多機能キーボードやゲーミングデバイスを両方のPCでそのまま使いたい人には、これが選ぶ理由になります。

ケーブル一体型で4096×2160@60Hz(メーカー公表値)に対応し、手元スイッチで切り替えられ、microUSB給電1.4Wで動くのでACアダプターも要りません。

5位にしたのは、その設計が一般用途では素直に不利だからです。エミュレーションが無い以上、切り替えるたびにキーボードとマウスはPCから抜き差しされたのと同じ扱いになり、認識が戻るまでの待ちが発生しやすい。片方のPCがスリープしているときの挙動も、PCとキーボードの組み合わせ次第になります。

さらにUSBはキーボード用とマウス用の各1ポートだけでハブ機能がなく、Webカメラも外付けSSDも切替対象にできません。それでいて4K対応ケーブル一体型としては価格が高く、同じ4K60Hzならハブ付きの据置型が視野に入ります。エミュレーション非搭載であることに価値を見いだせないなら、選ぶ理由はありません。

5製品を横並びで比較する

製品比較表
項目イチオシラトックシステムRS-260UH-4KラトックシステムRS-260UH2-4KATENCS1922ATENCS22HサンワサプライSW-KVM2WHUUS
総合評価4.5/54.3/54.2/54/53.7/5
対応PC台数2台2台2台2台2台
画面数1画面2画面(デュアルディスプレイ)1画面(DisplayPort MST利用時は複数画面も可)1画面1画面
映像端子HDMI(PC側×2/ディスプレイ側×1)HDMI(PC側×4/ディスプレイ側×2)DisplayPort 1.2(PC側×2/ディスプレイ側×1)、DP++対応HDMI(PC側は本体直付ケーブル×2/ディスプレイ側×1)HDMI Type-A(PC側×2/ディスプレイ側×1)
最大解像度4096×2160@60Hz(3840×2160@60Hz、2560×1440@120Hz、1920×1080@240Hz対応)4096×2160@60Hz(3840×2160@60Hz、2560×1440@120Hz、1920×1080@240Hz対応)4096×2160@60Hz(DCI 4K)/3840×2160@60Hz4096×2160@60Hz(4K DCI)4096×2160(60/50/30/25/24Hz)、3840×2160(60/50/30/25/24Hz)、1920×1200対応
HDCPHDCP2.2対応HDCP2.2対応———
USBポートキーボード・マウス用USB Type-A×2+USB3.0 Type-A×2(4ポート合計最大900mA)キーボード・マウス用USB Type-A×2+USB3.0 Type-A×2(4ポート合計最大900mA)USB 3.1 Gen1ハブ Type-A×2(PC側はUSB 3.0 Type-B×2)USB 2.0 Type-A×2(キーボード・マウス)キーボード用×1、マウス用×1(USBハブ機能なし)
切替方法本体ボタン/手元スイッチ/ホットキー(起動キーは右Ctrl・Scroll Lock・Num Lockから選択)本体ボタン/手元スイッチ/ホットキー(起動キーは右Ctrl・Scroll Lock・Num Lockから選択)前面プッシュボタン/ホットキー/マウス操作有線リモコン(リモートポートセレクター)手元スイッチ
対応OSWindows 11・10/macOS Sonoma(14)/ChromebookWindows 11・10/macOS Sonoma(14)/ChromebookWindows/macOS/LinuxWindows/macOS/LinuxWindows 11・10/macOS/Linux(CentOS・Ubuntu・openSUSE)
本体サイズ約130×75×25mm約130×75×30mm(突起部・ゴム足含まず)210×88×56mm83.4×84.2×30.4mmW82.98×D92.67×H27.92mm
重量約245g約290g約0.73kg約0.34kg約351g(ケーブル含む)
筐体金属————
電源PCのUSBバスパワー(付属ACアダプター併用可、DC+5V/最大450mA)DC+5V(ACアダプター5V/2A、消費電流最大500mA)—microUSB給電(DC5V/1.38W)microUSB(5V/500mA、消費電力1.4W)
付属品—HDMIケーブル×4(約150cm)、USB B-Aケーブル×2(約150cm)、ACアダプター、手元スイッチDisplayPortケーブル1.5m×2、USB3.0ケーブル1.8m×2、音声ケーブル1.8m×4、ACアダプター——
音声——3.5mmアナログ音声入出力(音声ケーブル1.8m×4本同梱)3.5mmオーディオ(スピーカー/マイク)—
独立切替——KVM・USB周辺機器・音声のフォーカスを別々のPCへ割り当て可能——
保証——3年(ATENダイレクト)3年(ATENダイレクト)—
形状———ケーブル一体型ケーブル一体型
ケーブル長———PC接続用1.2m×2、リモコン側1.8mPC接続用1.2m、手元スイッチ1.8m
エミュレーション————キーボード・マウス信号のエミュレーション機能は非搭載
こんな人に会社PCと私物PCを1台の4Kモニター+1組のキーボード・マウスで回したい人。Webカメラや外付けSSDまで含めて丸ごと切り替えたい人すでに2画面で仕事をしていて、その2画面構成ごと会社PCと私物PCで入れ替えたい人DisplayPort出力の会社PCを使っていて、画面・USB機器・音声を別々のPCに割り当てたい人デスクの配線をこれ以上増やしたくない人。切り替えたいのがキーボードとマウス(+音声)だけで済む人独自ドライバやレイヤー機能を持つ多機能キーボード・ゲーミングデバイスを、両方のPCでそのまま使いたい人
購入先

映像端子とUSBポートの列を先に見て、自分の2台のPCと噛み合うものだけに絞ってから、切替方法と設置性で決めるのが早い読み方です。

買ってから詰まりやすい2か所

モニター側の自動入力切替と喧嘩する

KVMで映像を切り替えると、モニターから見れば入力信号が一度消えて戻ってきます。ここで自動入力切替がオンだと、信号が消えた瞬間に別の入力を探しに行き、戻ってきた入力に復帰しないことがあります。「切り替えたのに黒画面のまま」の原因はこれであることが多い。導入したらモニター側の自動入力検出をオフにして、入力を固定してください。

想定より電源とケーブルが増える

バスパワー動作をうたう機種でも、周辺機器を足すとACアダプターが必要になることがあります。CS1922とRS-260UH2-4Kは最初からACアダプター前提なので、電源タップの空きを1口確保しておいてください。

単画面のKVMでも、PC側HDMI2本+PC側USB2本+モニター側HDMI1本+手元スイッチ1本で、机の下を通る線は6本増えます。

まとめ

  1. 買う前に内蔵KVMを確認する — それで足りるなら何も買わなくていい
  2. 映像端子を先に決める — 変換を挟むほど切替トラブルの切り分けが難しくなる
  3. 4K60Hzを下限にする — 1920×1200止まりのモデルは4Kモニターで解像度が落ちる
  4. 切り替えたいものを書き出す — キーボードとマウスだけならハブ付きは過剰
  5. エミュレーションの有無で性格が変わる — 一般用途は搭載機、多機能キーボード優先なら非搭載機

迷ったらラトックシステム RS-260UH-4K です。4K60Hz・USB3.0ハブ・3通りの切替と、この用途の必要条件を一通り満たしています。2画面ならRS-260UH2-4K、DisplayPortの会社PCならCS1922、配線を増やしたくないならCS22Hに置き換えてください。

よくある質問

モニターの内蔵KVMがあれば、KVMスイッチは要りませんか?
多くの場合は要りません。USB-Cハブモニターの内蔵KVMは、映像入力の切替とUSBアップストリームの切替を連動させる仕組みなので、2台のPCを1組のキーボード・マウスで回すという目的はそれだけで達成できます。外付けが必要になるのは、モニターがKVM非対応、2台目のPCがUSB-Cで映像を出せない、切替のたびにモニターのメニュー操作をするのが煩わしい、切替対象に外付けSSDやWebカメラを含めたい、のいずれかに当てはまるときです。まず手持ちのモニターの取扱説明書でKVMの項目を探してください。
切り替えると外付けSSDやWebカメラが認識されなくなるのはなぜですか?
KVMの切替は、OSから見ると「USB機器を抜いて、もう一方のPCに挿し直した」のと同じ動作だからです。ストレージなら書き込み中に切り替えるとデータが壊れる可能性があり、Web会議アプリはカメラが消えた時点でデバイス選択をリセットします。キーボードとマウスについては、KVM側がエミュレーション機能を持っていれば「常時つながっている」ように見せかけるので再認識は起きませんが、ストレージやカメラはエミュレーションの対象外です。会議中や転送中に切り替えないという運用でしか回避できません。
エミュレーション搭載と非搭載は、どちらを選ぶべきですか?
一般的な用途ならエミュレーション搭載です。切替後すぐにキーボードが効き、片方のPCがスリープしていても挙動が安定します。非搭載を選ぶ理由があるのは、独自ドライバやレイヤー機能、マクロを持つキーボードを使っていて、その信号を加工されたくないときです。エミュレーションは汎用のキーボード・マウスとして振る舞うため、メーカー独自の機能が通らないことがあります。多機能キーボードを両方のPCでフル機能のまま使いたい人だけが非搭載を検討してください。
HDMIとDisplayPort、どちらのKVMを選べばいいですか?
2台のPCとモニターの端子を先に確認してください。会社支給のビジネスノートや純正ドックはDisplayPort出力が中心、自作デスクトップやゲーム機まで含めるならHDMIが中心という傾向があります。変換アダプタを挟めばつながることは多いのですが、KVMの切替は映像信号を一度切って繋ぎ直す動作なので、変換を挟むほど「切り替えたのに映らない」「解像度が戻らない」といった不具合の切り分けが難しくなります。2台とも同じ端子で揃えられる側のKVMを選ぶのが安全です。
4K60Hz対応と書いてあれば、どのモニターでも4K60Hzで映りますか?
前提が2つあります。1つはケーブルで、4K60Hzを通すにはHDMIならプレミアムハイスピード以上の規格品が要ります。KVM本体が対応していても、余っていた古いケーブルを使うと30Hzに落ちたり映らなかったりします。もう1つはPC側の出力で、内蔵GPUの世代や接続するポートによっては4K60Hzが出ないことがあります。KVMを疑う前に、同じケーブルでPCとモニターを直結して4K60Hzが出るかを確認してください。切り分けの順番を間違えると原因にたどり着けません。

この記事を書いた人

midori

PC周辺機器の仕様と売れ筋データを読み比べて、用途別の選び方に落とし込んでいます。実機を入手した製品は、記事にその旨を明記しています。

  • メーカー公表値と売れ筋データを突き合わせて比較
  • 欠点を長所と同じ密度で書く

運営者情報とレビュー方針を見る

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    USB-Cハブモニターのおすすめを、給電能力・LAN・KVM・画質の4軸で5製品ランキングにしました。ノートPCに必要な給電W数の調べ方と、ケーブル1本で完結させる条件まで解説します。

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  • ランキングデスク環境

    ドッキングステーションのおすすめと選び方

    1位★ 4.7

    TS4-JP

    ドッキングステーションのおすすめを、拡張性・給電W数・映像出力・携帯性・コスパの5軸で5製品比較しました。モニターを買い替えるならハブモニター、今の環境に足すならドックという切り分けから解説します。

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  • レビューモニター

    Dell U2723QE レビュー

    イチオシ★ 4.5

    U2723QE

    Dell U2723QE を、USB-Cケーブル1本で映像・90W給電・有線LAN・USBハブがまとまるという一点から整理しました。IPS Blackの黒表現とKVMの使いどころ、スピーカー非搭載や60Hz止まりという欠点も正直に書きます。

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  • ガイドデスク環境

    デスクの配線整理のやり方

    デスクの配線整理を、手順と道具の両面から解説します。床に降ろすケーブルを1本にまとめる考え方と、結束バンドを使ってはいけない理由、昇降デスク特有の注意点まで書きます。

    3製品を比較

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