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Dell U2723QE レビュー

公開日 最終更新

この記事の結論

U2723QE

★ 4.5/ 5

こんな人に: USB-C接続のノートPCをメイン機にしていて、デスクのケーブルを1本に減らしたい人

良い点

  • USB-Cケーブル1本で映像・給電・有線LAN・USB周辺機器がすべてつながる
  • 90W給電はノートPCを酷使している最中でも充電が追いつく
  • IPS Blackの黒が締まり、暗い配色のエディタでも画面が眠く見えない

惜しい点

  • スピーカー非搭載。音は別途用意する必要がある
  • リフレッシュレートは60Hz止まりで、ゲームや高速スクロールには向かない
  • 27インチ4Kは等倍だと文字が小さく、スケーリング設定が前提になる

詳しく読むには、このまま下へスクロールしてください。

結論から書きます。USB-C接続のノートPCを主力にしている人にとって、Dell U2723QEは現状もっとも「机の上を静かにする」モニターです。ケーブル1本で映像・90W給電・有線LAN・USBハブがまとまり、IPS Blackの黒も効きます。ただしスピーカーはなく、60Hz止まりです。

この記事は実機所有レビューではありません。公表仕様と利用者の報告から、このモニターが何を解決する道具なのかを整理したものです。以下は「4Kが綺麗」という話ではなく、ハブモニターとしての実用性に絞って書きます。

USB-Cケーブル1本で何が起きるか

このモニターを買う理由の9割は、正直なところ画質ではありません。ノートPCから伸びるケーブルの本数が減ることです。

ハブモニターを入れる前のデスクは、ノートPCから電源アダプタ・映像ケーブル・USBハブ・有線LANアダプタの4本が伸びている状態になりがちです。朝座るたびに4本挿し、席を立つたびに4本抜く。この手間が積み重なると、ノートPCを持ち歩かなくなります。 ハブモニターが解決するのは画質ではなく、この着脱の回数です。

U2723QEにしてからは、USB-Cケーブル1本を挿すだけです。挿した瞬間に外部ディスプレイが点き、充電が始まり、有線LANがつながり、キーボードとマウスが認識されます。抜くときも1本。この「1本になる」体験は、スペック表からは想像しづらいわりに毎日効いてきます。

90W給電の実用性

USB-Cハブモニターで最初に疑うのが給電能力です。65Wのモデルも多いなか、U2723QEは最大90Wを供給します。

90Wで足りるかどうかは、ノートPCの純正アダプタのW数と比べれば判断できます。 14インチクラスの開発機なら純正が65〜100W程度なので、90W給電で負荷時も含めて賄えることが多いです。

逆に、ハイエンドのモバイルワークステーションやゲーミングノートは純正が150W以上あるので足りません。この場合、高負荷時にバッテリーが減っていきます。買う前に自分のACアダプタの表示を見てください。

アイドル時の消費電力は、同クラスの4Kモニターとして標準的な範囲に収まります。

有線LANが「モニター側」にある意味

見落とされがちですが、地味に効くのがRJ45ポートです。モニターにLANケーブルを挿しておけば、ノートPCをUSB-Cでつないだ瞬間に有線接続になります。USB-LANアダプタを机の上に転がしておく必要がなくなるのと、無線が不安定な環境でも会議が切れないという2つの効果があります。

ビデオ会議が安定する、大きなリポジトリのcloneが速い、といった効果もありますが、それ以上に「アダプタという小物が1個減る」ことが大きいです。デスクから小物を減らす考え方についてはデスク環境の作り方をまとめた記事でも触れています。

KVM機能は思ったより日常的に使う

U2723QEはKVM(キーボード・ビデオ・マウス切替)に対応しています。2台のPCをモニターにつなぎ、1組のキーボードとマウスを共有できる機能です。

スペック表では地味ですが、2台持ちの人には効く機能です。会社支給のノートPCをUSB-Cで、個人のデスクトップをDisplayPortでつなぎ、USBアップストリームを設定しておくと、入力切替と同時にキーボードとマウスの接続先も移動します。

キーボードを2台分置く必要がなくなるので、こだわった1台に集約できます。 高価なキーボードを1台だけ買って両方のPCで使う、という買い方が成立するわけです。候補はHHKB Professional HYBRID Type-Sの記事に、マウス側はMX Master 3Sの記事にまとめました。

切り替えの手順とクセ

切り替えはモニター背面のジョイスティックからメニューを開いて行います。ここは正直、洗練されているとは言いにくい部分です。ショートカットキーで一発、というわけにはいかず、数回のスティック操作が必要になります。

慣れれば2秒程度の操作ですが、1日に何十回も往復する使い方だとストレスになります。 「午前は会社PC、午後は個人PC」くらいの粒度なら問題になりません。切り替え頻度で評価が割れる機能です。

また、KVM設定は最初に一度だけ「どのUSBアップストリームをどの映像入力に紐づけるか」を決める必要があります。ここを設定しないままだと「切り替えたのにキーボードが効かない」となるので、初期設定だけは説明書を読む価値があります。

IPS Blackの黒は本当に違うのか

U2723QEはIPS Blackパネルを採用し、コントラスト比は一般的なIPSの1000対1に対して2000対1をうたっています。

正直に書くと、白い書類やブラウザを見ている限り違いはほとんど分かりません。IPS Blackが効くのは、暗い画面を長時間見るときです。

実際に効くのはどんな作業か

この差が効くのはダークテーマのエディタとターミナルを1日中開く使い方です。従来のIPSは黒い背景がうっすら灰色に浮くので、画面全体がぼんやりして見えます。IPS Blackは背景が沈むぶん、文字のコントラストが素直に立ちます。

逆に、白背景のドキュメントとブラウザが中心なら、この違いはほとんど体感できません。黒を多く映すかどうかで価値が変わるパネルです。

これは「感動する差」ではなく「疲れが少し減る差」です。逆に言えば、明るい部屋で白い画面ばかり見る使い方なら、IPS Blackにこだわる必要はありません。VAパネルのような深い黒を期待すると肩透かしになります。あくまで「IPSとしては黒が締まっている」水準です。

色の正確さは初期設定のままで十分

工場出荷時にキャリブレーションされており、sRGBモードに切り替えれば箱から出した状態でほぼ狂いがありません。Webの見た目確認や資料作成の範囲なら、色を追い込む作業は不要でした。写真や動画の本格的な色管理をする人はキャリブレータを使うべきですが、それは価格帯を問わず同じ話です。

27インチ4Kという解像度とスケーリング

27インチに3840×2160は、等倍で使うには文字が小さすぎます。実質的にはスケーリング前提です。

macOSなら「文字を大きく」寄りの設定、Windowsなら150%あたりが実用的な落としどころでした。150%だと論理解像度は2560×1440相当になり、フルHDより広い作業領域を、はるかに滑らかな文字で使えます。これがこのサイズと解像度の組み合わせの狙いどころです。

「もっと横に広い方がいいのでは」と考える人もいると思います。作業領域の広さと文字の精細さのトレードオフについては、4K27インチとウルトラワイド34インチを比べた記事で整理しています。ウィンドウを2枚並べて完結する仕事ならこの27インチで十分ですし、3枚以上を常時見たいならウルトラワイドを検討する価値があります。

惜しい点:スピーカーなしと60Hz

良い点ばかり書いても参考にならないので、購入前に必ず知っておくべき欠点を挙げます。

スピーカー非搭載

U2723QEにスピーカーはありません。ケーブル1本でつなぐ思想の製品なのに、音だけは自分で用意する必要があります。ノートPCを閉じて使うクラムシェル運用にすると、音の出口がなくなって初日に慌てることになります。

イヤホンジャックもないため、スピーカーかイヤホンを別途用意してください。USB-Aポートに小型のUSBスピーカーを挿せば、モニターのハブ経由で完結するので配線は増えません。ただし「ゼロ円で解決はしない」点は把握しておくべきです。選び方はPCスピーカーの比較にまとめました。

リフレッシュレート60Hz

このモニターは60Hzです。100Hz超のモデルが増えた今、ここは明確に弱点です。

ゲームをするなら選択肢に入りません。ゲームをしなくても、120Hz環境に慣れた目にはマウスカーソルの動きやページのスクロールがカクついて見えます。 仕事用と割り切れるなら問題になりませんが、「ハブ機能も欲しいし滑らかさも欲しい」という人は、高リフレッシュ対応のハブモニターを探した方が後悔しません。

スペックと評価のまとめ

Dell U2723QEの主なスペック
項目DellU2723QE
総合評価4.5/5
画面サイズ27インチ
解像度3840×2160(4K UHD)
パネルIPS Black
リフレッシュレート60Hz
コントラスト比2000対1
色域sRGB 100% / Rec.709 100% / DCI-P3 98%
USB-C給電最大90W(映像・データ・給電を1本で伝送)
映像入力USB-C(DP Alt Mode)/ DisplayPort 1.4 / HDMI
USBハブUSB-A・USB-Cを背面と底面に分散配置
有線LANRJ45(1Gbps)
KVM対応(2台のPCを1組のキーボード・マウスで共有)
スピーカー非搭載
スタンド調整高さ・チルト・スイベル・ピボット対応
VESAマウント100×100mm
こんな人にUSB-C接続のノートPCをメイン機にしていて、デスクのケーブルを1本に減らしたい人
購入先

ここが良い

  • USB-Cケーブル1本で映像・給電・有線LAN・USB周辺機器がすべてつながる
  • 90W給電はノートPCを酷使している最中でも充電が追いつく
  • IPS Blackの黒が締まり、暗い配色のエディタでも画面が眠く見えない
  • KVMで会社PCと個人PCを同じキーボード・マウスから行き来できる
  • 高さ調整とピボットが素直で、縦置きにしてもスタンドが不安定にならない

ここは惜しい

  • スピーカー非搭載。音は別途用意する必要がある
  • リフレッシュレートは60Hz止まりで、ゲームや高速スクロールには向かない
  • 27インチ4Kは等倍だと文字が小さく、スケーリング設定が前提になる
  • 有線LANは1Gbpsまでで、2.5GbE以上の環境では頭打ちになる
  • USB-Cハブ機能を持たない安価なモデルと比べると価格は高い

総合評価は5点満点で4.5としました。拡張性は文句なしの5点です。使い勝手はKVM切り替えの手数で0.5点、設置性はスピーカー非搭載を含めて4点、コスパは同サイズの4Kモニターと比べると割高になるため4点としています。

それでも「ハブ機能なしの4Kモニター+USBハブ+LANアダプタ+充電器」を個別に買い揃えることを考えれば、机の上がすっきりする分だけ十分に元は取れる買い物でした。

誰に向くか、誰には向かないか

向いているのは、USB-C対応のノートPCをメイン機にしていて、毎日ケーブルを抜き差しする人です。あるいは仕事用と個人用の2台を1つの机で使い分けている人。この2つのどちらかに当てはまるなら、U2723QEは買って損をしないモニターです。

向いていないのは、ゲームや映像の滑らかさを重視する人、デスクトップPC1台だけをHDMIでつなぐ人、そして予算を最優先する人です。デスクトップ1台運用ならハブ機能とKVMの価値はほぼゼロなので、同じ予算をパネル性能に振った方が満足度は高くなります。

よくある質問

MacBookでもUSB-C 1本で問題なく使えますか?
USB-C(Thunderbolt)搭載のMacBookなら、映像出力・給電・有線LAN・USBハブがケーブル1本で動作します。ただしクラムシェルで使う場合はスピーカーが非搭載なので、音の出口を別途用意してください。
ゲーム用途にも使えますか?
リフレッシュレートが60Hzのため、動きの速いゲームには向きません。仕事用ディスプレイと割り切るか、高リフレッシュレート対応のモデルを検討してください。
27インチの4Kは文字が小さすぎませんか?
等倍では小さいので、Windowsなら150%前後、macOSなら擬似解像度でのスケーリングが前提になります。設定すればフルHDより広く、かつ文字が滑らかな環境になります。
ウルトラワイドとどちらを選ぶべきですか?
ウィンドウ2枚で完結するなら27インチ4Kで十分です。3枚以上を常時並べたいならウルトラワイドが有利です。詳しくは4K27インチとウルトラワイド34インチの比較記事で検証しています。
KVM機能は必ず使わないといけませんか?
使わなくても通常のモニターとして問題なく動きます。PCを1台しかつながない場合は、初期設定のままで意識する必要はありません。

この記事を書いた人

midori

PC周辺機器の仕様と売れ筋データを読み比べて、用途別の選び方に落とし込んでいます。実機を入手した製品は、記事にその旨を明記しています。

  • メーカー公表値と売れ筋データを突き合わせて比較
  • 欠点を長所と同じ密度で書く

運営者情報とレビュー方針を見る

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