モニターアームの取り付け方と失敗しない手順
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目次
結論から書きます。モニターアームの取り付けで失敗する原因は、製品選びではなく「天板の奥がフラットかどうか」の見落としです。
クランプは天板の縁を上下から挟みます。だから測るべきは天板の厚みだけでなく、縁から奥に向かって何cmまで平らか。裏に幕板や補強桟があると、厚みが合っていても物理的に入りません。
失敗の大半は「天板の奥がフラットか」の見落とし
商品ページの「対応天板厚10〜50mm」という表記は、クランプの口が開く幅の話です。天板がこの範囲に収まっていても、クランプが入るとは限りません。
クランプは天板を上下から挟む構造なので、下側の金具が天板の裏に潜り込むための奥行きが要ります。ところが多くの机は、天板の裏に幕板(前面の目隠し板)や補強桟が走っています。縁から数cmで壁にぶつかる机だと、クランプの下側が奥まで入りません。
確認は簡単です。天板の裏に手を入れて、縁から奥に向かって指を滑らせてください。何かにぶつかったところまでが、クランプに使える奥行きです。ここが5cm未満なら、クランプ式は諦めてグロメット式か別の設置方法を考える段階になります。
賃貸では壁付けを選ばない
天板に付かないと分かると壁掛けを検討したくなりますが、賃貸では選ばないでください。
壁付けは壁にアンカーを打ちます。原状回復の対象になるうえ、石膏ボードに直接打っても保持できないため、下地の位置に設置場所が縛られます。「モニターの理想位置」ではなく「下地のある位置」に画面が決まってしまう時点で、机上のアームより自由度が低くなります。
同じ理由で、備え付けの机に新しくグロメット穴を開けるのも避けたほうが無難です。クランプが付かない天板なら、アームを無理に通すよりモニター台で高さを稼ぐほうが、結果的に机の使い勝手が良くなることもあります。
手順①: 天板の耐荷重と素材を確かめる
最初に見るのは厚みではなく素材です。中空構造の天板は割れます。
天板の小口(側面)を見てください。表面と裏面の板の間に空洞がある構造なら、クランプの締め付けは表面の薄い板だけが受けることになります。安価な組み立て式デスクやカラーボックス系の天板に多い構造です。
- 無垢材・厚い集成材 — そのままクランプで問題ないことが多い
- 薄い化粧板・中空天板 — 補強プレートが前提
- ガラス天板 — クランプは基本的に不可。メーカーが明示的に許可していない限り避ける
荷重の見積もりも先にやっておきます。アーム本体が3.5〜4kg前後あり、そこにモニターの重さが乗ります。モニター単体の重さではなく、アームを含めた合計で天板にかかるという点を忘れないでください。
サンワサプライ
100-LA065
総合評価4.4/5
評価
- 設置のしやすさ
- 4.7/5
- 対応の広さ
- 4/5
- 剛性・保持力
- 4.3/5
- 天板へのやさしさ
- 4.8/5
- コスパ
- 4.4/5
こんな人に天板が薄い・柔らかい机にクランプ式アームを付けたい人
価格・在庫は変動します。最新の価格はリンク先の販売ページでご確認ください。
補強プレートは、クランプが一点にかける力を面に広げる部品です。大小2枚構成で、大きいほうを天板の上、小さいほうを下に敷く使い方が基本になります。滑り止めシートが付くので、締め込んだときに横滑りもしにくくなります。
ここが良い
- クランプの点荷重を面で受けるので、集成材や中空天板のへこみ・割れを避けやすい
- 滑り止めシート付きで、締め込んだときにアームが横滑りしにくい
- グロメット式にも使え、穴あけ後の天板の弱りを補える
- アームより先に用意しておけば、届いた日にそのまま設置まで進める
ここは惜しい
- プレート自体に約700gの重さと15mmの厚みがあり、クランプの対応天板厚をその分消費する
- プレートの外寸より奥行きが取れない天板(縁から15cmでフラットが途切れる机)では敷けない
- 天板の強度不足そのものを解決するわけではなく、耐荷重を超えた使い方は救えない
注意点は2つあります。プレートに15mmの厚みがあるぶん、クランプの対応天板厚をその分消費します。 30mmの天板に厚み15mmのプレートを敷けば、クランプは45mm相当を挟むことになります。もうひとつは奥行きで、プレート(大)が約D153mmあるため、天板の縁から15cmでフラットが途切れる机には敷けません。 前章で測った奥行きがここでも効いてきます。
手順②: クランプ式かグロメット式かを決める
方式は2つです。
| クランプ式 | グロメット式 | |
|---|---|---|
| 天板への加工 | なし | 穴が要る(既存の配線穴を使えることもある) |
| 必要なもの | 天板の縁から奥への平らな奥行き | 直径8〜50mm程度の穴 |
| 原状回復 | できる | 穴は塞げない |
| 保持の安定 | 締め付けの強さ次第 | 上下から挟むので安定しやすい |
順番としては、まずクランプ式を検討します。 加工が不要で、外せば元に戻せるからです。クランプが入らない、または天板が厚すぎて口が届かない場合に、グロメット式へ切り替えます。
ここで効いてくるのが、アームごとの対応天板厚の違いです。3製品を並べます。
Ergotron
LX デスクマウント
総合評価4.8/5
評価
- 設置のしやすさ
- 4.3/5
- 対応の広さ
- 4.6/5
- 剛性・保持力
- 4.7/5
- 天板へのやさしさ
- 4/5
- コスパ
- 4.4/5
こんな人に24〜34インチを1枚、天板さえ条件を満たせば確実に浮かせたい人
価格・在庫は変動します。最新の価格はリンク先の販売ページでご確認ください。
ここが良い
- クランプとグロメットの両方の金具が同梱で、天板の奥に幕板があってもグロメットに逃がせる
- 可動域が広く、位置を変えたあとに狙った場所で止まるため設置後の微調整で悩みにくい
- 長期保証があり、スプリングがへたっても交換で戻せる
- 情報量が多く、特定の天板との相性事例を事前に調べやすい
ここは惜しい
- アーム自体が約3.9kgあり、中空構造の薄い天板では補強プレートが前提になる
- 耐荷重の下限が3.2kgあり、軽量な24インチだと張力を最弱にしても浮き上がることがある
- クランプの奥行きを確保できない天板(縁から数cmで補強桟がある机)には物理的に付かない
クランプ最大60mm、グロメット最大57mmと、どちらの方式でも厚い天板に対応します。金具が両方同梱なので、届いてから「クランプが入らない」と分かってもグロメットに逃がせるのが取り付け目線での強みです。
ただし本体が約3.9kgあります。中空天板では補強プレートが前提になりますし、耐荷重の下限が3.2kgあるため、軽い24インチだと張力を最弱にしても画面が勝手に上がってくることがあります。そして縁から数cmで補強桟がある机には、そもそも物理的に付きません。アーム自体の評価はモニターアームのおすすめにまとめています。
サンワサプライ
CR-LAC1405BK
総合評価4.3/5
評価
- 設置のしやすさ
- 4.6/5
- 対応の広さ
- 4.1/5
- 剛性・保持力
- 3.9/5
- 天板へのやさしさ
- 4.5/5
- コスパ
- 4.6/5
こんな人に初めてのアーム取り付けで、日本語の説明書を見ながら確実に進めたい人
価格・在庫は変動します。最新の価格はリンク先の販売ページでご確認ください。
ここが良い
- グロメット式が天板厚80mmまで対応し、厚い天板や合板を重ねた机でも逃げ道がある
- 耐荷重の下限が2kgと低く、軽量な24インチでも勝手に上がりにくい
- 日本語の説明書とメーカーサポートがあり、組み立て手順で詰まったときに問い合わせ先がはっきりしている
- 本体が軽めで、天板への負担がエルゴトロン級のアームより小さい
ここは惜しい
- 耐荷重の上限が8kgで、大型ウルトラワイドや重量級の27インチには足りない場合がある
- 3関節構造のぶん、上位モデルと比べると位置決め後の止まりが甘くなりやすい
- 32インチ超のモニターは対応外
こちらはグロメット式が天板厚80mmまで対応します。合板を重ねた自作天板や、厚みのある無垢材の机で、クランプの口が届かないときの逃げ道になります。耐荷重の下限が2kgと低いので、軽量な24インチでも浮き上がりにくい。日本語の説明書とサポート窓口があるのは、初めて取り付ける人には実務的な差です。
弱点は上限側で、耐荷重8kg・32インチまで。34インチのウルトラワイドや重量級の27インチは対象外になります。3関節構造のぶん、位置決め後の止まりも上位機ほどではありません。
エレコム
DPA-SL07BK
総合評価4.2/5
評価
- 設置のしやすさ
- 4/5
- 対応の広さ
- 4.5/5
- 剛性・保持力
- 4.5/5
- 天板へのやさしさ
- 3.7/5
- コスパ
- 4.3/5
こんな人に34インチ以上のウルトラワイドや重量級モニターを1枚載せる人
価格・在庫は変動します。最新の価格はリンク先の販売ページでご確認ください。
ここが良い
- 耐荷重20kgまで対応し、34インチ超の重いウルトラワイドでも垂れにくい
- 支柱式でアームの高さレンジが広く、大画面を目線まで持ち上げやすい
- ケーブルホルダーが付属し、固定前にケーブルを通す工程を省略せずに済む
- クランプとグロメットの対応天板厚が同じで、途中で方式を変えても寸法条件が変わらない
ここは惜しい
- 本体約3.69kgに大型モニターの荷重が加わるため、薄い天板では補強プレートがほぼ必須
- 対応天板厚の下限が約12mmで、極端に薄い天板には規格上そのまま付けられない
- 支柱ぶんの高さと奥行きを取るので、奥に壁や棚が迫っている机では引き回しにくい
耐荷重20kgが効くのは、34インチ以上のウルトラワイドを載せるときです。支柱式で高さレンジが広く、大画面を目線まで持ち上げやすい。クランプとグロメットの対応天板厚が同じ約12〜50mmなので、途中で方式を変えても寸法条件が変わらないのは取り付け中の安心材料になります。
一方で、本体約3.69kgに大型モニターが乗るため、薄い天板では補強プレートがほぼ必須です。対応天板厚の下限が約12mmで、極端に薄い天板には規格上そのまま付けられません。支柱ぶんの高さと奥行きも取るので、机の奥に壁や棚が迫っている環境では引き回しにくくなります。
| 項目 | イチオシErgotronLX デスクマウント | サンワサプライCR-LAC1405BK | エレコムDPA-SL07BK | サンワサプライ100-LA065 | サンワサプライCR-LAVESADP1 |
|---|---|---|---|---|---|
| 総合評価 | 4.8/5 | 4.3/5 | 4.2/5 | 4.4/5 | 3.9/5 |
| 方式 | メカニカルスプリング(ガススプリング相当) | ガススプリング | ガススプリング(ガス圧シリンダー) | — | — |
| 対応モニター | 34インチまで | 13〜32インチ | 17〜49インチ | — | 13〜32インチ |
| 耐荷重 | 3.2〜11.3kg | 2〜8kg | 2〜20kg | — | 10kg |
| 対応VESA | 75×75mm / 100×100mm | 75×75mm / 100×100mm | 75×75mm / 100×100mm | — | 75×75mm / 100×100mm |
| 設置方式 | クランプ/グロメット(両方付属) | クランプ/グロメット(両対応) | クランプ/グロメット(両対応) | — | — |
| 対応天板厚 | クランプ最大60mm、グロメット最大57mm(穴径8〜50mm) | クランプ10〜50mm、グロメット10〜80mm | クランプ約12〜50mm、グロメット約12〜50mm | — | — |
| 本体の重さ | 約3.9kg | — | 約3.69kg | — | — |
| 可動範囲 | — | 上90度・下45度チルト、左右180度、画面360度回転 | — | — | — |
| 種類 | — | — | — | モニターアーム用 補強プレート | VESA非対応モニター用 マウントホルダー |
| プレート(大) | — | — | — | 約W190×D153×H15mm | — |
| プレート(小) | — | — | — | 約W120×D70×H2mm | — |
| 材質 | — | — | — | スチール(エポキシ樹脂の黒色塗装) | — |
| 重量 | — | — | — | 約700g(合計) | 約180g |
| 対応方式 | — | — | — | クランプ式/グロメット式 | — |
| 付属 | — | — | — | 滑り止めシート | — |
| 対応モニター厚 | — | — | — | — | 10〜70mm |
| 本体サイズ | — | — | — | — | 約250×40×79〜117mm |
| こんな人に | 24〜34インチを1枚、天板さえ条件を満たせば確実に浮かせたい人 | 初めてのアーム取り付けで、日本語の説明書を見ながら確実に進めたい人 | 34インチ以上のウルトラワイドや重量級モニターを1枚載せる人 | 天板が薄い・柔らかい机にクランプ式アームを付けたい人 | 背面にVESA穴がないモニターを、買い替えずにアーム化したい人 |
| 購入先 |
手順③: VESA規格を確認し、必要ならアダプタを挟む
モニターの背面を見てください。4つのネジ穴が正方形に並んでいれば、VESA対応です。穴の間隔が75mmか100mmかで、使う付属ネジが変わります。
3つ落とし穴があります。
- 純正スタンドを外すとVESA穴が出てくるタイプ — スタンドの台座に隠れているだけのことがある
- 穴はあるがネジが長さ不足 — 背面に凹みがあるモニターは、付属より長いネジが要る
- 穴が一つもない — この場合はアダプタを挟む
3つ目に該当したとき、モニターを買い替える前に検討できるのが変換ホルダーです。
サンワサプライ
CR-LAVESADP1
総合評価3.9/5
評価
- 設置のしやすさ
- 3.8/5
- 対応の広さ
- 4.6/5
- 剛性・保持力
- 3.6/5
- 天板へのやさしさ
- 3.5/5
- コスパ
- 4/5
こんな人に背面にVESA穴がないモニターを、買い替えずにアーム化したい人
価格・在庫は変動します。最新の価格はリンク先の販売ページでご確認ください。
ここが良い
- VESA穴がないモニターでもアームに載せられ、モニター側の買い替えを回避できる
- 四方から挟む構造で、保護パッド付きのため筐体に直接キズが付きにくい
- 75×75mmと100×100mmの両方のアームに使え、アーム選びの制約が増えない
- 約180gと軽く、アーム側の耐荷重をほとんど食わない
ここは惜しい
- 挟み込み固定なので、ネジ留めのVESA接続に比べると剛性で劣り、画面が揺れやすい
- モニターの背面形状によっては安定して挟めず、曲面や大きく傾斜した背面は相性が悪い
- ホルダーぶんモニターが手前に出るため、実質的なモーメント荷重が増えて天板側の条件が厳しくなる
モニターを四方から挟み、VESA穴を持つ板に変換する部品です。約180gと軽く、アーム側の耐荷重をほとんど食いません。保護パッド付きで筐体にキズも付きにくい。
ただしネジ留めに比べると剛性は落ちます。 タイピングの振動で画面が揺れる、という状態になりやすいので、揺れに敏感な人は素直にVESA対応モニターへの買い替えを検討したほうが満足度は高くなります。もうひとつ、ホルダーぶんモニターが手前に出るぶん、天板にかかるモーメント荷重が増えます。 手順①で確認した天板の条件が、その分だけ厳しくなると考えてください。
手順④: ケーブルを通してから固定する
ここが手順の順番を守る意味が最も大きい工程です。アームを天板に固定し、モニターを載せてからケーブルを通そうとすると、ほぼやり直しになります。
正しい順序は次のとおりです。
- アームのポール(支柱)を天板に仮止めする
- HDMIやDisplayPort、電源ケーブルをアームのケーブルホルダーに通す
- モニターをVESAプレートに固定する
- ケーブルをモニターに挿す
- アームの位置を決めて、クランプを本締めする
2番を飛ばすと、アームの関節に沿ってケーブルを這わせられず、画面を動かすたびにケーブルが引っ張られます。アームの可動域はケーブルの余長で決まるので、ここが仕上がりを左右します。
余ったケーブルの処理は天板裏に回します。アームを入れると机の奥にケーブルの通り道ができるので、この機会にまとめて整理するのが効率的です。手順はデスクの配線整理に書きました。2枚目のモニターを足す予定があるなら、デュアルモニターの配置を先に読んでから、支柱の位置を決めてください。
手順⑤: ガススプリングの強さを調整する
取り付け直後に「画面が勝手に上がる」「下がってくる」のは故障ではありません。 スプリングの張力がモニターの重さに合っていないだけです。
調整は付属の六角レンチで行います。アームの関節部に調整用の穴があり、そこにレンチを差して回します。
- 画面が勝手に上がる → 張力が強すぎる。弱める方向に回す
- 画面が下がってくる → 張力が弱すぎる。強める方向に回す
コツは、モニターを載せた状態で、画面を中間の高さに置いてから調整することです。上端や下端で合わせると、可動域の反対側でずれます。数回転させては手を離す、を繰り返して、任意の高さで止まる点を探します。
高さの基準は、画面の上端が目線とほぼ同じか、やや下です。ここを詰めておくと首と目の負担が変わるので、モニターで目が疲れる原因も併せて確認してください。
まとめ
- 天板の縁から奥への平らな距離を測る — 厚みだけ測って失敗する人が最も多い
- 中空天板・薄い化粧板なら補強プレートを同時に買う — 設置日に止まらずに済む
- クランプ式を先に検討し、入らないならグロメット式 — 賃貸で壁付けは選ばない
- VESA穴の有無とネジの長さを先に確認する — 穴がなければ変換ホルダーで回避できる
- ケーブルを通してからモニターを載せ、最後に本締め — 順番を守れば1回で終わる
アームの取り付けは、買ってからではなく買う前の採寸で9割が決まります。 メジャーと、天板の裏に入れる手。この2つで済む確認を飛ばさないでください。



