マウスのボタン割り当ては「手を離す動作」から決める
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目次
結論から書きます。サイドボタンに割り当てて効くのは、ショートカットではなく「マウスから手を離す動作」です。
Ctrl+Cのような両手ショートカットをマウスへ移しても、左手はもともと空いています。消える手間がありません。効くのは、マウスを手放すか、カーソルを画面の端まで運ばないと実行できない動作——戻る、タブ切替、ウィンドウ切替、音量——を親指で完結させることです。
ショートカットをマウスに移しても、手間は減らない
多ボタンマウスを買った人がまずやるのが、Ctrl+CとCtrl+Vをサイドボタンに割り当てることです。そして、たいてい1週間で使わなくなります。
理由は単純で、削減できる動作がないからです。Ctrl+Cは左手だけで押せます。右手はマウスに乗ったまま、視線も画面の作業位置から動きません。この状態で発生しているコストはほぼゼロで、そこをマウスに移しても短縮できる時間がありません。
それどころか、押し分けるボタンが1つ埋まり、覚えるべき対応が1つ増えます。 効果のない割り当てに枠を使うと、本当に効く動作を置く場所がなくなります。
判断基準は「作業位置から離れるかどうか」
割り当てる価値があるかどうかは、その動作をいまどうやって実行しているかで決まります。
- 左手だけで押せて、カーソルも視線も動かない → 移す価値はほぼない(コピー、貼り付け、保存)
- マウスから手を離す必要がある → 移す価値が高い(音量、再生停止、テンキー側の操作)
- カーソルを画面の端まで運ぶ必要がある → 移す価値が高い(戻るボタン、タブ、閉じるボタン、スクロールバー)
後ろ2つに共通するのは、作業位置を一度手放すことです。手を戻したあと、カーソルがどこにあったかを目で探し直す時間が発生します。1回は1〜2秒でも、調べ物の最中は同じ動作が何十回と発生します。
割り当てで消えるのはこの復帰時間であって、キーを押す時間ではありません。キーストローク数を減らす発想で組むと、ほとんど効果が出ません。
割り当ての優先順位
上の基準で並べると、順番はほぼ固定されます。
| 順位 | 割り当てる動作 | いまの実行方法とその負担 |
|---|---|---|
| 1 | ブラウザの戻る/進む | 画面左上のボタンまでカーソルを運ぶ。発生回数が最も多い |
| 2 | タブの切り替え/タブを閉じる | タブ列までカーソルを運ぶか、Ctrl+Tabで視線をタブ列へ移す |
| 3 | ウィンドウ/仮想デスクトップの切り替え | Alt+Tabは左手を伸ばしたうえで、候補を目で選ぶ時間が要る |
| 4 | 音量・再生停止 | マウスを手放してキーボード奥列かタスクトレイへ向かう |
| 5 | 横スクロール | 画面下端のスクロールバーまでカーソルを運ぶ |
| 6 | コピー/貼り付け | 左手だけで完結する。移しても削減量がない |
まず1と2だけを割り当ててください。 サイドボタンが2つある一般的なマウスなら、この時点で枠が埋まります。そしてこの2つは、多くのマウスで最初から「戻る/進む」が割り当て済みです。
つまり多ボタンマウスを買う前に、いま持っているマウスのサイドボタン2つを意識して使うだけで、効果の大半は取れます。 3以降が欲しくなって初めて、ボタン数を増やす意味が出ます。
割り当てすぎると2〜3個しか使わない
多ボタンマウスの現実的な上限は、思っているより低い位置にあります。毎日無意識に押せるのは2〜3個です。
原因は記憶力ではなく、押し分けの手がかりの少なさにあります。キーボードは指の本数ぶんの位置基準があり刻印も見えますが、マウスのボタンは親指1本の位置感覚だけで区別することになります。サイドに3つ並んだボタンの真ん中を、見ずに確実に押すのは想像より難しい。
13ボタンの機種を買っても、実際に定着するのは数個というのが多ボタンマウスの一般的な結末です。ボタン数の多さが、そのまま効率化の量にはなりません。
増やすための3つの手
数を諦める必要はありません。記憶に頼らない仕組みに逃がすのが正攻法です。
- 感触の違う場所に置く — サイド、ホイール下、チルト、ホイール押し込み。指も感触も違うボタンは取り違えません。同じサイドに3つ詰めるより、離れた3か所に置くほうが定着します
- アプリ別プロファイルで意味を絞る — 同じボタンがブラウザでは戻る、エディタではタブ移動になる。覚えるのは「このボタンは画面に合った操作をする」という1つの対応だけです
- 画面に候補を出す — 押した瞬間に選択肢が表示されれば、そもそも覚える必要がありません
2番目が最も費用対効果が高い方法です。物理ボタンを増やすと記憶量が増えますが、プロファイルを分けても記憶量は増えません。 ここが決定的に違います。
設定ソフトで何ができるか
割り当ての自由度は、マウス本体よりも付属ソフトの側で決まります。日本で選択肢になるのは実質的にロジクールの Logi Options+ とエレコムのマウスアシスタント、そしてゲーミング系のG HUBとRazer Synapseです。
アプリ別プロファイル
前面にあるアプリを検出して、割り当てのセットを自動で切り替える機能です。Logi Options+ とエレコム マウスアシスタントはどちらもこれを持っています。
設定するときのコツは、アプリごとに違う動作を割り当てるのではなく、同じ意味の動作を割り当てることです。サイドボタン1を「戻る系」に統一し、ブラウザでは戻る、ファイラーでは上の階層へ、エディタでは前のカーソル位置へ、と対応させる。アプリを意識せずに押せるようになります。
ジェスチャー
ボタンを押しながらマウスを上下左右に振ると、方向ごとに違う動作が実行される機能です。1つの物理ボタンで4方向ぶんの枠が持てます。
現実に定着するのは左右の2方向までです。上下も使うと、どちらに振ると何が起きるかを完全に記憶に頼ることになります。左右にウィンドウ切り替えのような「対になる動作」を置くのが、最も忘れにくい使い方です。
マクロ・連続動作
複数の動作を1ボタンにまとめる機能です。ロジクールのSmart Actionsなら「ウィンドウを切り替えてからスクリーンショットを撮る」といった連結ができます。
前述の優先順位に照らすと筋のいい使い方です。連結される動作に、必ずマウスから手を離す工程が含まれているためです。逆に定型文の入力のような、キー入力だけを並べたマクロは効果が薄くなります。
割り当ての観点で見た5製品
順位ではなく、割り当てという切り口でどの役割を担えるかで並べています。評価は「割り当てられるボタン数/設定ソフトの完成度/アプリ別プロファイル/押し分けやすさ/導入しやすさ」の5項目・5点満点で統一しています。
覚えられない問題を表示で解く:Logicool MX Master 4
この記事の最大の壁——割り当てすぎて覚えられない——に、構造で答えている機種です。
親指側のセンスパネルを押すと、画面に8つの候補が円状に表示されます(Actions Ring)。押してから選ぶので、記憶に頼らずに割り当てを増やせます。 ボタンを増やすと記憶量が増えるという前述の制約から、唯一まともに抜け出している設計です。
Logi Options+ のアプリ別プロファイルは自動切替に対応し、Smart Actionsで複数動作を1ボタンに連結できます。Flow対応で複数PCをまたげるので、割り当てた設定を移動先でもそのまま使えます。表面素材が硬質プラスチック+シリコンに変わり、MX Master 3系で報告されてきた経年のベタつきも解消されています。
弱点は明確です。3Sより実売で7,000円前後高く、増えたのは触覚フィードバックとActions Ringの2つだけで、センサー・ホイール・バッテリーは据え置きです。しかもその2つはLogi Options+の常駐が前提で、ソフトを入れられない会社PCでは価格差分の価値が消えます。公表重量150gは3Sの約141gより重く、親指の当たる面がボタンを兼ねるため持ち上げる動作で意図せず反応するという報告もあります。Unifyingレシーバーには非対応です。
ここが良い
- 親指側のセンスパネルを押すと画面に8つの候補が円状に出る(Actions Ring)。「割り当てすぎて覚えられない」という多ボタンマウス最大の失敗を、記憶ではなく表示で解決する構造になっている
- Logi Options+がアプリごとにプロファイルを自動で切り替える。ブラウザでは戻る/進む、エディタではタブ移動、というふうに同じボタンの意味を変えられる
- Smart Actionsで「ウィンドウを切り替えてからスクリーンショット」のような複数動作を1ボタンにまとめられる。マウスから手を離す動作を丸ごと消せる
- 触覚フィードバックの強度とオン/オフをアプリ単位で設定でき、使わないアプリでは切れる
- 表面素材がラバーから硬質プラスチック+シリコンに変わり、MX Master 3系で報告されてきた経年のベタつきが構造的に解消されている
- Flow対応で複数PCをまたげるため、割り当てた設定を移動先のPCでもそのまま使える
ここは惜しい
- 3Sより実売で7,000円前後高い。増えたのは触覚フィードバックとActions Ringの2つで、センサー・ホイール・バッテリーは据え置き
- Actions Ringも触覚フィードバックもLogi Options+の常駐が前提。ソフトを入れられない会社PCでは価格差分の価値がほぼ消える
- 公表重量150gは3Sの約141gより重い。カーソルを大きく振る使い方だと差が出やすい
- 親指の当たる面がActions Ringのボタンを兼ねるため、マウスを持ち上げる動作で意図せず反応するとの報告がある
- 本体が大きくサイドボタンが奥寄り。手が小さいと親指を伸ばす操作になりやすい
- Unifyingレシーバーには非対応。既存のUnifying環境を引き継げない
Logicool
MX Master 4
総合評価4.6/5
評価
- 割り当てられるボタン数
- 4.8/5
- 設定ソフトの完成度
- 5/5
- アプリ別プロファイル
- 5/5
- 押し分けやすさ
- 4.8/5
- 導入しやすさ
- 3.2/5
こんな人に割り当てを「覚えられない」ことが最大の壁になっている人。Actions Ringが画面に候補を出すので、記憶に頼らずボタンを増やせる
価格・在庫は変動します。最新の価格はリンク先の販売ページでご確認ください。
3つで足りると分かっている人へ:Logicool MX Master 3S
優先順位の1〜3を、ボタンを増やさずに埋められる配置です。
サイド2ボタン、ジェスチャーボタン、サムホイール。この記事の優先順位(戻る・タブ切替・ウィンドウ切替)とちょうど噛み合います。ジェスチャーボタンを押しながら左右に振ればウィンドウやデスクトップを切り替えられるので、1ボタンで4方向ぶんの枠を持てます。MagSpeedホイールのラチェットとフリースピンが自動で切り替わるため、長い文書や表の行き来でキーボードへ手を伸ばす回数も減ります。
クリック音が小さく会議中でも気にならない点も日常的に効きます。定番機なので割り当ての作例を探しやすいのも実利です。詳細はMX Master 3Sのレビューにまとめています。
弱点は、ジェスチャーに画面表示がないことです。割り当てを増やすほど「どちらに振ると何が起きるか」を覚えられなくなり、結局2〜3個に落ち着きます。約141gは明確に重く、本体が大きいので手が小さいとサムホイールとサイドボタンに指が届きません。主要機能を活かすにはLogi Options+の常駐が事実上必須です。加えてロジクール公式楽天ストアの掲載は在庫限りの扱いになっており、後継機への切り替えが進んでいます。
ここが良い
- サイドの2ボタン+ジェスチャーボタン+サムホイールという配置が、この記事の優先順位(戻る・タブ切替・ウィンドウ切替)とちょうど噛み合う。ボタンを増やさずに手を離す動作を消せる
- ジェスチャーボタンを押しながら左右に振るとウィンドウやデスクトップを切り替えられる。1ボタンで4方向ぶんの割り当てが持てるので、物理ボタンを増やさずに枠を稼げる
- Logi Options+のアプリ別プロファイルで、同じサイドボタンの意味をブラウザとエディタで変えられる
- MagSpeedホイールのラチェットとフリースピンが自動で切り替わり、長い文書や表の行き来でキーボードに手を伸ばす回数が減る
- クリック音が小さく、オンライン会議中や共有スペースでも音を気にしなくていい
- 単体レビュー相当の定番機で情報が多く、割り当ての作例を探しやすい
ここは惜しい
- 約141gは明確に重く、低感度で大きく振り回す使い方には向かない
- ジェスチャーは画面に候補が出ないため、割り当てを増やすほど「どっちに振ると何が起きるか」を覚えられなくなる。この機種でも結局2〜3個に落ち着きやすい
- 本体が大きくカバンに入れづらい。持ち運び前提なら別のマウスがいい
- 手が小さいとサムホイールとサイドボタンに指が届きにくい
- 主要機能を活かすにはLogi Options+の常駐が事実上必須
- ロジクール公式楽天ストアの掲載は在庫限りの扱いになっており、後継のMX Master 4への切り替えが進んでいる
Logicool
MX Master 3S
総合評価4.5/5
評価
- 割り当てられるボタン数
- 4.2/5
- 設定ソフトの完成度
- 5/5
- アプリ別プロファイル
- 5/5
- 押し分けやすさ
- 4.2/5
- 導入しやすさ
- 3.6/5
こんな人に割り当てるのは戻る・進む・タブ切替の3つで足りると分かっている人。ボタン数より、サムホイールとアプリ別プロファイルの完成度で選ぶ
価格・在庫は変動します。最新の価格はリンク先の販売ページでご確認ください。
物理ボタンで枠を確保する:Logicool G G502 X LIGHTSPEED
13個という数がこのクラスで突出しています。 覚えられる2〜3個の外側に、「たまにしか使わないが便利」を置いておけるのが価値です。
サイド3個、DPIシフト、ホイール左右など、指の届く位置に割り当て先が並びます。Gシフト(1つのボタンを押している間だけ全ボタンの機能が入れ替わる)を使えば実質的な枠は倍になり、使用頻度の低い機能を第2階層へ隔離できます。ホイールの押し込みでフリースピンに切り替わるので、長い仕様書でPageDownに手を伸ばす必要もなくなります。
DPIシフトボタンを付属カバーで物理的に塞げるのは、多ボタン機として珍しい配慮です。誤爆するボタンを無効化できます。感度そのものの詰め方はマウスのDPI設定を参照してください。
弱点は、この記事の主題そのものです。13個あっても定着するのは数個で、この機種はその落差が最も大きく出ます。 ボタン数だけを理由に選ぶと後悔します。G HUBは常駐前提で動作が重いという報告があり、会社PCでは導入可否の確認が要ります。右手専用形状で本体が大きく、手が小さいと奥のボタンに指が届かず、割り当てても押せません。ゲーム用途も兼ねるならゲーミングマウスのおすすめで他の軸も見てください。
ここが良い
- 13個という数はこのクラスでは突出している。サイド3個+DPIシフト+ホイール左右など、指の届く位置に割り当て先が並ぶ
- Gシフト(1つのボタンを押している間だけ全ボタンの機能が入れ替わる)があるため、実質的な割り当て枠は倍になる。使用頻度の低い機能を第2階層に隔離できる
- ホイールを押し込むとラチェットとフリースピンを切り替えられる。長い仕様書や横に広い表計算で、キーボードのPageDownに手を伸ばす必要がなくなる
- DPIシフトボタンは反転させて親指寄りに動かせるほか、付属カバーで物理的に塞げる。誤爆するボタンを無効化できるのは多ボタン機として珍しい
- 右手専用の肉厚形状で手のひら全体を預けられるため、ボタンを探すときに手首を浮かせ続ける姿勢になりにくい
ここは惜しい
- 13個あっても実際に定着するのは数個というのが多ボタンマウスの常で、この機種はその落差が最も大きく出る。ボタン数だけを理由に選ぶと後悔しやすい
- G HUBは常駐が前提で動作が重いという報告があり、会社PCではインストール可否の確認が要る
- 約102gは競技志向の60g級より明確に重く、ポーリングレートも1,000Hz止まり。ゲーム側のスペック競争を追う人には物足りない
- 右手専用形状で本体が大きい(全長131mm級)。手が小さいと奥のボタンに指が届かず、割り当てても押せない
- RGBライティング非搭載。光らせたい場合はG502 X PLUSを見る必要がある
Logicool G
G502 X LIGHTSPEED
総合評価4.4/5
評価
- 割り当てられるボタン数
- 5/5
- 設定ソフトの完成度
- 4.3/5
- アプリ別プロファイル
- 4.5/5
- 押し分けやすさ
- 3.8/5
- 導入しやすさ
- 3.3/5
こんな人に割り当て先を物理ボタンで確保したい人。13個あるので、覚えられる2〜3個の外側に「たまにしか使わないが便利」を置いておける
価格・在庫は変動します。最新の価格はリンク先の販売ページでご確認ください。
安く試せる実験機:Razer Basilisk V3
自分に効く2〜3個を探す作業に、失敗の損が小さい選択肢です。
10+1個のプログラム可能ボタンをこの価格帯で持ちます。割り当ては試さないと定着するか分からないので、投資を抑えて枠を確保できること自体が価値になります。ホイール下のマルチファンクショントリガーは人差し指で押す位置にあり、サイドボタンとは感触が違います。前述の「感触の違う場所に置く」に素直に従える構成です。
左右チルト(横スクロール)に対応するのも実利で、横に広い表計算やタイムラインを扱う人にはボタン数より効く場面があります。ホイールは3モードを持ち、長文送りでキーボードに手を伸ばす回数も減ります。有線なので電池切れも充電もありません。
弱点は接続方式です。有線専用でBluetoothもレシーバーもないので、ノートPCを持ち歩く運用や、机からケーブルを消したい人には合いません。Razer Synapseは常駐が前提でアカウント登録も求められ、会社PCでは導入のハードルが上がります。約101gにケーブルの引っかかりが加わり、体感の重さはワイヤレス機より不利になります。右手専用形状で本体も大きめです。
ここが良い
- 10+1個のプログラム可能ボタンをこの価格帯で持つ。割り当てを試して自分に効く2〜3個を見つける「実験機」として、失敗したときの損が小さい
- 左右チルト(横スクロール)に対応する。横に広い表計算やタイムラインを扱う人には、ボタン数より効く場面がある
- HyperScrollチルトホイールが3モード(1目盛りずつ/フリースピン/速度で自動切替)を持ち、長文送りでキーボードに手を伸ばす回数が減る
- ホイール下のマルチファンクショントリガーは人差し指で押せる位置にあり、サイドボタンとは押し分けの感触が違う。似た位置に割り当てを詰め込むより取り違えにくい
- 有線なので電池切れも充電もない。据え置きで毎日使うなら管理が最も楽になる
- 第2世代Razerオプティカルスイッチは公称最大7,000万回クリック耐久で、チャタリングに対する構造的な耐性がある
ここは惜しい
- 有線専用でBluetoothもレシーバーもない。ノートPCを持ち歩く運用や、机からケーブルを消したい人には合わない
- Razer Synapseは常駐が前提で、アカウント登録を求められる。会社PCでは導入のハードルが上がる
- 約101gにケーブルの引っかかりが加わるため、体感の重さはワイヤレス機より不利になりやすい
- 右手専用形状で本体が大きめ。手が小さい人や指先だけで操作する持ち方の人には余る
- macOS環境での設定ソフトの対応範囲はWindows版と同じではないため、Macが主環境なら事前確認が要る
Razer
Basilisk V3
総合評価4.3/5
評価
- 割り当てられるボタン数
- 4.7/5
- 設定ソフトの完成度
- 4.2/5
- アプリ別プロファイル
- 4.3/5
- 押し分けやすさ
- 4/5
- 導入しやすさ
- 4.3/5
こんな人に据え置きのデスクで、予算を抑えて多ボタン+横スクロールを手に入れたい人。充電も電池残量も管理したくない人
価格・在庫は変動します。最新の価格はリンク先の販売ページでご確認ください。
ロジクール以外で作り込む:ELECOM EX-G PRO トラックボール
エレコム マウスアシスタント側の代表として置いています。
8ボタン+チルトホイールに加えて、ジェスチャーとアプリ別プロファイルが使えます。ロジクール以外で割り当てを作り込める選択肢は多くありません。1つのボタンにメインとサブの2アクションを設定できるため、物理ボタンを増やさずに枠を広げられるのもこのソフトの特徴です。
トラックボールなので本体を滑らせません。ボタンを押す動作とカーソル移動が干渉しないという、地味に効く性質があります。有線・2.4GHz・Bluetoothの3通りで接続でき、会社と自宅で同じ割り当てを使い回しやすい点も実用的です。選び方はトラックボールのおすすめにまとめました。
弱点は環境依存です。エレコム マウスアシスタントはWindows向けが中心で、Macが主環境だと割り当ての自由度が大きく下がります。親指でボールを転がす操作は慣れが要り、細かい範囲選択は最初かなり遅くなります。ボールと支持球の手入れも前提です。そしてボタンが親指周辺に集まるため、8個すべてを押し分けようとすると取り違えが起きます。この機種でも、実際に使うのは数個に落ち着きます。
ここが良い
- 8ボタン+チルトホイールに加え、マウスアシスタントのジェスチャーとアプリ別プロファイルが使える。ロジクール以外で割り当ての作り込みができる数少ない選択肢
- 1つのボタンにメインとサブの2アクションを設定できるため、物理ボタンを増やさずに割り当て枠を広げられる
- 本体を滑らせないので、ボタンを押す動作とカーソル移動が干渉しない。狭い机やひざ上でも操作が成立する
- 直径34mmの大きめボールと人工ルビー支持球の組み合わせで、親指の小さな動きで画面端まで送れる
- 有線・2.4GHz・Bluetoothの3通りで接続でき、会社のPCと自宅のPCで同じ割り当てを使い回しやすい
ここは惜しい
- エレコム マウスアシスタントはWindows向けが中心で、Macが主環境だと割り当ての自由度が大きく下がる
- 親指でボールを転がす操作は慣れが要り、細かい範囲選択や図形の描画は最初かなり遅くなる
- ボールと支持球にホコリや皮脂が溜まると転がりが渋くなるため、定期的に外して拭く手入れが前提になる
- 約147gに電池の重さが加わり、持ち運び用途には重い。充電池内蔵ではなく乾電池式
- ボタンが親指周辺に集まるため、8個すべてを押し分けようとすると取り違えが起きやすい
ELECOM
EX-G PRO トラックボール
総合評価4.2/5
評価
- 割り当てられるボタン数
- 4.4/5
- 設定ソフトの完成度
- 4.2/5
- アプリ別プロファイル
- 4.5/5
- 押し分けやすさ
- 3.8/5
- 導入しやすさ
- 4.2/5
こんな人にエレコム マウスアシスタントのジェスチャーとアプリ別プロファイルを使いたい人。本体を動かさないので、机が狭くてもボタン操作に集中できる
価格・在庫は変動します。最新の価格はリンク先の販売ページでご確認ください。
5製品を横並びで比較する
| 項目 | イチオシLogicoolMX Master 4 | LogicoolMX Master 3S | Logicool GG502 X LIGHTSPEED | RazerBasilisk V3 | ELECOMEX-G PRO トラックボール |
|---|---|---|---|---|---|
| 総合評価 | 4.6/5 | 4.5/5 | 4.4/5 | 4.3/5 | 4.2/5 |
| 割り当て可能ボタン | 8個(チルト含む)+Actions Ringの8スロット | 7個+サムホイール(横スクロール兼用) | 13個(すべてプログラム可能) | 11個(10+1。ホイール下のマルチファンクショントリガーを含む) | 8個+チルトホイール |
| 設定ソフト | Logi Options+(Windows / macOS) | Logi Options+(Windows / macOS) | Logicool G HUB(Windows / macOS) | Razer Synapse(Windows中心) | エレコム マウスアシスタント(Windows) |
| アプリ別プロファイル | 対応。前面アプリの検出で自動切替 | 対応。前面アプリの検出で自動切替 | 対応。起動中のアプリに連動して切替 | 対応。実行中のアプリにプロファイルを紐付けられる | 対応。使用アプリに応じて設定が自動で切り替わる |
| ジェスチャー機能 | センスパネル押下+上下左右の4方向。Actions Ringは画面に候補を表示 | ジェスチャーボタン押下+上下左右の4方向(画面表示なし) | 非搭載。Gシフトで全ボタンを2段階に使い分ける方式 | 非搭載。HyperShiftで全ボタンを2段階に使い分ける方式 | 対応。ボタンを押しながら本体を操作してアクションを実行 |
| マクロ・連続動作 | Smart Actionsで複数動作を1ボタンに連結できる | Smart Actionsに対応 | 対応。キーストロークの記録と遅延指定ができる | 対応 | 1つのボタンにメイン/サブの2アクションを設定できる |
| 接続方式 | Bluetooth Low Energy / Logi Bolt USB-Cレシーバー(最大3台をEasy-Switchで切替) | Bluetooth Low Energy / Logi Bolt USBレシーバー(最大3台をEasy-Switchで切替) | LIGHTSPEED 2.4GHz(USB-Aレシーバー) | 有線USB-A(Speedflexケーブル) | 有線/2.4GHz無線/Bluetooth の3方式 |
| 重量 | 150g(電池含む・メーカー公表) | 約141g(メーカー公表) | 約102g | 約101g | 約147g(電池含まず) |
| 本体サイズ | 88.2 × 128.2 × 50.8 mm(メーカー公表) | 約124.9 × 84.3 × 51 mm(メーカー公表) | — | — | 幅108.0 × 奥行135.0 × 高さ47.7 mm(メーカー公表) |
| 型番・カラー | MX2400GR(グラファイト)/MX2400PG(ペイルグレー) | MX2300GR(グラファイト)/MX2300PG(ペイルグレー) | G502XWL-CRBK(ブラック)/G502XWL-CRWH(ホワイト) | — | — |
| センサー | — | — | HERO 25K(最大25,600 DPI) | Focus+ 26K(最大26,000 DPI) | — |
| 電源 | — | — | USB-C充電・POWERPLAY対応(メーカー公表 最大140時間) | — | 単3電池1本 |
| ホイール | — | — | — | HyperScrollチルトホイール(3モード・左右チルト対応) | — |
| 型番 | — | — | — | RZ01-04000100-R3M1 | M-XPT1MRBK |
| ボール | — | — | — | — | 直径34mm・人工ルビー支持球2.5mm |
| こんな人に | 割り当てを「覚えられない」ことが最大の壁になっている人。Actions Ringが画面に候補を出すので、記憶に頼らずボタンを増やせる | 割り当てるのは戻る・進む・タブ切替の3つで足りると分かっている人。ボタン数より、サムホイールとアプリ別プロファイルの完成度で選ぶ | 割り当て先を物理ボタンで確保したい人。13個あるので、覚えられる2〜3個の外側に「たまにしか使わないが便利」を置いておける | 据え置きのデスクで、予算を抑えて多ボタン+横スクロールを手に入れたい人。充電も電池残量も管理したくない人 | エレコム マウスアシスタントのジェスチャーとアプリ別プロファイルを使いたい人。本体を動かさないので、机が狭くてもボタン操作に集中できる |
| 購入先 |
ボタン数の多さと「押し分けやすさ」が逆相関しているのが読み取れます。13個のG502 X LIGHTSPEEDが押し分けで下がり、7個+サムホイールのMX Master 3Sが上回る。実効性を決めているのは数ではなく、指と感触の分離と、記憶を肩代わりする仕組みです。
形状や接続方式まで含めて候補を広げたいならマウスのおすすめと選び方も併せて見てください。
マウスで足りなくなったら左手デバイス
割り当てを詰めていくと、必ず頭打ちが来ます。親指1本で押し分けられる数には限界があるからです。
ここから先は、マウスの問題ではありません。毎日5個以上のアクションを手元から呼びたいなら、左手側にデバイスを置くほうが素直です。離れたキーは指ごとに位置が違い、液晶キー付きの製品なら何が割り当てられているかが目で見えます。この記事で挙げた「記憶に頼らない仕組み」を、マウスより確実に実現できます。
- 2〜3個で足りる → いま持っているマウスのサイドボタンで足りる
- 4〜6個、アプリごとに変えたい → 多ボタンマウス+アプリ別プロファイル
- 7個以上、毎日使う → 左手デバイス
切り分けと製品の候補は左手デバイスのおすすめにまとめました。マウスのボタンを増やし続けるより、役割を分けたほうが結果的に定着します。
まとめ
- 移す価値があるのは、作業位置から離れる動作 — 手を離すか、カーソルを画面の端まで運ぶ操作
- 優先順位は 戻る → タブ切替 → ウィンドウ切替 → 音量 — コピー・貼り付けは最後でいい
- まずいまのサイドボタン2つを使う — 効果の大半はここで取れる
- 定着するのは2〜3個 — ボタン数と効率化の量は比例しない
- 増やすならアプリ別プロファイル — 物理ボタンと違い、記憶量が増えない
- 設定ソフトを入れられるか先に確認 — プロファイルもジェスチャーも常駐が前提
ボタン数で選ばないでください。 13個のうち10個を覚えられずに終わるより、3個を確実に押せるほうが毎日の体験に効きます。



