Logicool Signature Plus M750 レビュー
公開日 最終更新
この記事の結論
Signature Plus M750
★ 4.6/ 5
こんな人に: 上位機の重さと価格を避けつつ、複数PCを行き来したい人
良い点
- 約103gと軽く、上位機の重さが合わなかった人でも扱いやすい
- 単3電池1本で最長2年。充電を意識する場面がまったくない
- クリック音が大幅に小さく、オンライン会議中でも気にならない
惜しい点
- ホイールは電磁式ではないため、上位機のような無音の高速回転はしない
- 横スクロール専用のサムホイールがない
- 形状はシンプルで、手を包み込むような上位機のホールド感はない
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目次
結論から書きます。「MX Masterは重いし高い」と感じていた人の答えがこれです。
Signature Plus M750 は約103g。上位機より約40g軽く、単3電池1本で最長2年動きます。そして上位機の目玉であるFlowにも対応しています。
売れ筋ランキングで1位に居続けている理由は、この「上位機の要点だけを軽く安く実装した」構成にあります。
Flow が使えるのが決定的
ここがM750を選ぶ最大の理由です。
Flow は、複数のPCをカーソル移動だけで行き来できる機能です。マウスを画面の端まで動かすと隣のPCに移り、テキストやファイルのコピー&ペーストもまたげます。WindowsとMacの間でも動きます。
これは長らくMXシリーズだけの機能でした。M750はこれに対応しています。同じSignatureシリーズでもM650とM550は非対応なので、ここがM750とその下位モデルを分ける最重要ポイントです。
ただしFlowには前提条件があります。行き来するすべてのPCにLogi Options+を入れ、同じアカウントでサインインし、同一のネットワーク上に置く必要があります。カーソルが隣へ移って見える裏で、受け渡しはネットワーク越しに行われているためです。会社支給のPCにソフトを入れられない環境では使えません。
裏返すと、PCが1台しかない人にとってM750を選ぶ理由は半分になります。 残るのは軽さ・電池持ち・静音クリックですが、その3つだけならM650でも同じです。
Signature Plus M750 の評価
5項目での評価
- 握り心地
- 4.3/5
- ホイール
- 4/5
- 静音性
- 4.7/5
- 多台数連携
- 4.8/5
- コスパ
- 5/5
ここが良い
- 約103gと軽く、上位機の重さが合わなかった人でも扱いやすい
- 単3電池1本で最長2年。充電を意識する場面がまったくない
- クリック音が大幅に小さく、オンライン会議中でも気にならない
- 上位機の目玉であるFlowに対応し、複数PCをカーソル移動だけで横断できる
- S/MとLの2サイズ展開があり、手の大きさに合わせられる
ここは惜しい
- ホイールは電磁式ではないため、上位機のような無音の高速回転はしない
- 横スクロール専用のサムホイールがない
- 形状はシンプルで、手を包み込むような上位機のホールド感はない
- 電池式なので、上位機より本体が軽い代わりに重心はやや前寄り
LogicoolSignature Plus M750
103gの軽さが効く場面
上位機のMX Master 3Sは約141gあります。M750は約103gで、差は約40g。数字で見ると小さいようですが、マウスの重量としては明確な差です。
効いてくるのは2つの場面です。
低感度で大きく動かす人 — 上位機は「あまり動かさず、ホイールとボタンで作業する」前提の重さです。マウスを腕ごと振る使い方だと重さが疲労に直結します。M750ならその制約が緩みます。
手が小さい人 — 上位機は本体が大きく、手が小さいとサムホイールやサイドボタンに指が届きません。M750はS/MとLの2サイズ展開があり、手に合わせて選べます。
サイズの目安は、手首のしわから中指の先までが18cm前後までならS/M、19cm以上ならLです。マウスは小さすぎると指先だけで操作することになり、かえって手首の負担が増えます。
手首や前腕にすでに違和感があるなら、軽さだけでは解決しないこともあります。原因の切り分け方はマウスで手首が痛いときの対策にまとめました。
サイズ表記ではなく実寸と持ち方で選ぶ
サイズの呼び名はメーカーごとに基準が違うので、幅と高さの実寸で見たほうが確実です。M750の小さいほうは約107.2 × 61.8 × 37.8mm。かぶせ持ち、つまり手のひら全体を本体に乗せる持ち方を想定した寸法です。
問題になるのはつまみ持ちの人です。指先だけで支えて手のひらを浮かせる持ち方だと、本体の後ろ側が支えに使われないまま余ります。余りは重さとして効くのに保持には寄与しないので、Mサイズが合うかどうかは手の長さだけでは決まりません。
これでも大きい場合、同じSignatureシリーズの下位側にはさらに小さいサイズが用意されています。ただしそちらを選ぶとEasy-SwitchとFlowを失うので、サイズを優先するか複数PC連携を優先するかという分岐になります。手の大きさが選定条件の中心にあるなら、手が小さい人向けのマウスの選び方を先に読んでから戻ってくるほうが早いです。
電池式であることは弱点ではない
「いまどき電池式か」と思うかもしれませんが、この製品に限っては利点のほうが大きいです。
単3電池1本で、レシーバー接続なら最長24か月、Bluetoothでも最長20か月。つまり充電のことを考える機会がほぼありません。
充電式は数十日ごとにケーブルを挿す必要があり、忘れると作業中に切れます。上位機の最長70日でも、年に5回は充電を意識することになります。M750は2年に1回、電池を交換するだけです。
弱点は、残量が突然尽きる可能性があることと、本体がわずかに重くなることです。予備の単3電池を1本引き出しに入れておくだけで前者は解消します。
静音クリックは実用レベル
SilentTouchという機構で、クリック音が従来比90%低減とされています。
利用者の報告を見るかぎりでも、オンライン会議中にミュートを解除したままクリックしても気にならないレベルとされています。在宅勤務が主戦場なら、この一点だけでも選ぶ理由になります。
ただし静音マウス全般に言えることですが、消えているのはクリック音だけです。ホイールのラチェット音とマウスを滑らせる摩擦音は残ります。音源の切り分け方は静音マウスを3軸で順位付けした記事に書きました。
静音スイッチは音と一緒に「押した感触」も削る
静音マウスを選ぶときに最も誤解されている点なので、構造から書きます。クリック音と押した感触は、同じ現象の表と裏です。
なぜ音だけを消せないのか
一般的なマウスのクリックには、薄い金属のドームを使ったスイッチが入っています。指で押し込むと、ある力を超えたところでドームが急に座屈して接点に触れ、信号が出ます。この「急に潰れる」動きが、空気を叩いてカチッという音を出すと同時に、指先に明確な節度感を返します。音と感触は別の部品が出しているのではなく、ひとつの変形から同時に生まれています。
したがって、音だけを取り出して消すことは構造上できません。静音スイッチがやっているのは、ドームの形状や材質を変えたり緩衝材で振動を受け止めたりして、座屈のエネルギーが音になる量を減らすことです。同じ理由で、指に返る節度も一緒に鈍ります。
静音マウスのクリックが「カチッ」ではなく「コクッ」と表現されるのは、感覚的な比喩ではありません。構造上そうなるというだけの話です。
「コクッ」が不利に働く作業
押した/離したの境界を、画面ではなく指先と音で取っている作業では、節度が鈍ることが不利に働きます。
- 長いドラッグ&ドロップ — 掴んだ瞬間と離した瞬間が指で確認しづらく、途中で落としたことに気づくのが遅れます
- パスやマスクを一点ずつ打つ作業 — 1クリックずつの確定を身体で数える使い方とは相性がよくありません
- ゲーム — 押し切ったかどうかを反射で判断する場面では、節度の明確なスイッチのほうが有利です
逆に、文章を書く・資料を作るといった確認を画面側で取っている作業では、鈍った節度が問題になることはほとんどありません。M750が想定しているのはこちら側です。
もう1点、静音スイッチは押下感が軽く感じられるため、切り替え直後は意図しないクリックが増えたという報告も見かけます。多くは慣れの範囲ですが、最初の数日は起こりうると考えておいてください。
上位機に譲る点
正直に書きます。ホイールの質だけは明確に差があります。
M750のSmartWheelは機械式で、通常は1行ずつ確実に刻み、勢いよく回すと高速スクロールに切り替わります。よくできていますが、上位機のMagSpeedは電磁式でラチェットが完全に外れ、無音でフリースピンします。
長いコードやスプレッドシートを一日中スクロールするなら、この差は毎日効いてきます。逆に、日常的なスクロール量ならSmartWheelで不足を感じることはありません。
SmartWheelは「回す速さ」で刻みを外している
もう少し踏み込むと、両者は切り替えの仕組みが違います。
SmartWheelは機械式のラチェットで、ホイールの内側にある爪とバネが1行ぶんの刻みを作っています。ゆっくり回している間はこの刻みがそのまま指に返り、勢いよく回すと爪が追いつかなくなって抵抗の少ない回転へ移ります。切り替えの判定は回転の速さそのもので、ボタンを押すなどの操作は要りません。MagSpeedは電磁石で噛み合いそのものを制御するため、完全に外して音も抵抗も消せます。
この違いから、SmartWheelには2つの癖が出ます。ゆっくり長距離を回したいときには高速側に切り替わらないこと、逆に1行だけ動かしたいのに勢いがついて高速側へ入ってしまうことがあること。どちらも慣れれば避けられますが、ホイールの挙動を最後まで意図どおりに支配したい人にはここが引っかかります。
ホイールの話はここまでです。上位機に譲る点のもう1つは、横スクロール専用のサムホイールがないことです。横に広いスプレッドシートやタイムラインを扱うなら、上位機のほうが速いです。
形状も、上位機のように手を包み込む造形ではなくシンプルです。ホールド感を求めるならMX Master 3Sのレビュー、最新世代との違いはMX Master 4と3Sの違いにまとめています。
結局、誰が買うべきか
- 複数PCを行き来する人 — Flowと3台切替がこの価格帯で使えるのはM750だけです
- 上位機の重さが合わなかった人 — 約40g軽く、サイズも選べます
- 充電を意識したくない人 — 2年に1回の電池交換で済みます
- 在宅勤務でオンライン会議が多い人 — 静音クリックは上位機と同等です
逆に、一日中スクロールし続ける人と手を包み込む握り心地が必要な人には上位機を勧めます。
加えて、クリックの節度感を手がかりに作業している人にはこの機種自体が向きません。静音スイッチは音と一緒に押した感触を削る仕組みなので、そこが作業の精度に直結するなら、静音でない機種のほうが結果的に速く終わります。ゲーム用途が対象外なのも同じ理由です。
判断がつかないときは、静かさ・軽さ・多台数連携のうちいま最も困っているものを1つだけ決めてください。多台数連携ならM750で決まりです。静かさだけならM650でも足り、握り心地とホイールが最優先なら上位機になります。
ロジクールのマウスをシリーズごとに見比べて決めたい場合はロジクールのマウスの選び方にまとめました。
よくある質問
MX Master 3S とどちらを買うべきですか?
M650 や M550 との違いは何ですか?
電池式は充電式より不便ではないですか?
SmartWheel は MagSpeed とどう違いますか?
サイズはS/MとLのどちらを選ぶべきですか?
Logicool
Signature Plus M750
総合評価4.6/5
評価
- 握り心地
- 4.3/5
- ホイール
- 4/5
- 静音性
- 4.7/5
- 多台数連携
- 4.8/5
- コスパ
- 5/5
こんな人に上位機の重さと価格を避けつつ、複数PCを行き来したい人
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