本文へスキップ
ガジェットベースGadget Base
メニュー
モニター

ゲーミングモニターのおすすめとHzの選び方

公開日

この記事の結論

  1. 1

    GigaCrysta EX-GDQ271UA

    ★ 4.3

    競技系FPSを最優先しつつ、27インチWQHDの作業領域も1台で兼ねたい人。GPUがWQHDで200fps前後を出せる構成の人

  2. 2

    24G4/11

    ★ 4.2

    競技系FPSの標準である24インチ・フルHDに絞り、限られたGPU性能をフレームレートに全振りしたい人

  3. 3

    MAG 27CQ6PF

    ★ 4.2

    競技系より没入感を優先する人。RPGやアクションを暗い部屋で遊ぶ時間が長く、予算は抑えたい人

  4. 4

    GigaCrysta S LCD-GDU271JLAQD

    ★ 4.2

    画質を最優先しつつ競技系にも降りられる1台が欲しい人。焼き付きリスクを負わずにHDRの明るさを取りたい人

  5. 5

    MAG 272UP QD-OLED E16

    ★ 4.1

    競技系より映像体験を取る人。応答速度の残像を根本から消したい人。焼き付き対策を運用で受け入れられる人

各製品の詳しい評価を読むには、このまま下へスクロールしてください。

結論から書きます。リフレッシュレートは、自分のGPUがそのゲームで何fps出せるかを調べてから決めてください。

240Hzのモニターを買っても、GPUが144fpsしか出せないなら、変わるのは144Hzぶんまでです。超えたHzには一円も価値がありません。 順序は「遊ぶタイトル → 解像度 → GPUの実fps → 必要なHz」です。

リフレッシュレートは「上限」であって、出力ではない

ここを取り違えると、いちばん高い買い物を無駄にします。

モニターの「240Hz」は、1秒間に最大240回まで画面を書き換えられるという上限の話です。実際に何回書き換わるかは、PCが1秒間に何枚の絵を送れるか、つまりGPUが出すフレームレートで決まります。

だから、GPUが144fpsしか出していないタイトルでは、240Hzのモニターでも1秒間に144回しか絵が変わりません。残りの96Hzは物理的に使われないままです。可変リフレッシュレート(G-SYNC / FreeSync / AdaptiveSync)はティアリングやカクつきを抑えてくれますが、fpsを増やす機能ではありません。

逆算の順序を先に固定する

順序は次の4段です。これを逆から進めると、まず失敗します。

  1. 遊ぶタイトルを決める — 競技系FPSか、RPGやアクションか
  2. 解像度を決める — フルHD/WQHD/4K
  3. その解像度でGPUが何fps出るかを測る — 最高値ではなく、乱戦で落ち込んだ値
  4. その数字に見合うHzを買う — 落ち込んだ値を少し上回るあたりが実用的な線

3は今のモニターのままで測れます。遊ぶタイトルを実際の設定で起動し、fps表示を出すだけです。見るべきは人が多い場面で落ち込んだときの数字で、そこが体験の下限になります。

解像度が上がると、同じGPUでもfpsは落ちる

画素数は解像度で決まっていて、ここは算術の話です。

解像度 画素数 フルHD比
1920×1080(フルHD) 約207万 1.0倍
2560×1440(WQHD) 約369万 約1.8倍
3840×2160(4K) 約829万 約4.0倍

同じGPU・同じ設定なら、描く画素が増えたぶんfpsは落ちます。 つまり「4Kで180Hz」を使い切るのは、「フルHDで180Hz」を使い切るのとはまったく別の難易度です。この記事の5製品は、フルHD180Hz → WQHD180Hz → WQHD275Hz → 4K180Hz → 4K165Hzと、要求されるGPU水準が段階的に上がる並びになっています。解像度の選び分けはWQHDと4Kの比較に書きました。

応答速度の「1ms(GTG)」は、そのままでは横並び比較にならない

もう一つ、数字がそのまま比較材料にならない項目があります。応答速度です。

GTG(Gray to Gray)は、ある灰色から別の灰色へ画素が切り替わるまでの時間です。問題は、どの階調からどの階調へか、オーバードライブを何段に設定して測ったかで値が大きく変わり、その条件を公開していないメーカーが少なくないことです。条件が書かれていない「1ms」と、書かれている「1ms」は、同じ数字でも意味が違います。数字の小ささより、条件が明示されているかどうかで機種を見てください。

この記事の候補では、GigaCrysta EX-GDQ271UAが「オーバードライブレベル3時」、MAG 27CQ6PFが「GTG最小値」と条件を併記しています。前者は最大設定での値、後者は最も速く切り替わる階調の組み合わせでの値です。どちらも最良条件の公称値であって、実用設定で常時その速さが出るわけではありません。

オーバードライブを上げると、逆残像が出る

「応答が遅いならオーバードライブを上げればいい」とはなりません。これは画素に強い電圧をかけて目標の色を一度行き過ぎさせる仕組みなので、強くかけすぎると行き過ぎたぶんが残り、動く物体の後ろに明るい尾が付きます。これが逆残像(オーバーシュート)です。

  • 効きすぎ(オーバードライブ強)→ 白っぽい逆残像が出る
  • 効かなすぎ(オーバードライブ弱)→ 通常の黒い残像が残る

VAパネルは階調による応答のばらつきが大きく、この現象がとくに目立ちます。設定は中間段から試し、逆残像が見えない範囲で一番強い段に落ち着かせるのが実用的な手順です。公称の最速値は多くの場合、実用に耐えない設定での数字になります。

有機ELはこの調整自体が不要です。応答が原理的に速く行き過ぎさせる必要がないので、オーバーシュートが構造上発生しません。

IPS・VA・OLEDの使い分けと、焼き付きリスク

パネルの違いは、そのまま「どのゲームに向くか」の違いになります。

IPS VA OLED
黒の沈み 浅い(1000:1前後) 深い(3000〜5000:1級) 完全な黒
応答速度 速い 階調で振れる 最速
視野角 広い 斜めで色が変わる 広い
焼き付き なし なし 起きうる
明るい部屋 得意 得意 苦手

競技系FPSならIPS、暗いシーンが多いならVAかOLEDが基本線です。IPSのコントラスト1000:1は、暗い部屋のホラーやRPGでは黒が灰色に浮いて見えます。

OLEDは黒・応答・コントラストのすべてで液晶に勝ちますが、焼き付きという別種のリスクを背負います。厄介なのは、PCモニターとしての使い方がその最悪条件だという点です。

  • ゲームのHUD(体力バー、ミニマップ、弾数表示)
  • Windowsのタスクバーとデスクトップアイコン
  • 配信ソフトのオーバーレイ

いずれも位置も明るさも変わらないまま、何百時間も同じ場所に出続けます。 メーカーはピクセルシフトなどで対策し、MAG 272UP QD-OLED E16のように焼き付きを含む保証を付ける機種もありますが、リスクがゼロになるわけではありません。

同じ画面を出し続ける使い方が中心なら、Mini LED液晶という代替案があります。GigaCrysta S LCD-GDU271JLAQDは2304分割のローカルディミングで暗部を落としつつ、液晶なので焼き付きを気にせず使えます。黒の質ではOLEDに届きませんが、明るい部屋でのHDR輝度では逆に有利です。4K機の比較は4Kモニターのおすすめにまとめています。

競技系FPSと、RPG・アクションで最適解は割れる

ここがこの記事の芯です。「ゲーミングモニターのおすすめ」を1台に絞れないのは、遊ぶジャンルで正解が反対方向を向くためです。

競技系FPS — 解像度を下げてfpsを稼ぐ

競技系は、暗部の階調も色域も勝敗に関係しません。効くのはフレームレートと、遅延と、残像の少なさだけです。だから合理的な選択は「解像度を上げない」ことになります。

フルHD 23.8型に絞れば、同じGPUでもWQHDより多くのfpsが出ます。24G4/11がこの立ち位置で、モニターの180Hzを実際に使い切れる可能性が最も高い構成です。

WQHDのまま高Hzを取りに行くならGigaCrysta EX-GDQ271UAですが、これはWQHDで200fps超を出せるGPUがある人の選択肢です。そこに届かないなら、275Hzのうち使わないぶんに払うことになります。マウス側の要件はゲーミングマウスのおすすめに分けて書きました。

RPG・アクション — 黒とコントラストを取る

こちらは60〜120fpsも出ていれば体験は十分に成立します。余った予算を、フレームレートではなく黒の深さに回すほうが満足度が上がります。

予算を抑えるならMAG 27CQ6PF、焼き付きを避けて画質を取るならGigaCrysta S LCD-GDU271JLAQD、映像体験を最優先するならMAG 272UP QD-OLED E16という並びになります。

ゲーミングモニターおすすめ5選

各製品の評価は「競技系適性/映像の美しさ/残像の少なさ/拡張性/コスパ」の5項目・5点満点で統一しています。総合評価は単純平均ではなく、人に勧めるときの優先度を反映した編集判断の点数です。候補は売れ筋上位を材料に洗い出し、そこに競技系フルHDの受け皿と低価格帯の湾曲VAを加えました。

第1位IODATAGigaCrysta EX-GDQ271UA総合評価4.3/5

評価

競技系適性
4.8/5
映像の美しさ
3.8/5
残像の少なさ
4.5/5
拡張性
2.5/5
コスパ
4.2/5

ここが良い

  • 価格.comのPCモニター売れ筋で総合1位に付けている、実売ベースで最も選ばれている国内メーカーのゲーミング機
  • WQHDで275Hzという組み合わせを国内メーカー品で用意している数少ない選択肢。GPU側がWQHDで200fps超を出せる構成なら、リフレッシュレートを使い切れる
  • DisplayPortで275Hz、HDMIでも144Hzまで出る。PCとゲーム機を1台で兼用しても取りこぼしが少ない
  • 27型WQHDはフルHDの約1.8倍の情報量。高リフレッシュレート機でありながら、そのまま仕事用の作業領域として使える
  • 応答速度1msはオーバードライブレベル3時の値と明記されている。GTG表記の条件を公開している点で、条件非公開の海外格安機より比較の土台が作りやすい
  • 国内メーカーの3年保証と購入後1ヶ月の無輝点保証。初期不良時の窓口が国内にある

ここは惜しい

  • スタンドがチルトのみ。高さ調整もピボットもできず、目線の高さを合わせるにはモニターアームか台の追加がほぼ前提になる
  • USB Type-C入力もUSBハブも持たない。ノートPC1本接続やケーブル集約の用途には向かない
  • HDRはHDR10対応止まりで認証はなく、輝度350cd/m²ではHDRらしい表現は期待できない
  • オーバードライブを最大にすると逆残像(オーバーシュート)が出やすくなるのは液晶共通の性質で、1msという公称値はその最大設定での値。実用設定では公称ほど速くならない可能性がある
  • 上位のGigaCrysta Sと違い5年保証ではなく3年保証。しかも1日18時間までという使用時間の条件が付く

WQHDで275Hzという組み合わせを、国内メーカー品で用意している数少ない選択肢です。

DisplayPort接続で最大275Hz、HDMIでも144Hzまで出ます。PCとゲーム機を1台で兼用しても取りこぼしが少ない構成です。27型WQHDはフルHDの約1.8倍の情報量があるので、高リフレッシュレート機でありながらそのまま仕事用の作業領域として使えます。

応答速度の1msが「オーバードライブレベル3時」の値と明記されている点も評価しました。条件を出しているだけで、判断材料としての質が変わります。国内メーカーの3年保証と、購入後1ヶ月の無輝点保証も付きます。

1位にしましたが、注意点は明確です。まず275Hzを使い切るには、WQHDで200fps超を出せるGPUが要ります。 そこに届かない構成なら、この製品を選ぶ理由の半分は消えます。

そしてスタンドがチルトのみです。高さ調整もピボットもできないので、目線の高さを合わせるにはモニターアームか台の追加がほぼ前提になります。モニターアームのおすすめを併せて見込んでおいてください。USB Type-C入力もUSBハブもなく、HDRはHDR10対応止まりで輝度350cd/m²ですから、HDRらしい表現は期待しないほうが正確です。保証も上位機の5年ではなく3年で、1日18時間までという使用時間の条件が付きます。

第2位AOC24G4/11総合評価4.2/5

評価

競技系適性
4.6/5
映像の美しさ
3.5/5
残像の少なさ
4.3/5
拡張性
3/5
コスパ
4.6/5

ここが良い

  • フルHD 23.8型なら、ミドルレンジGPUでも競技系タイトルで180fps前後まで届きやすい。モニターの180Hzを実際に使い切れる可能性が最も高い構成
  • 180Hz・1ms(GTG)のFast IPSで、競技系タイトルで長く標準とされてきたサイズと仕様を素直に押さえている
  • G-SYNC CompatibleとAdaptive Syncの両方に対応。GPUのメーカーを問わずティアリング対策が効く
  • 高さ130mmの昇降・スイベル・ピボットまで備える。ゲーミング機はチルトのみで済ませる例が多い中で、目線合わせと縦置きの両方に対応する
  • スタンド込みの奥行きが約207.6mmで、奥行き60cm台の机でも背面に余裕を残して置ける

ここは惜しい

  • フルHD 23.8型は1インチあたりの画素密度が約93ppiで、文字を読む作業では27型WQHDより粗く見える。ゲーム専用機と割り切る前提の解像度
  • スピーカーを持たない。音はヘッドホンかスピーカーを別に用意する必要がある
  • USBハブもUSB Type-C入力もない。ノートPC1本接続やケーブル集約には向かない
  • コントラスト比1000:1は、同サイズで1500:1をうたうVA機より暗部が浅く見える可能性がある
  • ブラック&レッドの配色でゲーミング色が強い。落ち着いたデスクに置くと浮きやすい

モニターのHzを実際に使い切れる可能性が、5製品で最も高い構成です。

フルHD 23.8型・180Hz・Fast IPSという、競技系タイトルで長く標準とされてきた仕様を素直に押さえています。解像度を上げないぶん、ミドルレンジのGPUでも180fps前後まで届きやすい。上限を買うのではなく、使い切れる上限を買うという考え方に最も忠実な製品です。

G-SYNC CompatibleとAdaptive Syncの両方に対応しているので、GPUのメーカーを問わずティアリング対策が効きます。スタンドが高さ130mmの昇降・スイベル・ピボットまで動くのも見どころで、ゲーミング機はチルトのみで済ませる例が多い中では例外的です。奥行きが約207.6mmと薄く、奥行き60cm台の机でも背面に余裕が残ります。

2位にしたのは解像度です。フルHD 23.8型は画素密度が約93ppiで、文字を読む作業では27型WQHDより粗く見えます。 ゲーム専用機と割り切れるかどうかが分かれ目です。仕事と兼用するつもりなら、24インチモニターの比較で作業向きの機種と見比べてから決めてください。

スピーカーは非搭載で、USBハブもUSB Type-C入力もありません。コントラスト比1000:1なので、暗いシーンの黒はVA機より浅く見えます。ブラック&レッドの配色は、落ち着いたデスクに置くと浮きやすい部類です。

第3位MSIMAG 27CQ6PF総合評価4.2/5

評価

競技系適性
3.8/5
映像の美しさ
4/5
残像の少なさ
3.8/5
拡張性
3/5
コスパ
4.5/5

ここが良い

  • 公称5000:1のコントラスト比。暗いシーンが多いRPGやホラーで、IPS機の1000:1とは黒の沈み方が明確に違う
  • WQHD 180Hzで、ミドルレンジGPUが現実的に出せるフレームレート帯と噛み合う。240Hz機のように「出せないHz」に払わずに済む
  • 27型×1500Rは60〜70cm程度の一般的な視距離と釣り合いが取りやすい湾曲
  • 高さ130mmまでの昇降とスイベルに対応し、この価格帯としてはスタンドの自由度が高い
  • メーカー3年保証が付く

ここは惜しい

  • 応答速度0.5msは「GTG最小値」という条件付きの表記。VAは階調の組み合わせによって応答が大きく変わり、暗い階調から暗い階調への変化では公称値より遅くなるのが構造上の特性。競技系FPSを主目的にするなら不利
  • オーバードライブを上げると、VAでは特にオーバーシュートによる白い逆残像が出やすい。設定を上げれば速くなるとは限らない
  • USB-C入力も給電もなく、ノートPCを1本のケーブルでつなぐ使い方はできない
  • 入力がHDMIとDisplayPortのみで、USBハブやKVMといった拡張機能を持たない
  • 1500Rでも画面端の直線はわずかに曲がるため、表計算の罫線や図面の水平線が気になる人には向かない

競技系より没入感を優先する人の、価格を抑えた現実解です。

公称5000:1のコントラスト比が中心的な価値です。暗いシーンが多いRPGやホラーで、IPS機の1000:1とは黒の沈み方が明確に違います。WQHD 180Hzという組み合わせも、ミドルレンジGPUが現実的に出せるフレームレート帯と噛み合います。 240Hz機のように「出せないHz」に払わずに済む、という点でこの記事の軸に合った1台です。

27型×1500Rの湾曲は、60〜70cm程度の一般的な視距離と釣り合いが取りやすい曲率です。高さ130mmまでの昇降とスイベルにも対応していて、この価格帯としてはスタンドの自由度が高い部類になります。

3位にしたのは、競技系FPSを主目的にするなら不利だからです。応答速度0.5msは「GTG最小値」という条件付きで、VAは階調の組み合わせによって応答が大きく変わります。暗い階調から暗い階調への変化では公称値より遅くなるのが構造上の特性です。しかもオーバードライブを上げると、VAでは白い逆残像が出やすい。設定を上げれば速くなるとは限りません。

USB-C入力も給電もなく、USBハブやKVMといった拡張機能も持ちません。1500Rでも画面端の直線はわずかに曲がるので、表計算の罫線や図面の水平線が気になる人には向きません。

第4位IODATAGigaCrysta S LCD-GDU271JLAQD総合評価4.2/5

評価

競技系適性
4.2/5
映像の美しさ
5/5
残像の少なさ
4.4/5
拡張性
3.8/5
コスパ
2.5/5

ここが良い

  • Dual Frame Rateで4K180HzとフルHD360Hzを切り替えられる。普段は4Kの精細さ、競技系タイトルでは解像度を落として360Hzという振り分けができ、「GPUが出せるfpsから逆算する」という考え方にハードウェア側で応えている数少ない機種
  • 2304分割のMini LEDバックライトとDisplayHDR 1400認証で暗部の黒が沈む。エッジ型バックライトのHDR対応機とは表現力の段が違う
  • 液晶なので、有機ELのような焼き付きリスクを負わずに高い輝度とコントラストを得られる。HUDやタスクバーを固定表示し続ける使い方でも寿命を気にしなくていい
  • Adobe RGB 100%・DCI-P3 98%・10bit表示で、ゲームだけでなく写真や動画の色確認にも使える色域を持つ
  • 5年保証と1ヶ月の無輝点保証。この価格帯のMini LED機で国内メーカーの5年保証が付く例は多くない

ここは惜しい

  • 価格帯が他の候補と大きく違い、エントリー機の何台分にもなる。予算重視の人の選択肢からは外れる
  • 4K180Hzを使い切るには相応のGPUが要る。4Kで180fpsを安定して出せる構成でなければ、支払ったリフレッシュレートのぶんは体験に反映されない
  • Mini LEDのローカルディミングは、暗い背景に明るい小要素があると周囲が薄く光るハロー(ブルーミング)が原理的に発生する。星空や字幕で気づきやすい
  • USB Type-C入力を持たず、ノートPC1本接続には対応しない。この価格でUSB-C給電がないのは不足に感じやすい
  • 約7.0kgと重く、モニターアームに載せる場合は耐荷重の確認が必要

焼き付きリスクを負わずに、画質の上限を取りに行くという選択肢です。

Dual Frame Rateで4K180HzとフルHD360Hzを切り替えられます。普段は4Kの精細さで遊び、競技系タイトルでは解像度を落として360Hzを取る。「GPUが出せるfpsから逆算する」という考え方に、ハードウェア側で応えている数少ない機種です。この記事の軸から見ると、いちばん筋が通った設計をしています。

2304分割のMini LEDバックライトとDisplayHDR 1400認証で、暗部の黒が沈みます。エッジ型バックライトのHDR対応機とは表現力の段が違う領域です。液晶なのでHUDやタスクバーを固定表示し続けても寿命を気にしなくていいのが、OLEDに対する明確な優位点になります。Adobe RGB 100%・DCI-P3 98%・10bit表示で、写真や動画の色確認にも使える色域を持ちます。5年保証と1ヶ月の無輝点保証も付きます。

4位にしたのは価格です。エントリー機の何台分にもなる価格帯で、予算重視の人の選択肢からは外れます。そして4K180Hzを使い切るには相応のGPUが要ります。4Kで180fpsを安定して出せない構成なら、支払ったリフレッシュレートのぶんは体験に反映されません。

Mini LEDのローカルディミングには、暗い背景に明るい小要素があると周囲が薄く光るハロー(ブルーミング)が原理的に発生します。星空や字幕で気づきやすい現象です。USB Type-C入力を持たない点は、この価格帯では不足に感じやすいところ。約7.0kgと重いので、モニターアームに載せるなら耐荷重の確認が要ります。

第5位MSIMAG 272UP QD-OLED E16総合評価4.1/5

評価

競技系適性
3.9/5
映像の美しさ
4.9/5
残像の少なさ
5/5
拡張性
3.8/5
コスパ
3/5

ここが良い

  • 応答速度0.03msは、液晶のGTG表記が抱える「どの階調間か」「オーバードライブ何段か」という条件差の問題そのものを回避できる水準。設定をいじらずに残像がほぼ出ない
  • 自発光で黒が本当に黒く、暗いシーンのコントラストが液晶と別物。映像作品やRPGでの没入感では液晶に戻りにくくなる
  • オーバードライブの調整が要らないため、逆残像(オーバーシュート)が原理的に発生しない
  • 焼き付きを含む3年保証が付く。OLEDの最大の不安要素にメーカーが期限付きで保証を出している
  • スタンドが高さ・スイベル・ピボットまで動き、VESA 100×100mmでアームにも載せられる

ここは惜しい

  • 165Hz止まりで、240Hz以上のOLEDが選べる中では競技系FPSの最優先候補にはならない
  • 有機ELは長時間同じ画面を表示し続けると焼き付きが起きうる。HUDやタスクバー、配信ソフトのオーバーレイを固定表示する使い方では、保証があってもリスクは残る
  • QD-OLEDのサブピクセル配列の影響で、細い文字の縁に色が付いて見えることがある。文字作業を長時間する人には向き不向きが出る
  • USB-Cの給電が15WしかなくノートPCの充電用には使えない
  • 26.5型で、27型を想定した設置スペースやモニターフードからはわずかに小さい
  • 明るい部屋では液晶のMini LED機ほどのピーク輝度が出ない。日中に照明の入る部屋ではHDRの明るさで不利

応答速度の残像を、設定ではなく原理で消す製品です。

0.03msという値は、液晶のGTG表記が抱える「どの階調間か」「オーバードライブ何段か」という条件差の問題そのものを回避できる水準です。オーバードライブの調整が要らないので、逆残像も構造上発生しません。

自発光で黒が本当に黒く、暗いシーンのコントラストは液晶と別物です。映像作品やRPGでの没入感という一点では、液晶に戻りにくくなる部類の製品になります。焼き付きを含む3年保証が付き、スタンドは高さ・スイベル・ピボットまで動きます。

5位にしたのは、この記事がリフレッシュレートを軸にしているからです。165Hz止まりで、240Hz以上のOLEDも選べる中では競技系FPSの最優先候補になりません。

そして焼き付きです。HUDやタスクバー、配信ソフトのオーバーレイを固定表示する使い方では、保証があってもリスクは残ります。 QD-OLEDのサブピクセル配列の影響で細い文字の縁に色が付いて見えることがあり、文字作業が長い人には向き不向きが出ます。USB-Cの給電は15WでノートPCの充電には使えません。明るい部屋ではMini LED機ほどのピーク輝度が出ないため、日中に照明の入る部屋ではHDRの明るさで不利です。

5製品を横並びで比較する

製品比較表
項目イチオシIODATAGigaCrysta EX-GDQ271UAAOC24G4/11MSIMAG 27CQ6PFIODATAGigaCrysta S LCD-GDU271JLAQDMSIMAG 272UP QD-OLED E16
総合評価4.3/54.2/54.2/54.2/54.1/5
画面サイズ27型ワイド23.8型ワイド(60.5cm)27型27型ワイド26.5型
パネルAHVA(IPS系)ノングレアFast IPS ノングレアRapid VAIPS(量子ドット+Mini LEDバックライト)ノングレアQD-OLED(量子ドット有機EL)
解像度2560×1440(WQHD)1920×1080(フルHD)2560×1440(WQHD)3840×2160(4K UHD)3840×2160(4K UHD)
リフレッシュレート最大275Hz(DisplayPort接続時)/144Hz(HDMI接続時)180Hz180Hz4K時 最大180Hz/フルHD時 最大360Hz(Dual Frame Rate)48〜165Hz
応答速度1ms(GTG、オーバードライブレベル3時)1ms(GTG)/0.5ms(MPRT)0.5ms(GTG最小値)0.5ms(GTG)0.03ms(GTG)
内部遅延約0.05フレーム(メーカー公称)————
輝度350cd/m²300cd/m²300cd/m²450cd/m²(SDR)/ピーク1400cd/m²(HDR)—
コントラスト比1000:11000:15000:11000:1(標準)/最大2,700,000:1(ローカルディミング時)—
HDRHDR10対応HDR10対応HDR対応VESA DisplayHDR 1400認証DisplayHDR True Black 400
映像入力HDMI×2/DisplayPortHDMI 2.0×2/DisplayPort 1.4×1/オーディオ出力×1HDMI 2.0b×2/DisplayPort 1.4×1HDMI 2.1×2/DisplayPort×1HDMI 2.1×2/DisplayPort 1.4a×1/USB-C×1
可変リフレッシュレートAdaptiveSync対応G-SYNC Compatible/Adaptive Sync対応AMD FreeSync対応——
スピーカー搭載(2W+2W)非搭載—5W+5W ステレオ—
スタンド調整チルトのみ(-5°〜+20°)高さ130mm/チルト-3.5°〜+21.5°/スイベル左右各30°/ピボット±91°高さ0〜130mm・チルト・スイベル高さ120mm/チルト/スイベル±25°/ピボット±90°高さ110mm・チルト・スイベル左右30°・ピボット90°
VESA100×100mm100×100mm100×100mm対応100×100mm100×100mm
本体質量約3.9kg(スタンド含む)約4.41kg(スタンド込)/約2.58kg(パネルのみ)—約7.0kg(スタンド含む)—
保証3年(1日18時間までの使用が条件)/購入後1ヶ月の無輝点保証3年メーカー3年保証5年/購入後1ヶ月の無輝点保証焼き付きを含む3年保証
視野角—178°/178°(CR10)———
本体寸法—540.0×207.6×380.6〜493.6mm(幅×奥行×高さ、スタンド込)———
本体色—ブラック&レッド———
曲率——1500R——
アスペクト比——16:9——
USB-C給電——非対応——
ローカルディミング———2304分割—
色域———DCI-P3 98%/Adobe RGB 100%/sRGB 100%、10bit表示—
同期技術———G-SYNC Compatible/VESA AdaptiveSync/HDMI 2.1 VRRG-SYNC Compatible
USB-C————映像入力に対応。給電は15WでノートPCの充電はできない
こんな人に競技系FPSを最優先しつつ、27インチWQHDの作業領域も1台で兼ねたい人。GPUがWQHDで200fps前後を出せる構成の人競技系FPSの標準である24インチ・フルHDに絞り、限られたGPU性能をフレームレートに全振りしたい人競技系より没入感を優先する人。RPGやアクションを暗い部屋で遊ぶ時間が長く、予算は抑えたい人画質を最優先しつつ競技系にも降りられる1台が欲しい人。焼き付きリスクを負わずにHDRの明るさを取りたい人競技系より映像体験を取る人。応答速度の残像を根本から消したい人。焼き付き対策を運用で受け入れられる人
購入先

この選び方が向かない人

  • fpsを測るつもりがない人 — この記事の軸は逆算です。測らずに買うならHzの数字は選定根拠になりません
  • 配信や動画編集が主で、ゲームは従の人 — 色域と輝度の要件が別になります。モニターのおすすめから入るほうが早道です
  • ノートPC1本接続をしたい人 — USB-C映像入力を持つのはMAG 272UP QD-OLED E16だけで、その給電も15Wです
  • 予算が最優先の人 — まず解像度とHzのどちらを諦めるかを決めてください

まとめ

  1. 順序は「タイトル → 解像度 → 実fps → 必要Hz」 — 見るのは最高値ではなく落ち込んだ値
  2. 応答速度は数字より条件を見る — 条件非公開の「1ms」は比較材料にならない
  3. オーバードライブは最大にしない — 逆残像が出ない範囲で一番強い段に置く
  4. 競技系はfps、それ以外は黒 — 同じ「ゲーミング」でも最適解は反対を向く
  5. OLEDの焼き付きはPCモニター用途で最も不利 — 固定表示が多いならMini LED液晶

240Hzという数字を買わないでください。 自分のGPUが出せるfpsを買うほうが、同じ予算で確実に体験が変わります。

よくある質問

240Hzのモニターを買えば、それだけでゲームが滑らかになりますか?
なりません。モニターのHzは「1秒間に何回まで書き換えられるか」という上限で、実際に何回書き換わるかはPCが送るフレーム数で決まります。GPUがそのタイトルで144fpsしか出していなければ、240Hzのモニターでも1秒間に144回しか絵が変わりません。超えたぶんの96Hzには効果がありません。先に自分のPCでそのゲームが何fps出ているかを測り、その数字に見合うHzを買うのが順序です。
自分のGPUが何fps出ているか、どうやって調べますか?
まず今のモニターで、遊ぶタイトルを実際の設定のまま起動してフレームレートを表示させます。Windowsのゲームバー、GPUメーカーのユーティリティ、ゲーム内蔵のfps表示のいずれでも構いません。見るべきは最高値ではなく、乱戦や広い場所で落ち込んだときの数字です。その落ち込んだ値が実質的な体験の下限になります。買い替えで解像度を上げる予定があるなら、その解像度ではさらに下がることも見込んでください。
応答速度は1msと0.5msで体感が変わりますか?
数字だけでは比べられません。液晶の「○ms(GTG)」はどの階調からどの階調への変化を、オーバードライブを何段に設定して測ったかで大きく変わり、その条件を公開していないメーカーもあるためです。条件を書いている機種どうしでなければ横並びの比較は成立しません。数字の小ささより、条件が明示されているか、そして自分が実際に使う設定での挙動のほうが重要です。
オーバードライブは最大にしたほうがいいですか?
多くの場合、最大は避けたほうが無難です。オーバードライブは画素を目標の色より行き過ぎさせて切り替えを速く見せる仕組みなので、強くかけすぎると行き過ぎたぶんが明るい尾を引きます。これが逆残像(オーバーシュート)で、とくにVAパネルで目立ちやすい現象です。中間段から試して、逆残像が見えない範囲で一番強い設定に落ち着かせるのが実用的な手順になります。
有機ELゲーミングモニターの焼き付きは、実際どのくらい心配すべきですか?
PCモニターとしての使い方が、焼き付きにとって最も不利な条件だと理解しておいてください。ゲームのHUD、Windowsのタスクバー、配信ソフトのオーバーレイは、位置も明るさも変わらないまま長時間表示され続けます。メーカーはピクセルシフトやパネルリフレッシュといった対策機能を載せ、焼き付きを含む保証を付けている機種もありますが、リスクがゼロになるわけではありません。同じ画面を出し続ける使い方が中心なら、Mini LEDの液晶を選ぶほうが気楽です。

この記事を書いた人

midori

PC周辺機器の仕様と売れ筋データを読み比べて、用途別の選び方に落とし込んでいます。実機を入手した製品は、記事にその旨を明記しています。

  • メーカー公表値と売れ筋データを突き合わせて比較
  • 欠点を長所と同じ密度で書く

運営者情報とレビュー方針を見る

あわせて読みたい

  • ランキングモニター

    WQHD 27インチモニターのおすすめ

    1位★ 4.6

    S2725DC

    WQHD 27インチモニターのおすすめを、実際に売れている4製品で比較しました。4Kと違ってスケーリングなしの等倍で使えることが、作業用途でWQHDを選ぶ最大の理由です。

    4製品を比較

  • ランキングモニター

    4Kモニターのおすすめランキング

    1位★ 4.4

    S2725QC

    4Kモニターのおすすめを、実際に売れている27インチ中心の5製品でランキングにしました。4Kはスケーリング前提になる点をどう受け止めるかが分かれ目で、パネル・USB-C給電・スタンド調整の3点で順位付けしています。

    5製品を比較

  • ランキングモニター

    モニターのおすすめと失敗しない選び方

    1位★ 4.6

    S2725DC

    モニターのおすすめを、机の奥行きで決まるサイズ・解像度・接続の順に絞り込む手順で整理しました。1万円台のフルHDから10万円超のウルトラワイドまで、価格帯を横断した5製品を用途別に比較しています。

    5製品を比較

  • ランキングモニター

    湾曲モニターのおすすめと曲率の選び方

    1位★ 4.5

    S3425DW

    湾曲モニターのおすすめを、曲率は視距離で選ぶという軸で5製品比較しました。1000Rが1800Rより優れているわけではありません。直線が歪む・壁際に寄せにくいという弱点も含めて整理しています。

    5製品を比較

モニターの記事をもっと読む

作業効率が変わる解像度・サイズ・接続まわりの検証

モニターの記事一覧へ