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キーキャップの素材はPBTとABSどちらを選ぶか

公開日

結論から書きます。長く同じ見た目を保ちたいならPBT、見た目の選択肢を取るならABSです。

ABSがテカるのは安物だからではありません。ABSは樹脂そのものが柔らかく、指の皮脂と摩擦で表面が磨かれるからです。価格を上げても、ABSである限り同じ現象が起きます。ここを取り違えると「高いABSを買ったのにテカった」で終わります。

まず確認するのは軸の互換。ここで大半が決まる

素材の話より先に、通らなければならない関門があります。手持ちのキーボードのスイッチが、Cherry MX互換かどうかです。

確認は簡単です。キーキャップを1つ外して、スイッチから出ている突起の形を見てください。

  • 十字(+)の突起 → Cherry MX互換。市販セットの大半が使えます
  • 円筒形の突起 → 静電容量無接点。REALFORCEやHHKBがこれで、MX互換のキャップは挿さりません
  • 十字だが背が低い → ロープロファイル軸。十字でも寸法が別物で、通常のMX互換セットは使えません

この記事で挙げる5製品は、すべてMX互換専用です。ARCHISSの製品はメーカーが「MX Low Profileには非対応」と明記しています。同じ十字でもロープロファイルは別物という点は、仕様表を読み飛ばすと引っかかります。

外し方や必要な工具はキーキャップ交換の始め方に手順としてまとめました。素材を決める前に、まずここを済ませてください。買ってから挿さらないと分かるのが、この分野で最も多い失敗です。

なお、キーキャップの交換にホットスワップ対応は関係ありません。ホットスワップはスイッチを工具なしで差し替えられる機能で、キーキャップは非対応機でも引き抜くだけで交換できます。スイッチ側を替えたい場合はキーボードの軸の選び方が別の話になります。

ABSがテカるのは、安いからではない

ここがこの記事の中心です。

新品のキーキャップの表面には、目に見えない微細な凹凸が付けられています。この凹凸が光を散らすので、表面はマットに見えます。指が触れ続けると、皮脂と摩擦でこの凹凸が少しずつ潰れ、平らになった面が光を鏡のように反射するようになります。これがテカりの正体です。

ABSはこの現象が早く進みます。理由は価格ではなく、樹脂が相対的に柔らかいことです。PBTは硬度とガラス転移点が高く、同じ回数こすられても表面が潰れにくい。つまりテカりにくさは素材そのものの性質であって、同じABSなら高価な製品でも遅かれ早かれ同じ道をたどります。

厄介なのは、テカりが均一に進まないことです。よく押すキーから先に光ります。ホームポジションの周辺、Enter、スペースバー、Ctrlあたりが先にテカり、あまり使わないファンクション行はマットなまま残ります。結果として、キーボード全体に光沢のムラが出ます。

そしてテカった面は元に戻りません。 研磨剤で磨けば一時的に均せますが、それは表面をさらに削る行為なので、印字が表層処理なら文字ごと消えます。ABSを選ぶなら、消耗品として何年かに一度買い替える前提を持っておくのが現実的です。

PBTが万能というわけでもない

ではPBTだけを選べばいいかというと、そうはなりません。PBTは成型時の収縮が大きく、金型どおりの形を出すのが難しい樹脂です。大きなキーで反りが出やすく、色の再現性でも不利になります。

だからPBTのセットは、落ち着いたマット系の配色に寄ります。逆にABSは成型しやすく発色も良いので、派手な配色や凝った形のセットはABS側に集まります。

整理すると、次のトレードオフです。

PBT ABS
テカりにくさ 高い(表面が硬い) 低い(数か月から1年で光る)
色・形の自由度 低い。落ち着いた配色に寄る 高い。派手な配色や特殊形状が多い
打鍵音の傾向 低め・硬質 軽め・高め
価格帯 高め 抑えやすい

見た目の選択肢が広いのはABS、長く同じ見え方を保つのはPBT。 どちらが上ということはなく、何を優先するかの選択です。

印字方式で「文字が消えるかどうか」が決まる

素材と並んで、買ってから後悔しやすいのが印字方式です。同じPBTでも、印字が表層処理なら文字は消えます。

耐久性は大きく3段階に分かれます。

印字方式 耐久 色数 バックライト
レーザー刻印・パッド印刷 摩耗で消える 制約なし 製品による
二色成型(ダブルショット) 原理的に消えない 2色まで 透過させられる
昇華印刷(ダイサブ) 剥がれ落ちない 多色 透過しない

レーザー刻印とパッド印刷は表層に文字を載せる処理なので、指が当たるキーから順に薄くなります。安価なセットに多い方式で、よく押すキーだけ文字が飛ぶという見た目のムラも出ます。

二色成型(ダブルショット)は、キャップ自体を2色の樹脂で成型する方式です。文字の部分が別の樹脂として最初から埋まっているので、表面が削れても文字は残ります。文字側に半透明の樹脂を使えば、バックライトを文字から抜けさせられます。代わりに色は2色までです。

昇華印刷(ダイサブ)は、染料を熱で樹脂の内部に浸透させる方式です。こすっても剥がれず、多色のデザインを載せられます。ただし染料を染み込ませる仕組み上、濃い下地に薄い文字は載せられません。 黒地に白文字のセットが昇華にほぼ存在しないのはこのためです。バックライトも透過しません。

つまり、キーボードを光らせたいなら二色成型の一択になります。この記事の5製品ではHyperXだけが透過に対応し、GRAPHTとAkkoは昇華なので非透過です。Keychronは二色成型ですが不透明樹脂の組み合わせなので、こちらも文字は光りません。

厚み1.5mmとプロファイルが、音と指の当たりを変える

素材と印字が決まったら、残るのは形の話です。

厚み

キーキャップの肉厚は打鍵音に効きます。厚いほど内部の空洞が小さくなり、音が低く硬質な方向に寄ります。薄いと軽く高い音になります。

数値を公称している製品は多くありません。この5製品ではARCHISSだけが厚み1.5mmを明記しており、標準的なキーキャップより約0.5mm厚いとしています。他社製品の肉厚は公表されていないので、比較するなら実物を持ってみるしかありません。

ただし、素材や厚みを替えても劇的に静かになるわけではありません。 打鍵音を決めているのはキャップの肉厚だけでなく、筐体の構造、内部の吸音材、スイッチの種類、そして机との接地面です。音そのものを下げたいならキーボードの打鍵音を抑える方法を先に読んでください。キーキャップは音の「質」を変えますが、音量を大きく下げる手段ではありません。

プロファイル

プロファイルは、キーの高さと形の規格です。よく見るのは次の3つです。

  • OEM — 最も一般的。行ごとに高さと角度が付き、やや背が高い。多くの完成品キーボードの標準
  • Cherry — OEMより一段低い。行ごとの角度は付いており、背の高さを抑えたい人に向く
  • DSA — 全行が同じ高さで、トップが球面。行の高さ差がないので、指が段差を頼りに位置を覚えている人ほど違和感が出る

この記事の製品では、KeychronのOSAとAkkoのMOGが独自プロファイルです。OSAはOEM相当の高さで球面トップという組み合わせなので、OEMから乗り換えたときの落差が小さい。MOGは角を丸く落とした形状で、指の側面が当たるキーの縁が柔らかく感じられます。

プロファイルを変えると打鍵の感覚が変わります。 素材だけを見て選ぶと、挿さったのに指が慣れない、という結果になります。今使っているキーボードのプロファイルが分からない場合は、OEM相当を選ぶのが無難です。

日本語配列とバックライトで、選べる範囲はさらに狭くなる

素材・印字・形を決めても、日本語配列を使っているなら最後の壁が残ります。

海外で流通するキーキャップセットの多くは英語配列(ANSI)前提で設計されています。日本語配列には変換・無変換・かな・半角全角という専用キーがあり、Enterの形もスペースバーの長さも違います。これらを網羅するには金型を追加する必要があるので、デザイン性の高いセットほどJIS版が用意されません。

この記事の5製品でも、はっきり差が出ます。

  • JISフル対応 — Keychron(145キー)、HyperX(108キー)、Team GRAPHT(JIS・US両対応の158キー)
  • JISキーが揃わない — Akko(ANSI主体)

Akkoは見た目の選択肢という点ではこの5製品で最も広いのですが、日本語配列では組み切れません。「見た目の自由度が高いのは英語配列側」という現実が、ABSとPBTの話とは別軸で存在します。

そしてバックライト。光らせたい人は前述のとおり二色成型かつ透過対応が必要で、選択肢は一気に狭まります。素材・印字・配列・バックライトの4条件を全部満たそうとすると、候補はほぼ残りません。 どれかを捨てる前提で選んでください。

キーボード本体から見直す場合はメカニカルキーボードのおすすめも併せてどうぞ。最初からPBTキャップを採用している機種を選べば、交換の手間自体が消えます。

素材と用途で選ぶキーキャップ5製品

評価は「テカりにくさ/印字の耐久/日本語配列の対応/見た目の選択肢/導入しやすさ」の5軸・5点満点で統一しています。総合評価は平均ではなく、人に勧めるときの優先度を反映した編集判断の点数です。

キーキャップ5製品の比較
項目イチオシKeychronDouble Shot PBT OSAキーキャップ・フルセット(JISレイアウト用)HyperXABSプディングキーキャップ フルキーセット 日本語配列Team GRAPHTDesigner Keycaps(158キー)AkkoBun Wonderland キーキャップセット(138キー)ARCHISSPBTカラーアクセサリーキーキャップ 黄Ctrl/赤Alt AS-CKPBS05N
総合評価4.5/54.2/54.3/54.1/53.9/5
素材PBTABSPBTPBTPBT
印字方式ダブルショット(二色成型)二色成型(上層カラー+下層半透明の2層)昇華印刷(染料昇華)5面ダイサブ(昇華)印刷昇華印字
プロファイルOSA(OEM相当の高さで球面トップ)OEMOEMMOG(丸みのある独自プロファイル)—
キー数145キー108キー158キー138キー4個(Ctrl×2・Alt×2)
対応軸MX互換(Cherry・Gateron など)MX互換(標準ボトムロウ)Cherry MX互換MX互換(Cherry・Gateron・Akko・Kailh など)CHERRY MXスイッチ(MX Low Profileは非対応)
対応配列日本語配列(JIS)日本語配列(JIS)日本語配列・英語配列の両対応英語配列(ANSI)中心—
バックライト透過非透過透過(下層が半透明)———
カラーGray and Light Blue(型番 PBT73-JIS)—マットブラック(型番 GRT045-DKC-BK)——
付属品—キーキャッププラー1個———
保証—2年———
スペースバー——4.25U・4.5Uの2種類を同梱——
対応サイズ———60%・65%・75%・TKL・96%・フルサイズ—
厚み————1.5mm
表面仕上げ————微細マット処理
対応キーボード————Maestro・Quattro・ProgresTouch Retro など CHERRY MX採用キーボード
こんな人に日本語配列のメカニカルキーボードを、印字が消えずテカりにくい状態で長く使いたい人バックライトを文字とサイドから光らせたい、見た目優先で日本語配列を組みたい人手持ちのキーボードの配列がJISかUSか、スペースバー長がどれか確定していない人英語配列で、テカりにくさを保ったまま見た目を大きく変えたい人フルセットを買う前に、MX互換かどうかとPBTの厚みを4個だけで確かめたい人
購入先

日本語配列でテカりも印字消えも避けるなら Keychron Double Shot PBT OSA

Keychron

Double Shot PBT OSAキーキャップ・フルセット(JISレイアウト用)

総合評価4.5/5

評価

テカりにくさ
4.8/5
印字の耐久
4.8/5
日本語配列の対応
5/5
見た目の選択肢
3.5/5
導入しやすさ
4.2/5

こんな人に日本語配列のメカニカルキーボードを、印字が消えずテカりにくい状態で長く使いたい人

PBT+二色成型+JIS対応という、この記事で説明してきた条件を最も高い水準で満たす組み合わせです。素材が硬くて磨かれにくく、印字は樹脂そのものが2色なので摩耗で消える経路が構造的にありません。

145キー入っているので、JIS特有の変換・無変換・かなまで含めて足りないキーが出にくい。OSAプロファイルはOEM相当の高さに球面トップを組み合わせた形なので、標準的なキーボードから乗り換えたときの違和感も小さめです。

ここが良い

  • 日本語配列のフルセットとしては数少ない、樹脂そのものを二色成型した印字。摩耗で文字が薄くなる経路が構造的に存在しない
  • PBTは表面が硬く皮脂で磨かれにくいため、ABSで起きる「数か月でテカる」現象が起きにくい
  • JIS特有の変換・無変換・かなキーまで含めて145キー入っており、日本語配列で足りないキーが出にくい
  • OSAプロファイルは球面トップで指の腹が収まりやすく、行ごとの高さもOEM相当なので違和感が小さい

ここは惜しい

  • 二色成型は下地の色が透けないぶんバックライトが文字から抜けない。光る配列を見せたい用途には向かない
  • カラーバリエーションが少なく、ABS系の派手なセットに比べて見た目の自由度は低い
  • 対応はMX互換の通常プロファイル軸のみ。ロープロファイル軸や静電容量無接点(REALFORCE・HHKB)には挿さらない
  • 145キー入るぶん単価は上がり、一部のキーは使わずに余る

弱点は見た目とバックライトです。二色成型でも不透明樹脂の組み合わせなので文字は光りません。 カラーの選択肢も少なく、派手なセットを探している人には物足りない。145キー入るぶん単価も上がり、使わないキーが余ります。

光らせたいならABSしかない HyperX ABSプディング

HyperX

ABSプディングキーキャップ フルキーセット 日本語配列

総合評価4.2/5

評価

テカりにくさ
2.5/5
印字の耐久
4.5/5
日本語配列の対応
4.8/5
見た目の選択肢
4/5
導入しやすさ
4.6/5

こんな人にバックライトを文字とサイドから光らせたい、見た目優先で日本語配列を組みたい人

下半分が半透明の2層構造で、RGBがキーの側面からも回り込みます。光らせる前提なら、この5製品で見え方の差が最も大きい製品です。印字も二色成型なので、レーザー刻印のように文字だけ先に消えることはありません。

日本語配列108キーがそのまま揃い、メーカー公式ストアで買えて2年保証が付きます。引き抜き工具まで同梱されているので、他に何も買わずに交換に入れます。

ここが良い

  • 下半分が半透明の2層構造で、RGBがキーの側面からも回り込む。光らせる前提なら見え方の差が最も大きい
  • 印字自体は二色成型なので、レーザー刻印のように文字だけ先に消えることがない
  • 日本語配列108キーがそのまま揃い、メーカー公式ストアで買えるうえ2年保証が付く
  • 引き抜き工具が同梱されており、別途プラーを買わずに交換に取りかかれる

ここは惜しい

  • ABSは樹脂が柔らかく、指が当たる面が皮脂で磨かれて数か月から1年でテカりが出やすい。これは価格ではなく素材由来の性質
  • PBTに比べて肉厚が薄い個体が多く、打鍵音が軽く高くなりやすい
  • テカった面は元に戻らないため、見た目を保ちたいなら消耗品として買い替える前提になる
  • 標準ボトムロウ前提。スペースバー周りが特殊なキーボードでは一部が合わない

ただしABSなのでテカります。 これは価格の問題ではなく素材の性質で、指が当たる面から順に光沢が出ます。肉厚も薄めなので打鍵音は軽く高い方向に寄ります。テカった面は戻らないため、見た目を保つなら消耗品として買い替える前提で選んでください。光らせないなら、この製品を選ぶ理由の大半は消えます。

配列が確定していないなら Team GRAPHT Designer Keycaps

Team GRAPHT

Designer Keycaps(158キー)

総合評価4.3/5

評価

テカりにくさ
4.6/5
印字の耐久
4.3/5
日本語配列の対応
4.5/5
見た目の選択肢
3.8/5
導入しやすさ
4.4/5

こんな人に手持ちのキーボードの配列がJISかUSか、スペースバー長がどれか確定していない人

JIS用とUS用のキーを両方同梱し、スペースバーも4.25Uと4.5Uの2本入る構成です。手持ちのキーボードの配列やスペースバー長を把握していない段階でも、これなら足りないキーで詰む可能性が最も低い。

PBTの昇華印刷なので、テカりにくさと印字の耐久を両立しています。マット仕上げで指が空転しにくいのも実用的です。国内ブランドで、対応キーボードの一覧をメーカーがサポート情報として公開しています。

ここが良い

  • JIS用とUS用のキーを両方同梱し、スペースバーも4.25Uと4.5Uの2本入る。配列違いで詰むリスクが最も小さい
  • 昇華印刷は染料を樹脂内部に染み込ませるため、こすっても印字が剥がれ落ちない
  • PBTのマット仕上げで、指が滑って空転する感じが出にくい
  • 国内ブランドで、対応キーボードの一覧をメーカーがサポート情報として公開している

ここは惜しい

  • 昇華印刷は濃い色の下地に薄い文字を載せられない。マット系の落ち着いた配色に選択肢が寄る
  • バックライトは文字を透過しないので、暗所でキーを目視したい用途には向かない
  • 158キー入るぶん箱が大きく、実際には半分近くが予備キーとして余る
  • Cherry MX互換専用。ロープロファイル軸や静電容量無接点では使えない

昇華印刷の制約はそのまま出ます。濃い下地に薄い文字を載せられないので配色はマット系に寄り、バックライトは透過しません。158キー入るぶん箱は大きく、半分近くが予備として余ります。Cherry MX互換専用で、ロープロファイル軸や静電容量無接点では使えません。

英語配列で見た目を変えるなら Akko Bun Wonderland

Akko

Bun Wonderland キーキャップセット(138キー)

総合評価4.1/5

評価

テカりにくさ
4.5/5
印字の耐久
4.4/5
日本語配列の対応
2/5
見た目の選択肢
5/5
導入しやすさ
3.5/5

こんな人に英語配列で、テカりにくさを保ったまま見た目を大きく変えたい人

PBTのまま5面昇華で色を載せているセットです。デザイン重視のキャップはABSに寄りがちですが、この製品はPBTなのでテカりにも強い。「見た目を大きく変えたいがテカらせたくない」という要求に、正面から答えられる数少ない選択肢です。

MOGプロファイルは角が丸く落とされていて、指の側面が当たるキーの縁の当たりが柔らかい。60%からフルサイズまでのキーが1セットに入っているので、複数台で使い回せます。

ここが良い

  • PBTのまま5面昇華で色を載せているので、デザイン重視のセットとしては珍しくテカりにも強い
  • MOGプロファイルは角が丸く落とされており、指の側面が当たるキーの縁の当たりが柔らかい
  • 60%からフルサイズまでのキーが1セットに入っていて、複数台で使い回しやすい
  • 国内正規品として流通しており、初期不良時の窓口が国内にある

ここは惜しい

  • 英語配列(ANSI)主体で、変換・無変換・かなを含む日本語配列のキーは揃わない
  • MOGは独自プロファイルなので、行ごとの高さや形が今使っているキーキャップと変わる。慣れが必要
  • 装飾キーが多く、実際に組むと使わないキーがかなり余る
  • バックライト非透過。光る前提のキーボードでは印字が暗所で読めなくなる

最大の制約は配列です。ANSI主体で、変換・無変換・かなを含むJISキーは揃いません。 日本語配列のキーボードでは組み切れないので、ここで候補から外れる人が多いはずです。MOGは独自プロファイルなので行ごとの高さや形も変わり、慣れが要ります。バックライトも非透過です。

まず4個で試すなら ARCHISS PBTカラーアクセサリーキーキャップ

ARCHISS

PBTカラーアクセサリーキーキャップ 黄Ctrl/赤Alt AS-CKPBS05N

総合評価3.9/5

評価

テカりにくさ
4.6/5
印字の耐久
4.3/5
日本語配列の対応
3.5/5
見た目の選択肢
2.5/5
導入しやすさ
4.8/5

こんな人にフルセットを買う前に、MX互換かどうかとPBTの厚みを4個だけで確かめたい人

フルセットを買う前の確認用として合理的な製品です。Ctrl×2とAlt×2の4個だけなので、軸がMX互換かどうかと、PBTの厚みの手応えを最小コストで確かめられます。

厚み1.5mmを公称しており、標準的なキーキャップより約0.5mm厚い。1キーだけ交換して他のキーと押し比べれば、厚みが打鍵にどう効くかを自分の環境で確認できます。昇華印字のPBTなので、常時押すCtrl・Altに使ってもテカりと印字消えの両方に強い。

ここが良い

  • 4個だけなので、軸がMX互換かどうかとPBTの厚みの手応えを最小コストで確認できる
  • 厚み1.5mmを公称しており、標準的なキーキャップより約0.5mm厚い。打鍵音の変化を1キーで比べられる
  • 昇華印字のPBTで、常時押すCtrl・Altに使ってもテカりと印字消えの両方に強い
  • 国内メーカー品で、家電量販店の公式ストアから購入できる

ここは惜しい

  • フルセットではないため、これ単体でキーボード全体の見た目や打鍵音は変わらない
  • 色はCtrlが黄・Altが赤の固定で、既存のキーボードの配色と合わないことがある
  • CHERRY MX Low Profileスイッチには挿さらない。ロープロファイル機では使えない
  • 1.5mm厚のぶん他のキーとわずかに高さ・音が変わるため、統一感を求めるなら結局フルセットが必要になる

当然ながら、これ単体ではキーボード全体の見た目も打鍵音も変わりません。色はCtrlが黄・Altが赤の固定で、既存の配色と合わないこともあります。MX Low Profileには挿さりません。統一感を求めるなら結局フルセットが必要になるので、あくまで試金石という位置づけです。

まとめ

  1. 軸の互換を先に確認する — 十字ならMX互換、円筒形なら市販セットは挿さらない。ロープロファイルも別物
  2. ABSのテカりは価格ではなく素材の性質 — 柔らかい樹脂の表面が皮脂で磨かれて平滑化する。高価なABSでも起きる
  3. 長く同じ見え方を保つならPBT、色と形の自由度ならABS — どちらが上ではなく、何を捨てるかの選択
  4. 印字はレーザー刻印を避ける — 二色成型か昇華なら、摩耗で文字が消える経路がない
  5. 光らせたいなら二色成型の透過タイプ — 昇華は多色にできる代わりに文字が光らない
  6. 日本語配列は最後の壁 — デザイン性の高いセットほどJIS版がない。JIS・US両対応のセットが保険になる

素材だけで選ばないでください。 テカりにくさを取るとデザインが狭まり、光らせたいならABSに戻る。この記事の5製品を並べても、4条件すべてを満たすものはありません。どれを捨てるかを決めてから買うのが、最も後悔の少ない進め方です。

よくある質問

ABSのキーキャップは高いものを選べばテカりませんか?
テカります。ABSのテカりは価格ではなく樹脂の性質に由来するためです。ABSは相対的に柔らかい樹脂で、表面に付けられた微細な凹凸が指の皮脂と摩擦で少しずつ潰れ、平らになった面が光を鏡のように反射します。これが「テカり」の正体です。高価なABSセットは肉厚や成型精度で有利になりますが、表面が磨かれる現象そのものは同じように起きます。テカりを避けたいなら、価格ではなくPBTという素材を選ぶ方向で考えてください。
PBTとABSで打鍵音はどれくらい変わりますか?
一般に、厚みのあるPBTのほうが低く硬質な音になり、肉厚の薄いABSは軽く高い音になりやすいと言われます。ただし音を決めているのは素材だけではなく、キャップの肉厚、キーボードの筐体の構造、内部の吸音材、スイッチの種類が複合的に効いています。素材を替えただけで劇的に静かになるわけではありません。打鍵音そのものを下げたいなら、キーキャップより先に静音スイッチや吸音材、設置面の見直しのほうが効きます。
レーザー刻印のキーキャップは避けたほうがいいですか?
長く同じ見た目で使いたいなら避けてください。レーザー刻印やパッド印刷は表層に文字を載せる処理なので、指が当たり続けるキーから順に文字が薄くなり、最後は消えます。よく押すキーだけ印字が飛ぶため、見た目のムラも出ます。これに対して二色成型は樹脂そのものが2色で成型されており、昇華印刷は染料が樹脂の内部まで浸透しています。どちらも摩耗で文字が消える経路が構造的に存在しません。
手持ちのキーボードに挿さるかどうかは、どこで判断できますか?
スイッチの軸の形を見てください。キーキャップを1つ外して、下から出ている突起が十字(+)ならCherry MX互換で、市販セットの大半が使えます。円筒形ならREALFORCEやHHKBの静電容量無接点で、MX互換のキャップは挿さりません。またロープロファイル軸は十字でも高さと寸法が別物なので、通常のMX互換セットは使えません。ここを確認せずに買うのが最も多い失敗です。
日本語配列だと選べるセットが少ないのはなぜですか?
海外で流通するキーキャップセットの多くが英語配列(ANSI)を前提に設計されているためです。日本語配列には変換・無変換・かな・半角全角といった専用キーがあり、Enterの形やスペースバーの長さも異なります。これらを網羅するには金型を追加する必要があるので、デザイン性の高いセットほどJIS版が用意されません。日本語配列で組むなら、JIS対応をうたうセットか、JISとUSのキーを両方同梱するセットを選ぶのが現実的です。

この記事を書いた人

midori

PC周辺機器の仕様と売れ筋データを読み比べて、用途別の選び方に落とし込んでいます。実機を入手した製品は、記事にその旨を明記しています。

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  • 欠点を長所と同じ密度で書く

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