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キーボードの打鍵音がうるさいときの対策

公開日

結論から書きます。まずデスクマットを敷いてください。 1分で終わり、分解も不要で、効果が体感できます。それで足りなければ静音リング、さらに足りなければスイッチ交換、という順序です。

この記事はいま持っているキーボードを静かにする話です。買い替えを検討している場合は静音キーボードを4軸で順位付けした記事のほうが早いです。

まず、どこが鳴っているか特定する

対策を選ぶ前に音源を切り分けます。同じ「うるさい」でも、原因が4つあって対策がまったく違うからです。

1. 底打ち音 — キーを最下点まで押し込んだときの「ドン」という低い音。強く打つ人ほど大きくなります。指を離さずゆっくり押し込んで、底に当たった瞬間だけ音がするならこれです。

2. 戻り音 — 指を離したときの「カチャ」という高い音。キーを押してから離す動作だけを繰り返して、離した瞬間に鳴るならこれです。

3. スタビライザーの音 — スペース、エンター、シフト、バックスペースだけ音が違うならこれです。長いキーに入っている支持機構のガタつきで、金属的な「シャリシャリ」した音が混ざります。

4. 机への反響 — キーボードを持ち上げて、宙に浮かせた状態で打ってみてください。音が明らかに小さくなるなら、机の天板が鳴っています。

段階1:無料でできること

デスクマットを敷く(実質これが最優先)

厳密には無料ではありませんが、最も費用対効果が高いのでここに置きます。キーボードの底面と天板が直接接していると、打鍵の振動が天板に伝わって反響が増えます。マットを1枚挟むだけでこの経路が切れます。

厚みのぶんキーボードがわずかに高くなるので、手首の角度が変わります。もともと手首が反り気味だった人は、パームレストの併用も検討してください。

キーボードの角度を寝かせる

裏面のスタンドを立てている人は、一度畳んでみてください。角度が付いていると接地面積が減り、点で支えることになって振動が集中します。 平置きのほうが静かになることがあります。

打ちやすさとのトレードオフなので、両方試して判断してください。

打ち方を変える

底打ちしない打ち方に移行できれば、音源そのものが減ります。メカニカルのリニア軸も静電容量無接点も、底まで押し込まなくても入力は確定します。

これは数日で身につくものではなく、意識して打つ期間が要ります。ただし費用はゼロで、音だけでなく指の疲労も同時に減ります。

マイクの位置を変える

オンライン会議が目的なら、これがいちばん効くことがあります。ノートPC内蔵マイクは本体の振動を直接拾うため、どんなキーボードを使っても音が乗ります。

外付けマイクを口元に近づけるだけで、キーボードを静音化するより効果が出るケースは珍しくありません。目的が「会議で指摘されないこと」なら、まずここを疑ってください。

段階2:数百円〜数千円でできること

静音リング(Oリング)

キーキャップの裏側にゴムのリングを嵌めて、底打ちの衝撃を受け止めます。底打ち音に直接効きます。

分解が不要なので保証に影響せず、合わなければ外して元に戻せるのが利点です。キーキャッププラーで外して嵌めるだけで、全キーでも30〜60分程度です。

注意点は2つ。戻り音とスタビライザーの音には効きません。 そしてストロークがわずかに浅くなり、打鍵感が確実に変わります。 カチッとした底打ち感が好きな人には物足りなく感じるはずです。

厚みの違う製品があるので、効果を優先するなら厚め、打鍵感を保ちたいなら薄めを選んでください。

スタビライザーに潤滑剤を塗る

スペースキーだけ音が違う場合の対策です。長いキーに入っている支持機構が擦れて金属音を出しているので、そこに潤滑剤を塗ります。

キーキャップを外して部品を扱う作業になるので、他の対策よりハードルは上がります。ただしスペースキーは打鍵回数が多く、ここが静かになると体感はかなり変わります。

自信がなければ、この工程は飛ばして構いません。次の段階のほうが効果は大きいです。

段階3:スイッチを交換する

ホットスワップ対応のキーボードを持っているなら、これが最も効果の大きい対策です。

静音軸は戻り音と底打ち音の両方に効きます。はんだ付けなしで差し替えられ、元にも戻せます。全87キーで30分程度の作業です。

自分のキーボードがホットスワップ対応かどうかは、キーキャップを外してスイッチが抜けるか見れば分かります。対応機の代表例はKeychron K8 Proのレビューに書きました。

非対応機の場合ははんだ付けが必要になり、失敗のリスクが跳ね上がります。この場合は次の判断に進んでください。

どこまでやれば足りるか

正直に書いておきます。対策を全部やっても、静電容量無接点の静音モデルには勝てません。

メカニカルは構造上、底打ちの衝撃が筐体に伝わって反響します。静音軸と静音リングと吸音材をすべて足しても、この差は残ります。対策済みのメカニカルと、静電容量無接点の静音モデルを並べて打つと、まだはっきり分かる差があります。

ただし**「うるさくて使えない」から「気にならない」までは十分に到達できます。** そこで足りるなら、買い替えるより安く済みます。

判断基準はシンプルです。

  • 段階1と2で足りた → それで完了。追加投資は不要です
  • 足りないが、打鍵感は諦めたくない → 段階3のスイッチ交換まで進む
  • 静かさが最優先で、打鍵感は二の次 → 買い替えたほうが早い

3つ目に当てはまるなら、方式ごと変えるのが結局いちばん近道です。選択肢は静音キーボードを4軸で順位付けした記事に、方式そのものの性格はメカニカルキーボードを4軸で順位付けした記事にまとめています。

まとめ

順序は次のとおりです。

  1. キーボードを持ち上げて空中で打つ — 音が変わるなら机が鳴っています
  2. デスクマットを敷く — 1分で終わり、効果が大きい
  3. スタンドを畳んで平置きにしてみる — 無料で試せます
  4. 静音リングを付ける — 数百円、分解不要、元に戻せる
  5. ホットスワップ機なら静音軸に交換 — ここまでで効果は最大
  6. それでも足りなければ買い替えを検討 — 対策には構造上の限界があります

上から順にやってください。 いきなりスイッチを買っても、原因が机への反響だった場合は効果が出ません。切り分けを先にやるほうが、結果的に安く済みます。

よくある質問

いちばん効果が大きい対策はどれですか?
ホットスワップ対応機なら静音スイッチへの交換、非対応機ならデスクマットと静音リングの組み合わせです。ただし費用対効果でいえばデスクマットが最初です。1分で終わり、分解も不要で、机に振動が伝わる経路を断てます。まずこれを試して、それでも足りない場合に静音リングやスイッチ交換へ進んでください。順序を守ると、無駄な出費が減ります。
静音リングを付けると打鍵感は変わりますか?
変わります。キーが底に当たる直前でゴムが受け止めるので、ストロークがわずかに浅くなり、底打ちの感触が柔らかくなります。カチッとした底打ち感が好きな人には物足りなく感じるはずです。ただし外せば元に戻るので、合わなければやめられます。厚みの違う製品があるので、効果を強くしたいなら厚め、打鍵感を保ちたいなら薄めを選んでください。
スペースキーだけ音が違うのはなぜですか?
長いキーには「スタビライザー」という支持機構が入っており、この部品のガタつきが金属的な音を出しているためです。スペース、エンター、シフト、バックスペースが該当します。静音リングを付けてもこの音は消えません。対策はスタビライザーへの潤滑剤の塗布ですが、キーキャップを外して部品を扱う作業になるので、慣れていない人にはハードルがあります。
分解して吸音材を入れる改造はやるべきですか?
効果は大きいですが、メーカー保証の対象外になります。またネジを開けて基板を扱うため、静電気や配線の断線といったリスクもあります。保証期間中の製品や、失敗したら困る1台では勧めません。逆に、保証が切れた古いキーボードや、壊れても構わない2台目なら試す価値はあります。判断は「この1台が壊れて困るか」で決めてください。
対策しても静電容量無接点の静音モデルには勝てませんか?
勝てません。メカニカルは構造上、底打ちの衝撃が筐体に伝わって反響します。静音軸と静音リングと吸音材をすべて足しても、静電容量無接点の静音モデルとは差が残ります。ただし「うるさくて使えない」から「気にならない」までは十分に到達できます。そこで足りるかどうかが、対策で済ませるか買い替えるかの分岐点です。

この記事を書いた人

midori

ソフトウェアエンジニア。年間50製品以上のPC周辺機器を自腹で買っては机の上を作り替えている。デスクは高さ72cm、モニターアーム2本。

  • 現役ソフトウェアエンジニア(10年目)
  • 自腹購入レビュー累計200製品以上

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