プログラミング向けキーボードのおすすめと選び方
公開日
この記事の結論
- 1
K8 Pro
★ 4.6
CapsLockを長押しCtrl・単押しEscにするような作り込みまでやりたい人
- 2
REALFORCE R3
★ 4.5
日本語配列と独立矢印キーを手放さずに、修飾キーの位置だけソフトで作り替えたい人
- 3
HHKB Professional HYBRID Type-S
★ 4.4
ホームポジションから手を一切離さずにCtrl・矢印を打ちたい、1日6時間以上コードを書く人
- 4
ProgresTouch RETRO TKL
★ 4.2
ソフトを入れられない業務PCで、Ctrlの位置だけを確実に直したい人
- 5
Majestouch Convertible 3 テンキーレス
★ 4.0
無線で複数台を切り替えつつ、Ctrlの位置だけは全台で固定したい人
各製品の詳しい評価を読むには、このまま下へスクロールしてください。

目次
結論から書きます。プログラミング用のキーボードは、記号の打ちやすさではなく「キー配置を変えられるか」で選んでください。
US配列は記号が打ちやすいとよく言われます。事実ですが、慣れれば縮む差です。それより毎分のように押すCtrl・Shift・矢印の位置のほうが、1日の総移動距離として効いてきます。
記号の位置は、思っているほど効かない
プログラミング用キーボードの話は、たいてい配列論争から始まります。{} [] : _ が打ちやすいのはUS配列だ、という話です。
これは半分正しい。US配列は記号の並びが規則的で、Shiftとの組み合わせも覚えやすい。ただし記号は「覚えたら終わり」の対象です。数週間から数か月で指が覚えて、そこから先は差が縮んでいきます。
一方で縮まないものがあります。Ctrl・Shift・矢印の位置です。これらは記号と違って「覚える」対象ではなく、押すたびに手が動く距離そのものだからです。慣れても距離は1mmも短くなりません。
配列そのものの比較はUS配列とJIS配列の違いに書きました。この記事はその先、配列を決めたあとに何を直すかの話です。
プログラミングで距離が効く3つのキー
Ctrl — 標準位置が最下段左にある問題
多くのキーボードは、Ctrlが最下段の左端にあります。ここを押すには左手を手のひらごと下げるか、小指を根元から折り曲げる必要があります。
エディタでもターミナルでもブラウザでも、Ctrlは繰り返し押されます。しかもコピー・貼り付け・保存・検索と、単独ではなく他のキーとの同時押しで使われるので、押している時間も長い。
だから昔からCapsLockの位置にCtrlを移す設定が定番になっています。Aの左隣なら、小指を横にずらすだけで届きます。手のひらの位置は動きません。
Shift — 記号を打つたびに巻き込まれる
記号の打ちやすさの話は、実はShiftの話でもあります。US配列でもJIS配列でも、よく使う記号の多くはShiftとの同時押しだからです。
ここで効いてくるのが押下圧です。Shiftを押さえたまま別のキーを打つ動作が1日に何千回とあるので、45gと30gの差は指の疲労として蓄積します。軽さを構造で選べるのは、この5製品では静電容量無接点の2機種だけです。
矢印 — 右手がホームポジションから出ていく
見落とされがちなのが矢印キーです。フルサイズでもテンキーレスでも、矢印は右手の外側にあります。
1文字戻る、1行下がる、という操作のたびに右手がJKLの位置から離れ、戻ってくるときに位置を探し直すことになります。Vimのhjklやエディタのキーバインドでこれを回避している人が多いのは、この距離が無視できないからです。
HHKBがFnと右手ホーム付近のキーに矢印を置いているのも、QMK系のキーボードでレイヤーに矢印を重ねる設定が定番なのも、すべてこの距離を消すためです。
配置を変える手段は3段階に分かれる
キーボード側で配置を変える方法は、自由度の順に3つあります。この記事のスコア「キー配置の変更自由度」は、この階層をそのまま点数にしています。
| 手段 | 自由度 | 代表 | 弱点 |
|---|---|---|---|
| QMK/VIA | 全キー・レイヤー・マクロまで | K8 Pro | 設定に時間がかかる |
| メーカー製ソフト | 修飾キーを含む再割り当て | REALFORCE R3 | レイヤーの概念がない |
| DIPスイッチ | 用意された組み合わせのみ | ProgresTouch、Majestouch | 任意の入れ替えは不可 |
上に行くほど良い、という単純な話ではありません。
DIPスイッチは自由度こそ最低ですが、ソフトを一切必要としません。 ドライバも常駐アプリも入らないので、会社の管理端末でも、ログイン前の画面でも、BIOSでも同じ配置になります。「Ctrlの位置だけ直れば十分」という要求に対しては、これが最も確実な手段です。
逆にQMK/VIAは、CapsLockを単押しEsc・長押しCtrlにするような作り込みまでできます。ただし配置を決めきるまでは試行錯誤が続き、その期間は生産性が落ちます。
静音性・押下圧・テンキーレスという副次条件
配置の次に効く条件が3つあります。
静音性は、ペアプロや会議中に打つかで決まります。同じ部屋に人がいる状況で打鍵音が響くと、配置がどれだけ最適化されていても打つのをためらうようになります。静電容量無接点の静音モデルが最も静かで、メカニカルなら静音赤軸系がそれに次ぎます。静音化の考え方は静音キーボードの比較に詳しく書きました。
押下圧は、連続入力の時間に比例して効きます。30gを選べるのはこの5製品ではREALFORCE R3だけで、メカニカル勢は購入時に選んだ軸で確定します。K8 Proだけはホットスワップ対応なので、後から軸を買い替えて修正できます。
テンキーレスは、キーボードそのものよりマウスとの距離の話です。テンキーの幅だけ本体が短くなるので、マウスを体の正面寄りに置けます。右肩を開いて手を伸ばす動作が減るぶん、肩の負担が変わります。判断材料はテンキーレスとフルサイズの比較に整理しました。マウス側の選び方はエンジニア向けマウスが近い話をしています。
プログラミング向けキーボードおすすめ5選
各製品の評価は「修飾キーの近さ/カーソル移動の近さ/キー配置の変更自由度/静音性/長時間入力の楽さ」の5項目・5点満点で統一しています。総合評価は単純平均ではなく、人に勧めるときの優先度を反映した編集判断の点数です。
評価
- 修飾キーの近さ
- 4.5/5
- カーソル移動の近さ
- 3.5/5
- キー配置の変更自由度
- 5/5
- 静音性
- 3/5
- 長時間入力の楽さ
- 4/5
ここが良い
- QMK/VIAで全キーを書き換えられ、CapsLockを「単押しEsc・長押しCtrl」のように1キー2役へ仕立てられる
- レイヤー機能で右手ホームポジション付近に矢印を重ねられるため、独立矢印キーを残したままHHKB的な運用もできる
- 設定はキーボード本体に保存されるので、OSのレジストリや常駐ソフトに頼らずに済む
- ホットスワップ対応で、押下圧が合わなければスイッチだけ買い替えて調整できる
- JISレイアウトの国内正規品があり、日本語配列のまま自作キーボード寄りの自由度が手に入る
ここは惜しい
- 静電容量無接点の静音モデルほど静かにはならず、会議中やペアプロ中の打鍵音は気になりやすい
- VIAの設定は自由度が高いぶん初期投資として時間がかかり、配置を決めきるまで生産性が落ちる
- アルミフレームで質量があり、日常的に持ち歩く用途には向かない
- 購入時に選んだ軸が合わない場合、スイッチ交換という追加出費が前提になる
配置を「選ぶ」のではなく「設計する」なら、これが答えになります。
QMK/VIAに対応しているので、全キーを書き換えられます。CapsLockをCtrlにするだけでなく、単押しならEsc、長押しならCtrlという1キー2役まで作れる。Vimを使う人にとっては、EscとCtrlの両方をAの左隣に置けるという意味になります。
レイヤー機能を使えば、右手ホームポジション付近に矢印を重ねられます。独立矢印キーを残したまま、HHKB的な運用も同時に手に入るというのがこの製品の強みです。どちらかを捨てる必要がありません。
設定はキーボード本体に保存されます。OSのレジストリにも常駐ソフトにも依存しないので、会社PCに挿しても同じ配置で打てます。ホットスワップ対応なので、押下圧が合わなければスイッチだけ交換して調整もできます。JIS配列の国内正規品があるのも実用上大きい。
1位にしましたが、弱点は明確です。まず静音性はこの5製品で下位です。静電容量無接点の静音モデルほどは静かにならないので、会議中やペアプロ中の打鍵音は気になります。
もう1つは設定に時間がかかること。VIAの自由度は、裏返せば「決めるべきことが多い」ということです。配置が固まるまでの数日から数週間は、むしろ生産性が落ちます。触るのが面倒な人が買うと、結局デフォルトのまま使うことになる製品です。アルミフレームで重いので、持ち歩く用途にも向きません。
価格・在庫は変動します。最新の価格はリンク先の販売ページでご確認ください。
評価
- 修飾キーの近さ
- 4/5
- カーソル移動の近さ
- 3/5
- キー配置の変更自由度
- 4/5
- 静音性
- 4/5
- 長時間入力の楽さ
- 5/5
ここが良い
- REALFORCE CONNECTで修飾キーを含めた再割り当てができ、CapsLockをCtrlにする設定をキーボード側に持たせられる
- キーマップを本体に2つ保存でき、OSに常駐ソフトを入れられない仕事用PCでも同じ配置が使える
- 30gモデルを選べるため、Shift・Ctrlを押しながらの連続入力で指にかかる力を構造的に減らせる
- APCで反応の深さを4段階に変えられ、誤入力寄り/取りこぼし寄りのどちらに振るかを後から調整できる
- 静電容量無接点方式で接点が擦れず、機構そのものが摩耗しにくい
ここは惜しい
- 矢印キーが右端にあるため、ホームポジションから右手を外す動作自体はなくならない
- REALFORCE CONNECTは自由度が高い反面、ユーザープリセットの一部でHEXコード指定が要るなど設定の敷居が高い
- QMK/VIAのようなレイヤーやマクロの概念はなく、1キーに複数の役割を持たせる作り込みには向かない
- スイッチは交換できないので、荷重の選択を購入時に間違えると後から直せない
日本語配列と独立矢印キーを手放さずに、修飾キーの位置だけ直したいという要求への現実解です。
REALFORCE CONNECTで、一般キーだけでなく修飾キーも個別に再割り当てできます。CapsLockをCtrlにする設定をキーボード側に持たせられるので、常駐ソフトを入れられない仕事用PCでも配置が崩れません。キーマップは本体に2プロファイル保存でき、電源ボタンの短押しで切り替えられます。
長時間入力の楽さでは、この5製品で唯一の満点にしました。理由は30gモデルを選べることです。Shift・Ctrlを押しながらの連続入力で指にかかる力を、慣れではなく構造で減らせます。APCで反応の深さを0.8/1.5/2.2/3.0mmの4段階に変えられるので、誤入力寄りと取りこぼし寄りのどちらに振るかも後から調整できます。
2位にしたのは矢印キーの位置です。独立矢印キーがあるのは利点ですが、位置は右下のままなので、ホームポジションから右手を外す動作自体はなくなりません。 この記事の軸で言えば、修飾キーは直せてもカーソル移動は直せない、ということになります。
REALFORCE CONNECTは自由度が高い反面、ユーザープリセットの一部でHEXコードの指定が要るなど設定の敷居も高い。QMK/VIAのようなレイヤーやマクロの概念もないので、1キーに複数の役割を持たせる作り込みには向きません。スイッチは交換できないため、荷重の選択を購入時に間違えると後から直せない点も注意が要ります。
価格・在庫は変動します。最新の価格はリンク先の販売ページでご確認ください。
評価
- 修飾キーの近さ
- 5/5
- カーソル移動の近さ
- 5/5
- キー配置の変更自由度
- 3.5/5
- 静音性
- 4.5/5
- 長時間入力の楽さ
- 4.5/5
ここが良い
- Ctrlが最初からAの左隣にあり、CapsLockをCtrlに入れ替えるという定番の設定作業そのものが不要
- 矢印がFn+右手ホームポジション付近に置かれているため、カーソル移動で右手が本体外へ出ていかない
- 全キー45gで底打ちしなくても入力が確定するので、修飾キーを押しっぱなしにする操作の負担が小さい
- Type-Sの静音機構がキー内部にあり、後付けのOリングと違って打鍵感を犠牲にせずに音を下げている
- Bluetooth4台登録とUSB-C有線を切り替えられ、会社PCと自宅PCで同じキー配置を持ち回せる
ここは惜しい
- 独立した矢印キーとファンクション行がなく、Fn同時押しが常に前提になる。ここが合わないと3万円台が丸ごと無駄になる
- キー配置の変更はDIPスイッチとKeymap Toolの範囲に限られ、レイヤーやマクロを自在に組めるQMK系ほどの自由度はない
- Controlの位置に慣れるほど、他人のPCや貸与ノートで手が止まる。持ち出せない技能になりやすい
- パームレストもケースも別売りで、本体価格だけでは出費が終わらない
距離という一点なら、この製品が最短です。 修飾キーの近さもカーソル移動の近さも、この5製品で唯一の満点です。
Ctrlが最初からAの左隣にあります。CapsLockをCtrlに入れ替えるという定番の設定作業そのものが不要で、設定ファイルも常駐ソフトも要りません。矢印はFnと右手ホームポジション付近のキーに割り当てられているので、カーソル移動で右手が本体の外へ出ていきません。この記事が言っている「距離」を、設計の時点で消しにいった製品です。
全キー45gの静電容量無接点で、底打ちしなくても入力が確定します。修飾キーを押しっぱなしにする操作の負担が小さいのは、この構造によるものです。Type-Sの静音機構はキー内部にあるので、後付けのOリングと違って打鍵感を犠牲にせずに音が下がります。
それでも3位にしたのは、その距離を全員に強制するからです。独立した矢印キーとファンクション行がなく、Fn同時押しが常に前提になります。片手で矢印を押しっぱなしにする操作はやりにくくなり、ここが合わないと3万円台が丸ごと無駄になります。
キー配置の変更も、DIPスイッチとKeymap Toolの範囲に限られます。すでに完成した配置を受け取る製品であって、自分で設計する製品ではありません。加えて、Controlの位置に慣れるほど他人のPCや貸与ノートで手が止まります。パームレストもケースも別売りで、本体価格だけでは出費が終わらない点も含めて判断してください。単体の掘り下げはHHKB Professional HYBRID Type-Sのレビューにあります。
価格・在庫は変動します。最新の価格はリンク先の販売ページでご確認ください。
評価
- 修飾キーの近さ
- 4/5
- カーソル移動の近さ
- 3.5/5
- キー配置の変更自由度
- 2.5/5
- 静音性
- 3/5
- 長時間入力の楽さ
- 4/5
ここが良い
- DIPスイッチでCapsLockと左Ctrlを入れ替えるため、ドライバも常駐ソフトも要らず、接続したPCすべてで同じ配置になる
- 入れ替え後のキーキャップの長さが合わない問題に対して、交換用キーキャップが最初から付属している
- CHERRY MXの軸を購入時に6種類から選べ、静音赤軸を選べば打鍵音の問題にも同時に対処できる
- 2色成形キーキャップで刻印が摩耗せず、長期間使っても表示が消えない
- 有線専用のぶん構成が単純で、電池切れや再ペアリングといった無線特有のトラブルが起きない
ここは惜しい
- 変更できるのはDIPスイッチで用意された組み合わせだけで、任意のキーへの再割り当てはできない
- レイヤーやマクロの概念がなく、矢印キーを右手ホームポジション付近へ持ってくることはできない
- 有線専用のため、複数台のPCを切り替えて使う運用には向かない
- バックライトがなく、暗い部屋での視認性は他の候補に劣る
会社の管理端末にソフトを入れられない、という制約から選ぶならこれです。
本体裏のDIPスイッチでCapsLockと左Ctrlを入れ替えます。ドライバも常駐ソフトも要らないので、挿した先のPCが何であっても同じ配置になります。OSのアップデートで設定が飛ぶことも、ログイン前の画面だけ配置が違うこともありません。
地味ですが効くのが、入れ替え用の交換キーキャップが同梱されていることです。CapsLockとCtrlはキーの長さが違うため、入れ替えると刻印も形も合わなくなります。この問題に最初から部品で答えているのは、実際に入れ替える人の視点で設計されている証拠です。
CHERRY MXの軸を購入時に6種類から選べるので、静音赤軸を選べば打鍵音にも同時に対処できます。2色成形キーキャップで刻印が摩耗しない点も、長く使う前提では効いてきます。
4位にしたのは自由度です。変更できるのはDIPスイッチで用意された組み合わせだけで、任意のキーへの再割り当てはできません。レイヤーの概念もないので、矢印を右手ホームポジション付近へ持ってくることは不可能です。この記事の軸で言えば、3つの距離のうちCtrlしか直せません。
有線専用なので複数台を切り替える運用にも向かず、バックライトもありません。「Ctrlの位置だけ確実に直れば十分」と言い切れる人以外には、上位機のほうが向きます。
価格・在庫は変動します。最新の価格はリンク先の販売ページでご確認ください。
評価
- 修飾キーの近さ
- 4/5
- カーソル移動の近さ
- 3.5/5
- キー配置の変更自由度
- 2.5/5
- 静音性
- 3/5
- 長時間入力の楽さ
- 3.5/5
ここが良い
- DIPスイッチによる入れ替えなので、接続先のOSを問わず同じキー配置になる。Bluetoothで会社PCとMacを行き来しても設定が崩れない
- CapsLockとCtrlに加えてEscと半角全角の入れ替え、Fnキー位置の変更もハードウェア側で完結する
- Bluetoothと有線の両対応で、無線が不安定な環境ではケーブルに逃がせる
- CHERRY MX採用で軸を選べ、テンキーレスなのでマウスをホームポジション寄りに置ける
- キーボード本体の設計が長く続いているシリーズで、キーキャップなど周辺品の入手性が安定している
ここは惜しい
- DIPスイッチの組み合わせ以外の再割り当てはできず、任意のキーを自由に入れ替える用途には応えられない
- レイヤー機能がないため、矢印キーを右手ホームポジション付近へ移す運用は不可能
- メカニカルスイッチなので打鍵音は大きめで、会議中の入力には向かない
- 入れ替え用の交換キーキャップは同梱されず、CapsLockとCtrlのキーキャップの長さが合わないまま使うことになる
無線で複数台を行き来しながら、配置だけは全台で固定したいという組み合わせに応える製品です。
DIPスイッチによる入れ替えなので、接続先のOSを問いません。Bluetoothで会社のWindowsとMacを行き来しても、設定が崩れる余地がそもそもないという作りです。CapsLockとCtrlに加えて、Escと半角全角の入れ替え、Fnキー位置の変更もハードウェア側で完結します。Escの位置を変えられるのは、Vimを使う人には効きます。
Bluetoothと有線の両対応なので、無線が不安定な環境ではケーブルに逃がせます。CHERRY MX採用で軸を選べ、テンキーレスなのでマウスをホームポジション寄りに置けます。長く続いているシリーズで、キーキャップなど周辺品の入手性が安定しているのも実用的な利点です。
5位にしたのは3点です。まずDIPスイッチの組み合わせ以外の再割り当てはできず、レイヤー機能もないので、矢印を右手ホーム付近へ移す運用は不可能です。
次に打鍵音。メカニカルスイッチなので会議中の入力には向きません。 そして4位のProgresTouchと違い、入れ替え用の交換キーキャップが同梱されません。 CapsLockとCtrlのキーキャップの長さが合わないまま使うことになるので、見た目と指の当たりが気になる人は別途キーキャップを買う前提になります。
無線という条件を外せるなら、同じDIPスイッチ勢では4位のほうが完成度が高い。無線が要件に入っているかどうかで選び分けてください。
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5製品を横並びで比較する
| 項目 | イチオシKeychronK8 Pro | 東プレREALFORCE R3 | PFUHHKB Professional HYBRID Type-S | ARCHISSProgresTouch RETRO TKL | FILCOMajestouch Convertible 3 テンキーレス |
|---|---|---|---|---|---|
| 総合評価 | 4.6/5 | 4.5/5 | 4.4/5 | 4.2/5 | 4/5 |
| 配列 | 日本語配列テンキーレス | 日本語配列(テンキーレス/フルサイズを選択) | 英語配列60キー/日本語配列69キー | 日本語配列91キー(テンキーレス) | 日本語配列91キー(テンキーレス) |
| キースイッチ | Gateron G Pro(ホットスワップ対応) | 静電容量無接点方式 | 静電容量無接点方式 | CHERRY MX(黒・茶・青・赤・静音赤・スピードシルバーから選択) | CHERRY MX(赤・茶・青・静音赤などから選択) |
| 押下圧 | 選択した軸による(スイッチ交換で後から変更可) | 45g/30g/変荷重から選択 | 全キー45g | 選択した軸による(購入時に決定し、後から交換できない) | 選択した軸による(購入時に決定し、後から交換できない) |
| Ctrlの標準位置 | 最下段左(VIAでCapsLock位置へ変更可) | 最下段左(REALFORCE CONNECTでCapsLock位置へ再割り当て可) | Aの左隣(DIPスイッチで変更可) | 最下段左(DIPスイッチでCapsLock位置へ入れ替え可) | 最下段左(DIPスイッチでCapsLock位置へ入れ替え可) |
| カーソル移動 | 独立矢印キーあり。レイヤーで右手ホーム付近に矢印を重ねる設定も可能 | 独立矢印キーあり(右下) | 独立矢印キーなし。Fn+右手ホーム付近のキーで代用 | 独立矢印キーあり | 独立矢印キーあり |
| キー配置の変更方法 | QMK/VIA。レイヤー・マクロ・タップとホールドの打ち分けまで本体側に書き込める | REALFORCE CONNECT。一般キー・修飾キーを個別に再割り当てし、本体に2プロファイル保存 | 本体裏のDIPスイッチ+公式Keymap Tool(本体保存) | 本体裏のDIPスイッチ。CapsLockと左Ctrlの入れ替えなどをハードウェア側で設定 | 本体裏のDIPスイッチ。CapsLockと左Ctrlの入れ替え、Esc/半角全角の入れ替え、Fnキー位置の変更に対応 |
| 接続 | USB Type-C有線/Bluetooth(複数台切り替え) | USB Type-C有線/Bluetooth 5.0 | USB Type-C有線/Bluetooth 最大4台 | USB有線 | Bluetooth無線/USB有線の両対応 |
| 対応OS | Windows/macOS/Linux | — | — | — | — |
| 楽天で選んだ構成 | 赤軸・ブラック(K8P-J1-JIS) | ハイブリッド静音・ホワイト。テンキーレスはR3HCシリーズ(30gはR3HC23) | 英語配列・墨(PD-KB800BS) | 茶軸・黒(AS-KBPD91/TBKN) | 赤軸・日本語かなあり・マットブラック(FKBC91MRL/JB3) |
| アクチュエーションポイント | — | APCで0.8/1.5/2.2/3.0mmの4段階 | — | — | — |
| キーストローク | — | — | 3.8mm(Type-S。無印HHKBは4.0mm) | — | — |
| 付属品 | — | — | — | Ctrl/CapsLock入れ替え用の交換キーキャップ同梱 | 入れ替え用の交換キーキャップは同梱されない |
| キーキャップ | — | — | — | 2色成形 | — |
| こんな人に | CapsLockを長押しCtrl・単押しEscにするような作り込みまでやりたい人 | 日本語配列と独立矢印キーを手放さずに、修飾キーの位置だけソフトで作り替えたい人 | ホームポジションから手を一切離さずにCtrl・矢印を打ちたい、1日6時間以上コードを書く人 | ソフトを入れられない業務PCで、Ctrlの位置だけを確実に直したい人 | 無線で複数台を切り替えつつ、Ctrlの位置だけは全台で固定したい人 |
| 購入先 |
表を見ると、修飾キーの近さとカーソル移動の近さで満点なのはHHKBだけです。それでも3位にしているのは、その配置を選べないからです。逆にK8 Proは素の状態ならHHKBに負けますが、HHKBに寄せることも、独立矢印を残すことも選べます。 この記事が「配列より配置の変更可否」と言っているのは、そういう意味です。
買う前に決める順番
- 今の不満がCtrlか、矢印か、記号かを切り分ける — 記号だけなら配列の話であって、買い替えの話ではない
- OS側でCapsLockのCtrl化を数日試す — ここで戻したくなるなら、ハードウェア側に投資する理由がない
- 設定を持ち歩く必要があるか決める — 会社PCで同じ配置が要るなら、本体保存に対応した機種に絞られる
- 矢印をホーム付近に置きたいか決める — 置きたいならQMK系かHHKB、独立矢印を残すならそれ以外
- 同じ部屋に人がいるかで静音性を決める — 会議やペアプロがあるなら静音モデルを優先する
- 連続入力が長いなら押下圧を選べる機種にする — 30gを選べるのは静電容量無接点の一部だけ
まとめ
- 記号の位置は慣れで縮む。Ctrl・Shift・矢印の距離は縮まない
- CapsLockをCtrlにできるかが、実質的な最初の分岐点
- カーソル移動をホームポジション内に収められるかが、次の分岐点
- 配置を持ち歩くならキーボード本体に保存できる機種を選ぶ
- テンキーレスはキーボードの話ではなく、マウスとの距離の話
US配列かJIS配列かで悩んでいる時間があるなら、まずCapsLockをCtrlにして数日打ってみてください。 効果の大きさが体感できるはずです。そのうえで「この配置をどのPCでも維持したい」と思ったときが、キーボードを買い替えるタイミングです。



