REALFORCE R3 レビュー
公開日
この記事の結論
REALFORCE R3 シリーズ
★ 4.5/ 5
こんな人に: 荷重と押下点を自分の指に合わせて追い込みたい人
良い点
- 30gモデルは指を置いただけで沈むほど軽く、腱鞘炎持ちでも打ちやすい
- APCで押下点を変えられるので、誤入力と打ち漏らしを自分で追い込める
- テンキー有無や日本語配列など、選択肢が多く仕事の環境に合わせやすい
惜しい点
- モデルが多すぎて、型番から仕様を読み解くのに慣れが要る
- 30gは軽すぎて指を休められず、人によっては誤入力が増える
- 本体が大きく重いため、持ち運びは現実的でない
詳しく読むには、このまま下へスクロールしてください。
目次
結論から書きます。REALFORCE R3 は「配列を1ミリも変えずに、指の負担だけを減らしたい人」の道具です。 荷重を選べてAPCで押下点まで調整できるので、自分の指に合わせて追い込めます。ただし型番が読み解きにくく、見た目のカスタマイズはほぼできません。
私は日本語配列・45g・静音のテンキーレスモデルを自費で購入し、半年ほど仕事で使っています。以下は開封の感想ではなく、荷重の選択とAPCの設定を何度か変えたうえでの話です。
REALFORCEを選ぶ理由は、HHKBとは違う
同じ静電容量無接点方式でも、HHKBとREALFORCEは向いている人がはっきり違います。方式そのものの説明は静電容量無接点方式とメカニカル方式を構造から比べた記事に書いたので、ここでは選択の話に絞ります。
HHKBは配列ごと最適化するキーボードです。60キーでControlはAの左隣、矢印キーはFn同時押し。打鍵感を得る代わりに、指の使い方そのものを作り替えることを要求してきます。
対してREALFORCEは今までの配列のまま、打鍵の質だけを上げるキーボードです。日本語配列が標準ラインナップにあり、矢印キーもファンクションキーも独立しています。会社の貸与PCと配列を揃えたまま、自宅のキーボードだけ良くできる。これが最大の価値だと思っています。
つまり「静電容量無接点を試したいが、仕事のやり方は変えたくない」人にとって、REALFORCEはほぼ唯一の答えになります。
REALFORCE R3 の評価
半年使ったうえでの評価は次のとおりです。コスパだけ厳しく付けています。
半年使ったうえでの評価
- 打鍵感
- 4.7/5
- 静音性
- 4.5/5
- カスタマイズ性
- 3.8/5
- 耐久性
- 4.8/5
- コスパ
- 3.4/5
良かった点と、使ってみて惜しいと感じた点は次のとおりです。
ここが良い
- 30gモデルは指を置いただけで沈むほど軽く、腱鞘炎持ちでも打ちやすい
- APCで押下点を変えられるので、誤入力と打ち漏らしを自分で追い込める
- テンキー有無や日本語配列など、選択肢が多く仕事の環境に合わせやすい
- 日本語配列が標準ラインナップにあり、会社のPCと配列を揃えたまま乗り換えられる
ここは惜しい
- モデルが多すぎて、型番から仕様を読み解くのに慣れが要る
- 30gは軽すぎて指を休められず、人によっては誤入力が増える
- 本体が大きく重いため、持ち運びは現実的でない
- キーキャップの選択肢が少なく、見た目のカスタマイズはほぼできない
ここまでで判断がついた人向けに、先に販売ページへのリンクを置いておきます。型番選びで迷いそうな人はこの下を読んでから決めてください。
東プレREALFORCE R3 シリーズ
荷重の選び方が、この製品のいちばん重要な決断
REALFORCEは30g・45g・変荷重から選べます。ここを間違えると、他がどれだけ良くても満足度が下がります。
45g は一般的なキーボードに近い重さで、移行がなだらかです。私はこれを選びました。前に使っていたメカニカルのタクタイル軸から乗り換えて、違和感を覚えたのは最初の1日だけでした。
30g は指を置いただけで沈むほど軽いです。指の負担は明確に減りますが、指を休める場所がなくなるという副作用があります。ホームポジションに指を乗せているだけで入力されるので、慣れないうちは誤入力が増えます。腱鞘炎など明確な悩みがあるなら価値がありますが、「軽いほうが良さそう」という理由だけで選ぶと後悔しやすい選択肢です。
変荷重 はフルサイズモデルにある選択肢で、小指で押すキーだけ軽くなっています。フルサイズを使う前提なら合理的ですが、テンキーレスでは選べません。
APCは「買った後」に効いてくる機能
APC(アクチュエーションポイントチェンジャー)は、キーが反応する深さを専用ソフトから段階的に変えられる機能です。
正直に言うと、買った直後はこの機能の価値が分かりませんでした。 標準設定で不満がなかったからです。効いてきたのは2か月ほど経ってからで、「長文を打つと打ち漏らしがある」という不満が出てきたときでした。押下点を浅い側に1段階変えたところ、打ち漏らしが目に見えて減りました。
逆に、浅くしすぎると今度は触れただけで入力されます。この行ったり来たりを自分で調整できるのがAPCの本質です。最初から完璧な設定を探す機能ではなく、不満が言語化できてから触る機能だと考えてください。
なお、キーごとに個別設定もできますが、私は使っていません。全体を1段階ずつ動かすほうが体が合わせやすいと感じています。
静音モデルと非静音モデルの差は思ったより大きい
REALFORCEには静音モデルと非静音モデルがあります。この差は価格差以上に体験を変えます。
静音モデルは、打鍵音から芯が抜けたような丸い音になります。 一方で非静音モデルは、店頭で触った印象では「スコッ」という抜ける音が明確に乗ります。打鍵そのものを楽しみたいなら非静音のほうが気持ちいいのは確かです。
ただしオンライン会議でメモを取る用途があるなら、静音モデル以外の選択肢はありません。 在宅勤務が前提なら、ここは打鍵の楽しさより実用を優先したほうが後悔が少ないと思います。
打鍵音そのものを下げたい話は、メカニカル側の対策も含めてメカニカルキーボードを4軸で順位付けした記事のほうでも触れています。
半年使って困ったこと
型番から仕様が読み取れない
これがいちばんのストレスでした。REALFORCEは配列・荷重・静音の有無・テンキーの有無・接続方式の組み合わせでモデルが分岐し、型番はその組み合わせを記号で表しています。慣れるまで、どれが自分の欲しい構成なのか公式サイトを何往復もしました。
買うときは型番を眺めるのではなく、「日本語配列」「45g」「静音」「テンキーレス」のように条件を先に決めてから絞り込んでください。条件さえ決まっていれば選べます。逆に、条件を決めずに一覧を見ると確実に迷います。
大きく重いので、置き場所を先に決めておく
テンキーレスモデルでも本体には相応の重さがあります。 打鍵中に本体がずれることは一切ありませんが、持ち運ぶ重さではありません。
またREALFORCEは奥行きがあり、手前に傾斜もついています。机の奥行きが浅いと、キーボードを置いた時点でマウスの可動域が削られます。私は結局モニターアームを導入して机の奥行きを稼ぎました。このあたりは机側の問題なので、デスク環境を一から組み立てる手順をまとめた記事も見てみてください。
見た目は変えられない
軸の形状が一般的なメカニカルと違うため、市販のキーキャップセットが使えません。色を変える、刻印を変えるといった楽しみ方はほぼできないと考えてください。
見た目まで含めて作り込みたいなら、ホットスワップとキーキャップの選択肢が豊富なKeychron K8 Proのレビューのほうが要件に合います。REALFORCEは道具として完成しているものを、そのまま長く使うタイプの製品です。
結局、誰が買うべきか
半年使った結論として、REALFORCE R3 を勧められるのは次のような人です。
- 日本語配列のまま、打鍵の質だけを上げたい人 — 会社のPCと配列を揃えたまま乗り換えられます
- 指の負担を具体的に減らしたい人 — 30gと45gを選べるキーボードは他にほとんどありません
- 在宅勤務でオンライン会議が多い人 — 静音モデルの静かさは実用レベルです
- キーボードを10年単位で使い続けたい人 — 耐久性と部品の入手性で不安がありません
逆に、見た目やキーキャップを作り込みたい人、持ち運びたい人、とりあえず安く試したい人には勧めません。とくに3つ目は重要で、この価格帯は「試す」買い物ではありません。まず静電容量無接点が自分に合うか知りたいなら、店頭で長文を打たせてもらうほうが確実です。
配列ごと最適化してもいいと思えるなら、HHKB Professional HYBRID Type-Sを1年使ったレビューと読み比べてから決めてください。同じ方式でも、要求してくる変化の量がまったく違います。
よくある質問
荷重は30gと45g、どちらを選ぶべきですか?
APC機能は本当に必要ですか?
HHKBとREALFORCE、どちらを買うべきですか?
静音モデルと非静音モデルの差は大きいですか?
キーキャップを交換して見た目を変えられますか?
東プレ
REALFORCE R3 シリーズ
総合評価4.5/5
評価
- 打鍵感
- 4.7/5
- 静音性
- 4.5/5
- カスタマイズ性
- 3.8/5
- 耐久性
- 4.8/5
- コスパ
- 3.4/5
こんな人に荷重と押下点を自分の指に合わせて追い込みたい人
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